Focusrite
OctoPre
今回も若干今更ながらの感じの漂うProduct Reviewですが1U 8chマイクプリアンプを取り上げていきたいと思います。別のタイミングでOnyx 800Rもアップ予定です。
Product Overview of OctoPre
まずはフロントパネルから見ていきましょう。構成はch1,2とch3-8で若干異なっておりch1,2は"INSTRUMENT"入力(TRS 1/4")を装備しています。つまりch1,2のみ"MIC","LINE","INSTRUMENT"から入力を選ぶ形となります。またch1,2のみphaseスイッチが搭載されています。ch3-8は"MIC","LINE"の両者から選択するようになります
全ch共通のスペックとしては
- GAIN:Mic:0 ... 60dB,Line:-10 ... +10dB
- HPF:12dB/Oct,-6dB@75Hz
- Dymamics:
- Limiter:+20dBu固定
- Compressor:Thereshold,Ratio可変タイプ、1ノブコントロール
です。周波数特性は10Hz ... 200kHz(-1dB)と非常に上まで伸びた特性を誇っています。
パネルの右にはクロック選択、ディザー選択とDigital optionを搭載したときに使用するボタンが並びます。
ついでなのでリアパネルのDigital Optionの説明に移りましょう。もちろんanalogには非搭載です。このボードにはAES/EBU,S/P DIFの出力、ADI(adat optical),S/MUXの出力,W/Cの入力があります。作動クロックをInternalで作動させたときは44.1/48/88.2/96kHzから選択できます。外部からW/Cを供給してやるときにはボードに搭載されてる"EXT SYNC"を押すとW/Cに追随します。もちろん44.1/48/88.2/96kHzのいずれかで作動します。またAES/EBUとS/P DIFは選択式で、D-sub 9pinから出力されます。これが意外と不便...。D-sub25ならまだ簡単に用意できるのですが、9pinとなると...なかなかないもんです。自作といっても...という感じですね。一応メーカーからD-sub 9pin→XLR(m)×4は製品として発売されています。
ということも今回のチェックはアナログアウトとADIを使用しました。
さてアナログアウト(LINE OUTPUT)とLINE INPUTですが、ピン配列はTASCAMアサインのD-sub25コネクターです。最近はいろいろ変換ケーブル(ブレイクアウトケーブル)も発売されていますからあまり困らないでしょう。
Sound Impression of OctoPre
ソースはDsです。
- OH L/R
- Kick
- Snare
デジタルアウトとアナログアウト2種類同時に収録してみました。デジタルはADIを使いレコーダーからW/Cを供給しました。48kHz,24Bitでの収録です。時間の関係で収録レベルを厳密に合わせることができなかったのですが、音の印象はぱっと聴きさほど変らないかなという感じです。Kickの下の部分もきっちり出ています。Plutinum Rangeの音というか、その昔Compounderを持っていたのですが、それに通ずる音がします。さすがにISA(=Annex RecordingのFocusrite ISA430mkII)と比べると気の毒ですが...。RecorderのEQでいろいろ操作してみたのですがブーストしたいところもきっちり上がってきます。
今回はレコーダーに「8chのマイクプリを拡張したい」と言うお客さんのリクエストでデモ機をいくつか取り揃えた感じなのですが、彼が一番気に入ったのはこのOctoPreのようです。「デジタルとアナログの差は小さいのでとりあえずアナログでもいいかもねー、ADC分でケーブルとかもそろえることできるし」などと雑談や、システムの相談をしながら試聴していきました。
もっと録音してミックスまでやっていくとデジタルとアナログの差(FocusriteのADC vs. RecorderのADC)がでてくるのかもしれません。デジタルとアナログを同時に鳴らしたと時に高域がえらいことになっていましたのでレイテンシーなどに差もあると思います。
そうそうレイテンシーはOctoPrの方が小さかったことを付け加えておきましょう。
dataをもらってULできるといいのですがいつになるやら...
Afterwords
僕も録音にはさまざまなHAを使っていますがクオリティの観点からもまったく問題ないといえる製品ではないかと思います。
もちろんハイエンド機の方がよい音はするのかもしれませんが、差額でマイクやケーブル,インターフェイスなどをアップグレードした方がよい結果になることも可能性としては十分ありえるのではないかともいます。
デジタルミキサーなどでHAを増設しようとお考えの方、ハイエンド系も選択肢としてありだと思いますが、まとまってチャンネル数があるものも有りかなと最近僕も考えています。
音の好みなどご相談乗れる部分あると思います。お気軽にご相談ください。