sE electronics
sE8 omni Pair
発売から時間が経ってしまいましたが、やっと試すことができました。その名の通り、以前レビューしたsE8の無指向性Versionです。
早速見ていきましょう。
Product Overview of sE8 omni Pair
まずSpecから参りましょうか。sE8(Cardioid)のSpecも記載します。
Spec of sE8 omni
- タイプ
- スモールダイアフラムトゥルーコンデンサー
- 指向性
- オムニ
- 周波数特性
- 20Hz - 20kHz
- 感度
- 20 mV/Pa(-34 dBV)
- 最大許容音圧レベル
- 141 / 151 / 161 dB SPL(0 / 10 / 20 dB パッド)
- セルフノイズ
- 15 dB (A)
- ダイナミックレンジ
- 126 / 136 / 146 dB(0 / 10 / 20 dB パッド)
- S/N比
- 79 dB
- ローカットフィルター
- 80 / 160 Hz、6 dB / Oct(選択可)
- パッド
- 10 / 20dB(選択可)
- 動作電源
- ファンタムパワー 48V(IEC 61938 準拠)
- インピーダンス
- 110Ω
- 推奨負荷インピーダンス
- 1kΩ 以上
- 消費電流
- 2.7 mA
- コネクタ
- XLR 3ピン
- 外形寸法
- 23 mm(直径)x 120 mm(長さ)
- 本体重量
- 141 g
- 付属品
- マイククリップ(変換ネジ付き)x 2個、ウインドスクリーン x 2個、ステレオマウントバー、メタルフライトケース
Spec of sE8(cardioid)
- タイプ
- スモールダイアフラムトゥルーコンデンサー
- 指向性
- カーディオイド
- 周波数特性
- 20Hz - 20kHz
- 感度
- 25 mV/Pa (-32 dBV)
- 最大音圧レベル
- 139 / 149 / 159 dBSPL (0/10/20 dB パッド) (0.5% THD @ 1kHz)
- セルフノイズ
- 13 dB (A)
- ダイナミックレンジ
- 126 / 136 / 146 dB (0/10/20 dB パッド)
- S/N比
- 81 dB
- ローカットフィルター
- 80 / 160 Hz、6 dB/Oct (選択可)
- パッド
- 10 / 20dB (選択可)
- 動作電源
- ファンタムパワー48V (IEC 61938 準拠)
- インピーダンス
- 110Ω
- 推奨負荷インピーダンス
- 1kΩ以上
- 消費電流
- 2.7 mA
- コネクタ
- XLR 3ピン
- 外形寸法
- 23 mm (直径) x 120 mm (長さ)
- 本体重量
- 141 g
- 付属品
- マイククリップ(変換ネジ付き)x 2個、ウインドスクリーン x 2個、ステレオマウントバー、メタルフライトケース
違いは指向性だけ、と言ってよいでしょう。それもそのはずでsE8(Cardioid)との違いはCapsuleだけで,sE8のプリアンプユニットにsE8 omni Capsule Pairを搭載すればsE8 omniの出来上がりです。
周波数特性曲線に若干の差があります。
sE Omniの方は8.5kHzあたりをPeakとしたカーブになっています。5,6dB程でしょうか。sE8 (cardioid)も少し同じにあたりにうっすらpeakはありますが、こちらは1,2dBくらいですね。明るく収録したいソースに向いている気がします。
Sound Impression of sE8 omni Pair
さて、実際の音に参りましょうか
今回は別々のタイミングですがG. pfとDsのO/Hで試してみました。
for Grand Piano
知り合いのバンドから、「Keyの自宅にPfがあるんだけどそれ録音してみたい!」的な相談をもらい、「でしたらこれ使ってみましょう!!」とマイブームのOmniを使いました。
他にも3本のコンデンサーマイクを使用し、1ステレオ+3モノラルでの収録です。真面目な録音、というよりは「音質的に自宅のPfを使うことは可能なのか?」「なんだかんだ音源の方が使いやすいのか?」という重要なテストです。
sE8 Omniを弦の中央あたりを狙ってX-Yマイキングに、モノラルマイクはRoom mic的なポジションに一つ、Pf本体下側ポジションに一つ、Roomとして吹抜け2Fから1本というポジションです。
録音してみて音を確認してみましたが、周波数特性曲線通りのやや明るめの音質です。キンキンするという感じではなく明るい音
というのがぴったりな音質です。
後日データをもらってEQなどを掛けてみましたがどの帯域もしっかりかかってくれます。
既述の通り、基本的な音色が明るめなので高域をブーストすることは少ないかもしれませんが、試しに、10kHzあたりをShelving boostしてもきちんと反応してくれます。
低域も変にボワつくことなく非常に扱いやすい音質といった印象です。近接効果も発生しないので低域の逆算をしなくて良いのも助かりますね。
バンド素材に混ぜても埋もれることなくしっかり出てきてくれます。
for Overhead of Drums
さて、DsのOverheadに使用してみました。ここにはよくsE8を使用するので比較としてはもってこいと言えるでしょう。厳密にHAを揃えて試聴したわけではないので印象ベース、ということにはなってしまいますが、ご了承ください。
近接効果を気にしなくて良いのでいつもより少し(5-10cm程度)近くしてみました。Snから80-100cmくらいでしょうか。実際にはこの距離ではほとんど近接効果を気にする必要はないと思います。
感度が2dB違いますが、「(音が)小さいな!」と感じることはありません。sE8を使用している感覚と大差なし、といっていいと思います。
音質もsE8に似ています。前述の8.5kHzあたりのPeakがOHにおいて悪さをするかな、と思っていたのですが、なんらそんなことはありませんでした。少なくともOHにおいてはプラスに働いている印象です。
無指向性だからか音像がワイドな印象を受けます。録音した部屋のサイズが分かるというと言い過ぎですがそういった情報を持っている音質/音像です。
Mixingの際にSNの回線と位相を合わせていたのですが、「今、エンベロープのpeak pointが一致した!」というのがわかる情報量と精度を持っています。
音量変化に対するレスポンスもよく、ストレスを感じません。音がしっかり録音されているのだと思います。
Afterwords
指向性が無指向性ということで宅録ユーザーさんにはピンと来づらい部分もあるかと思いますが、アコギなどにも有効な選択肢では無いかと思いますし、Live concertなどにはカブリやハウリングの観点からもちょっと使いづらいかもしれませんが、IEMの普及によりだいぶ使いやすくなってきているのでは無いでしょうか。
価格もべらぼうな金額では無いのラージダイアフラムの次の選択肢としてもオススメですし、PfやDsのOH、Padも搭載していますからGt ampなどにも有効な選択肢だと思います。
Annex Recにも導入しましたが、2021年に「導入して良かった製品 No.1」になる予感がします(執筆時点で2021年は半年以上残っているので他の製品試して意見が変わったらごめんなさい)。
date:
checker:Takumi Otani
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