TELEFUNKEN
M80
今回は久しぶりにマイクを見てき行きましょう。 今回のターゲットはTELEFUNKEN M80です。コンデンサーマイクに勝るとも劣らない音質、というのが前から気になってはいたのですが、NAMM SHOW 2010で実際に音を聴いて一気に興味爆発です。高いですが(50万円くらい...)コンデンサーもすごく良かったです。いつか導入したい!、と思わせるマイクでした。
Product Overview of M80
プリングルスの様な箱に入っています(つくば店の店長はほんとにお菓子だと思っていたらしくマイクであることを伝えるとすごくびっくりしていました)。レトロな絵の感じです。さて、本体を見てきましょう。まぁ何の変哲もないマイクです。SHURE SM58と比べてみましたが、一回り大きいでしょうか。その分重量もあります。48mm/184mm 372gです。SM58がφ51×全長165mm、310gですから一回りちょっとという印象をうける方もいらっしゃるでしょう。女性にはちょっと重たいのかなぁ、という印象です。まぁ外国の方は基本的に体が大きいですから。
- 指向性:Cardioid
- 周波数特性:30Hz-18kHz
- 出力インピーダンス:200 ohms
- サイズ:48mm/184mm 372g
- 外見:ラバーブラック
という感じです。周波数レンジが広いのが注目でしょうか。参考までに他のマイクの周波数特性はVocal ハンドヘルドマイク比較をご覧下さい。ダイナミックでは ... 15kHz-16kHzが多いので高域の伸びは期待出来そうです。
軽量化したダイアフラムと高性能出力トランスがM80のサウンドを鍵となっているようです。スタジオとステージの両方で使えるよ、とコメントがあります。グリルのところにもTELEFUNKEN USA ™M80DYNAMICLO Zcardioidと書かれています。
Sound Impression of M80
お待ちかねのサウンドです。やはりSM58と比較してみました。「ダイナミック?」と一瞬思うほど高域に伸びがあります。新しいから、とかではなく根本的に伸びのある音です。もはやSM58がこもって聞こえます。
周波数特性曲線(本体にも付属します)を見てみたのですが、結構デコボコしています。SM58やBeta57Aなどもデコボコしていますが、パッと見た感じ、ピークとディップの差はそれらよりも大きいですね。
まず200Hzから1.8kHzあたりまでは比較的フラットで、2.2kHzあたりにディップがあります。そこから大きく上昇して5kHzあたりと9kHzあたりにピークガあります。なるほどこのすっきりしているけど、特に耳が痛くない感じはこういうカーブなのか、という感じです。200Hzあたりから下はなだらかに落ちているのですが、近接効果を意識しての処理でしょう。
誤解を恐れずに表現すると、結構イコライジングされた(=作られた)感じの音、でもいやらしくなくて好感が持てる感じ
という感じです。
声だけでチェックするのがもったいなくなってきたので(=Vocalマイクとして、以外の可能性も感じたので)DsやGtでも試してみました。
For Snare Drums
スネアのチューニングにもよりますから、あくまで一例としかならない部分もあるのですが...。
今回は横から打面に平行気味に狙ってみました。僕は結構このマイキングをするのですが、程よいサステイン、皮鳴りの部分が拾えるので好きなマイキングの一つです。
やはり、SM57よりも上が伸びていて明るい音がします。EQのレスポンスもよく(ダイナミックなのに)結構上のほうまでEQが効いているのが分かります。
For Clean Gt
録音でRoland JC-20を使う機会があり、ちょうど欲しい音の帯域がM80とハマリそうだったので、試してみることにしました。
ギタリストが何事もなかったかのように音を作って演奏し始めたところを見ると問題なかったのでしょう。サラサラした感じの綺麗で可愛い(これはJC-20の音)が収録できました。
Afterwords
良くも悪くも明るい音の特性を持っているので、万能、とは言えないかもしれませんが、ここぞ、というときには強いマイクである事は間違いないと思います。
こんなページ見つけました。試聴もできるので興味がある方は覗いてみて下さい。