特徴
5024の各チャンネルにはそれぞれ72dBのゲイン増幅に加え、 フェイズ、ミュート、ファンタムパワー、切り替え式ハイパスフィルター、有名なクラシックマイクプリアンプが持つリッチで暖かい、プレゼンスを再現する"シルク"サーキットが搭載されています。また、チャンネル1と2には楽器入力のHi-Zインプット、3と4には多チャンネルコンソール無しでMid-Sideデコーディングが行えるMSスイッチを実装しています。
Microphone Input
マイク入力は150kHz以上の周波数を除外するコモンモードリジェクション・ローパスフィルターを備えたトロイダルトランスによる「変圧器のようなアンプ」(T.L.A.)を使用した計装用アンプの変形を配置することによりバランスですが、フロートされていません。T.L.A.は、ユニティゲインで十分な+25d Bu入力信号に対応する入力トランスの後に配置されます。この設計は、電子バランスとトランス入力の利点を組み合わせます。ファンタムスイッチが切られる時、この入力は10,000オームインピーダンスの高品質なライン入力として機能するのです。
Low Noise, Low Distortion Operation
もっとも気をつけたのは可能な限りノイズ、歪みを抑えた5012の設計を引き継ぐことでした。5012の甘く、ささやくように静かなパフォーマンスは慎重なシグナルパスとクラスAオペレーションにより実現します。詳細は5012のページを参照ください。
Why Transformers?
トランスに関する議論は、ここでは不適当です。技術的な説明は後日明らかにされることでしょう。しかしながら個別コンポーネントではなく、全体の設計を見ることに理解があればいくつかの要点を見ていくことは有効です。
音質に関係する回路設計の素晴らしく繊細なところは、徐々に、より明白に理解されるようになっています。例えば、"研究"は、20kHz以上の周波数が人間が音質の知覚に影響することを決定的に示しました。しかし、科学的根拠が出現したことよりもかなり前から、本質を理解する音楽家とエンジニアの間では同じ技術計測結果の様に見える機器であってもサウンドが全く異なることは知られていました。信じられないほど少量の不調和な奇数調波であっても音質に致命的な影響を与え、シグナルパスが受ける外来のノイズは全体に連なってパフォーマンスを害してしまいます。多くのコントロールルームは外部信号からの保護が十分になされていないままのアウトボードギアを使っています。貧弱なグランド処理が施された機器は深刻な問題を引き起こします。現代の機器に使われている多くの電子バランス回路の機器はベンチテストに於いてはとてもよい計測結果を出すことができますが、多くの機器に囲まれた作業環境で同様に供給するとは限りません。「求められる」信号だけがプロセシング・パスに入り去るように、入出力回路はグランドから解放され無ければいけません。理想的な解決はトランスになります。かつてのクラシックアナログコンソールが持つ甘くシルキーなサウンドは、大きなトランジスタと、大きくて上質なトランスによって達成されました。Rupert Neve Desgins社のPorticoモジュールは今日に同様の品質をかつての容積とコストを無しに達成しています。このモジュールはプロ機器であり、細心配慮がなされる必要があるハムノイズやR.F干渉、また接続するインターフェイス、グランド、レベル、インピーダンス等の相互作用といった様々な影響を受けること無く、何処のコンソール構成の中でも最良の動作をすることが求められています。Porticoのモジュールシリーズは独立して完璧な性能を発揮することができるシグナルプロセッサーなのです。これは我々がトランスを使用すること理由のひとつです。