t.c. electronic
PowerCore FireWire


今まで取り上げてきたものはほとんどアナログ機材、もしくはデジタルでもスタンドアローンで使用可能なものでした。今回はt.c. electronicのPowerCore FireWireを取り上げましょう。強力なDPSを使用(搭載)することが前提になっているPro ToolsやPyramixを除き、CubaseやSONAR,Digital PerformerはPC本体のCPUにより使用可能なプラグインの数などに大きな制限が出てきてしまいます。Pro Toolsがここまで普及したのはその操作性や音質のよさなどもあると思いますが、基本的にDPSを搭載しているので安定稼動させることが出来る、ということもひとついえると思います。端的に言ってしまうと
「汎用機であるPCを専用機であるMTRとして使うことが出来る」
というメリットがあります。
その安定性はとても魅力ですが、あのシステムをポンと買うことが出来る人は少ないでしょう。
そんな中、数年前から
「CPUのパワーが足りないなら外部にDSP足せばいいじゃん」
という考えの下、Wavesやt.c. electronic,universal AudioなどからPCIのDSPボードや最近ではFireWire接続が可能な、いわゆる
「Native DAWのための外部DSP」
的な製品が出てきました。SSLのDuandoなどはメーカーのイメージもあってなおのことそう感じられます。
ちょっと話はそれますが面白いですよね。
昔SSLやNeveでmixしていたときも、Pultec EQや1176の使用ははコンソールではカバーしきれない部分を補いなう、という部分がありましたが、本質は違えどデジタルになってもやはり同じようなことがおきているわけです。
さて話を戻しましょう。
標準搭載プラグインは14種類で
Tubifex – ヴァーチャル・ギター・アンプ
Mega Reverb – TCリバーブ・プロセッサー
Classic Verb – クラシック・リバーブ・プロセッサー
24/7・C – ヴァーチャル・リミッティング・アンプ
EQSAT Custom – パラメトリックEQ
Master X3 – マルチバンド・ダイナミックス・プロセッサー
Voice Strip – ヴォイス・チャンネル・ストリップ
Vintage CL – コンプレッサー/リミッター
Chorus・Delay – モジュレーション・マルチエフェクト
PowerCore 01 – シンセサイザー
Filtroid – アナログ・フィルター・バンク
Character™ – サウンドシェイピング・ツール
DeNoise – ノイズ除去ツール
Dynamic EQ – ダイナミックEQ
となっています。
更にTrialとしてFabrik Cなども期限付きですが使用可能です。
DSPを4基搭載していますのでMega VerbなどもCPUに負荷をかけることなく使用可能です。
僕はMixの早い段階で数種類(まあせいぜい4つくらいですけど)Revを立ち上げて使用していくので、Plug-inを立ち上げた瞬間画面がかくかくし始めたというのは大きなストレスになります。
また個人的意見ですが、リバーブはたくさん種類があったほうがよいと思います。
誤解を招く表現かもしれませんが、リバーブは音をぼやかせてしまう効果も持っているので、同じものを使用すると、いくら設定を変えても限界があります。奥行き感を出そうと思ってreverbを使って、かえって平面的になってしまう場合もあります。
またエフェクターを一通り網羅しているので様々なことが試せます。
今回はMixの時に使用したのですが、素敵なことこの上ないです。Fabrik CをKickにinsertして...
等とクライアントとやっていたのですが、楽しいです。
以前konnekt 24Dの時にFabrik Cについては簡単に書きましたが、マウスという同時に1つのものしか操作できない操作子を使用して、様々にパラメーターを変更することが可能です。
すべてを試したわけではないのですが、MegaVerbが今回はバッチリでした。
また     VSS3 Stereo Source Reverbも試すことが出来たのですが、M3000ユーザーの僕としては嬉しい限りです。やはり狭いディスプレイでページをジャンプしながらよりもPCの画面の方が一度に得られる情報量が多くて楽にエディットできます。
またDSPの消費量を監視することが出来るソフトも付属しているので1プラグインあたりのDSP消費量を管理することも可能です。
FocusriteからはLiquid Mixという、アナログチャンネルストリップ,コンプ,EQをコンボリューション処理した、主にシグナルプロセッシングに特化したDSPが、
SSLからは同社のchannle stripとトータルコンプをシミュレーションしたものが、
他にも様々なアプローチで各社開発を続けているようです。
目が離せない分野がまた増えてしまいましたが、楽しみでもありますね。
PowerCore X8も発売が開始されました。更なるパワーを持っている(PowerCoreFireWireの2倍)ユニットです。
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checker:Takumi Otani

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