t.c. electronic
TC1140

Product Overview of TC1140

機材checker=Takumi Otaniです。
今回はt.c. electronicの名機TC1140です。
t.c.の製品と言えばハイエンドデジタル製品と言う印象が強いかと思いますが、Chorusやこの1140など、ハイエンドアナログ機材の名機を多数発表しています。
TC1140ですが、楽器用(Gt/Ba用)のプリアンプと4バンドフルパラメトリックEQを搭載しています。
入出力ですが、1/4"のi/oに加えてtuner out,更にはXLRの入出力を搭載していますので、録音時だけではなく、Mix時にも処理をさせることが可能です。つまみやディスプレイも非常に考えられています。
4バンドあるEQですが、1-4までの各部に"Overlord"のインジケータがあります。また"Bypass"も簡単です。
Boost/Cutのレンジも±20dBです。
プリアンプ部もしっかりしています。ハーモニクスが程よく加わった音はしっかりと前に出てきます。Bassistに人気があるのが良く分かります。
EQの中心周波数は
band1
20Hz-2kHz
band2
50Hz-5kHz
band3
100Hz-10kH
band4
200Hz-20kHz
となっており、bandwidthは0.1から2まで連続可変です。各つまみが、100倍のFsエリアをカバーし全体で可聴領域全体をカバーします。

Sound Impressopn of TC1140

実際の音ですが、パキッとしていて高域まで綺麗にでている印象があります。しっかり作られたプリアンプ部のなせる業でしょう
Mixの時にたまに使うのですが、なんと言うんでしょう。TC1140にしか出せない音を持った機材ですね。Vintageで状態の良いものを探している人が多いというのもうなづけます。
EQもめちゃくちゃ効きます。
20dBもレンジがあるので当たり前と思われるかもしれませんが、ダメなEQと言うのはどんなにCut/Boostしてもだめですね。音が変わらずにノイズだけが増えている、みたいなEQも有りますから。

AMEKやSSLなどの高級機はつまみをほんの2,3dB分動かしただけでも大きく音が変わります。なれない人間がSSLを使うとそのEQの効きに翻弄されてmixの本質を失う、なんてな話を聞いたことがありますが、それもうなずける話です。Engineerにしてみれば世の中のEQすべてがあれくらい効けばよいのになと思います。

久しぶりに引っ張りだしてきて、Gtを通してみました。改めてすごいと思いましたね。主にXLRの入出力だったのでGt/Baのプリアンプしてはあまり使用していなかったのですが、自在に音(=ToneControl)を替えることが出来る、といっても過言ではないかもしれません。

気を良くして先日の録音でも使用してみました。
基本的にTC1140を通す、必要があるときにはAmpのToneControlとともにTCのEQもいじってみる。みたいな感じです。
クライアントとも、「アンプのToneControlはやはり回路全体を同じところが設計しているから説得力があるねー」なんてな話をしていたのですが、PreAmpの特性でしょうかハードウェアバイパスよりもやはり音がくっきりします。
さらにクリーンサウンドを収録する段にTC1140の前にChorusを入れて、EQもで高域をブースとしてつややかなCleanサウンドを収録したりしました。80年代には当たり前の手法でしたが、今となっては懐かしくも有り、逆に新鮮だったりしますね。
Line収録だからこそ可能なCrystalなCleanサウンドが収録できました。

Afterwords

もう生産完了になり、中古でしか見かけることはないと思いますが、試す機会があれば是非試していただきたい機材ですね。

t.c. electronic,TC1140

date:
checker:Takumi Otani

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