特徴
INPUTセクション
マイク、ライン、またはDIの3種類のソースを入力します。10kΩのノンリアクティブ入力抵抗を持つこのマイクインプットは、パッドなしで26dBuの信号をハンドリングします。マイクプリアンプはディスクリートオペアンプとトランスカップリングによって構成され、66dBのゲインを得られます。もちろん48Vのファンタム電源と位相反転スイッチも装備しています。DI入力にプラグを差し込むとトランスカップリングの3MΩディスクリート FET DI回路が選択されます。この回路により、ローインピーダンスのマイクからエレキギター/ベースなどの電気楽器まで幅広くカバーします。ゲインコントロールの前からアンバランス信号をそのまま取り出し、フロントパネルの"Thru"アウトから出力できるので外部のアンプで鳴らす場合も便利です。なお"Line"スイッチが押された場合、リアパネルのXLRライン入力からの信号がオンとなり、HPFやトリムコントロールへ送られます。
TEXTUREセクション
今回のPortico IIのために新たに開発されたのが、この"Texture"です。Porticoシリーズのマイクプリアンプに装備されていた"Silk"をさらに進化させたこの回路は、ソースに含まれる音楽的な高調波成分を調節します。ノブを回すことで連続変化を実現し、その効果は抜群です。Portico同様に"Silk"モードでは出力トランスに於ける負帰還成分を減少させ、ルパート・ニーブ氏がビンテージ機器で設計した様な周波数特性に近づきます。さらに"Silk +"モードで高調波成分が豊富な、さらによりリッチなサウンドを得られます。
EQUALIZERセクション
Portico IIに装備された4バンドEQは、ビンテージ機器で得られるようなダイナミックなイコライジングから、繊細なニュアンスコントロールまでをカバーします。通常はこのEQセクションはマイクプリアンプ&HPFとコンプレッサーの間に位置します。しかし"Post Comp"スイッチを押すことでコンプレッサーの後ろに位置することができます。LMFとHMFはフルパラメトリックタイプで、+/- 12dBの調節と0.7から5の"Q"調節ができます。LFとHFはシェルビングタイプながら、スイッチでクラシカルなピークタイプとしても動作します。各バンド単位でのイン/アウト、及びEQ全体のイン/アウトが可能です。なおHMFバンドは新たに追加されたディエッサー回路にも使われます。
COMPRESSORセクション
このクラシカルな仕様のコンプレッサー/リミッターは、Portico 5043と同様にFFとFBの2つのモードを装備しています。これはVCAの検出方式が異なり、前者の場合はより速いレスポンスを得られ、正確なアタック&リリース動作をします。後者の場合はよりスムースな動作で、音楽的あるいはビンテージ機器的なレスポンスといえるでしょう。さらに"Blend"ノブの装備により、コンプレッションされた信号とドライな信号のミックスを調整することができます。これにより自然なダイナミクスを得ながらも、ソース中のより静かな素材のボリュームを増加させることが可能です。例えばドラムトラック中で、ブラシによるスネアの演奏などに最適です。
Spec
Spec
- マイクプリアンプ
- 周波数特性:–3 dB @ 2 Hz メインアウト(無負荷時)
- –3 dB @ 160 kHz
- 全高調波歪率及びノイズ
- @ 1kHz, +20 dBu 出力時: 0.002% 以下
- Silkオン:2次高調波 0.2%以下
- ハイパスフィルター
- 連続可変周波数:20 Hz to 250Hz
- 遮断特性: 12 dB/Octave Bessel19
- イコライザー
- LFセクション:周波数: セレクタブルロータリースイッチ 35Hz/60Hz/100Hz/220Hz
- LMFセクション:周波数ポイント連続可変 70 Hz ~ 1400 Hz
- HMFセクション:周波数ポイント連続可変 700 Hz ~ 14 kHz
- HFセクション :周波数: セレクタブルロータリースイッチ 4.7kHz/6.8kHz/12kHz/25kHz
- コンプレッサー
- スレッショルド: 連続可変 -30dBu ~ +20dBu
- レシオ: 連続可変 1.1:1 ~ 20:1
- ブレンド: 連続可変 0% ~ 100%コンプレッサー
- ゲイン: 連続可変 -6 dB ~ +20 dB
- アタック: 連続可変20 mS ~ 75 mS (0.1mS ファストモード時)
- リリース: 連続可変 100mS ~ 2.2 Seconds
- 外形寸法 HxWxD(mm)
- 約89 (2U)x482x254
- 出荷重量
- 9.72Kg