Roland Audio&Visual Solution Fair report
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Edirol by Roland CG-8
Edirol by Roland V-440HD Ver. 2.0
前置き
-Tedious preamble-
行ってきました!!Roland Audio&Visual Solution Fair report!会場はラフォーレ・ミュージアム六本木です。
あそこまでオフィス街だと、エンジニアというだけで、変なオーラが出ていまして、「あ、この人も行くんだろーなー」という人がすぐわかります。おそらく僕もそうだったのでしょう(苦笑)。 開場前に到着し待つことしばし、デモンストレーションまでの30分間、例のごとく、しつこく質問攻めにしてきました。その内容はまたあとで...
V-Mixing System
まずV-Mixing Systemのコンセプト、設計思想からお話しましょう。V-Mixing SystemはコンソールのM-400とREAC Technologyを採用したDigital Snakeのセットになります。基本的にこのDigital Snakeの使用が前提となります。YAMAHAの01VやDMシリーズ等を思い浮かべた方はちょっと外れです。またYAMAHA PM1Dみたいなものかというとそれも違います。
PM1DはProccessingをすべてDSPボードで、つまりステージボックスで行っていますが、M-400のProccessingは本体内で行われます。 M-400自体にもアナログI/Oは8コづつ搭載されていますが本体は48ch仕様となっており、明らかに足りません(苦笑)。Deckやアウトボードなどに使うことになるでしょう。 ここまで書いてしまったので、先にMixing Consoleの部分、M-400について見ていきましょう。
- M-400
2007/10/25発売
まずベーシックなスペックから、
- 48input,18bus,58output
- 内部処理56bit(!!)
- size:749(w)626(d)229(h)
- weight:19.8kg
- 100mm Touch sense Fader
基本的にSelected channel conceptとなっており、選んだチャンネルを左上のChannel Editで操作するという感じです。ch editの操作子ですが、
- PRE AMP
- GATE
- COMP
- FILTER
- EQUALIZER
- PAN
- AUX SENDS
VSシリーズ等を触ったことがある人なら簡単になじめると思います。 また操作子にはカラフルに色がついており、それがdisplayとも一致しているので、さくさく操作できます。
Faderは24ch並んでおり、右側には、MAINのFaderがあります。 Faderは4Layer構造になっており、CH1-24,CH25-48,AUX/DCA,USERとなっています。 この辺は結構普通のDigital mixerという感じですね。
トップパネルですが、100mm Touch sense Fader、その上にMUTE,levelメータ、SOLO、SEL(ect)があります。MAINも同じです。ただMAINのMUTEに手が当たって音が出なくなるのは怖いです。ここは是非改良して欲しいです。
TFTディスプレイは視認性も高く、視野角も広いので、野外でもしっかり見えると思いますし、照明の強力なLive Houseでもしっかり見えるでしょう。下手にタッチディスプレイにしなくて正解かもしれません。現場で高速なオペレーションが必要なとき、切り替わるまでの0.5秒は正直「イラッ」ときます。
さて背面に目を向けてみましょう。
前述のXLR端子が8コずつ並びます。中央には「REAC」と書かれたEthernaetコネクターが3つ用意されています。使用されているケーブルは、CAT5eケーブルを採用、イーサネット100BASE-TXで送受信コネクターは、信頼性の高いノイトリック社製のEtherconです。REACは双方向の伝送が可能なので、コネクター自体ににIN/OUTの区別はありません。その他には、MIDI/V-Link I/O,Digital Out,T/B inputも用意されてまいす。USB Host機能もあるので、USBメモリーに録音も可能です。
さて、ここで何度か出てきている「REAC」,「Digital Snake」について解説補足しておきましょう。
まず、REACですが、コレはRoland Ethernet Audio Communicationの頭文字をとったものです。 1本のコネクターを通じて、24ビット/96kHz/40チャンネルのオーディオ情報(M-400は48kHz/44.1kHz)と、MIDI、リモート、レベル・メーターのデータ情報をやりとり可能というもので、数年前にS-4000というDigital Snakeが製品化されていました。CAT5eのケーブルで100m(重量5.5kg!!!)、更に光ケーブルに変換すれば、さらに2kmの延長が可能という素敵なテクノロジーです。
ちなみにSnakeというのはマルチケーブルのことで、大蛇のように見えることから海外ではアナログマルチののことをSnake cableと呼ぶことが多いです。国内はMultiと呼ばれることが多いのでしょうね。あれだけ細いにも関わらず、Snakeという単語を使っている辺りに、Roland流のジョークを感じます。
さて、今回コレにあたらなラインナップが加わりました。
S-1608とS-0816です。S-XXYYという型番のXXの部分が入力数,YYの部分が出力数を示しています。つまりS-1608は16入力、8出力S-0816は8入力16出力の製品です。形状はMulti Boxさながらです。 更に大規模の入力が必要なときにはS-4000S-3208を使用するのがよいでしょう。
話が前後しますが、M-400がパッチングもリコールできますので、例えば56インプット立ち上げておいて、シーン切替で、それらを呼び出し操作する、と言うことも可能です。同時にコントロール可能なのは48入力ですが、ケーブルの抜き指しが減るのでトラブルの減少、時間の節約にもつながるでしょう。
デジタルミキサーというと気になるのが出力のCalibrationですが、フルビットで+22dBu (0dBfs@1kHz)となっています。Masterのメーターも-18dBfsで黄色と緑が入れ替わりますのでわかりやすい設定といえるでしょう。オシレーターも内蔵していますので1kHzとUVメーターでcalibrationをとることも可能です。
操作性についていくつか、僕自身がデジタルミキサーに慣れている、という部分もあるかもしれませんが、さくさく使用できます。レスポンスも良く、デジタルミキサーを触ったことのない人も特にストレスなく操作できるでしょう。音に関してですが、実際に現場で使用したわけではないのでなんとも、という部分ありますが、Rolandに特有のある種明るい音質傾向にあります。決して軽いわけではありません。ただ録音もとの音質傾向かも知れません。 ザクッと操作して、聞いてみて気に入ったのはcompressorの音質です。非常にレスポンスも良く、僕好みにかかってくれます。 ユースとしては常設、特にライブハウスが向くのかな、と思いましたが、仮設の現場などでも威力は発揮できそうです。むしろCATケーブルで簡単に取りまわせる、などといったメリットは仮設の方が生きるでしょう。 立ち上げをつなぐ手間も、時間も結構馬鹿になりませんし、やはり、アナログをマイクレベルのまま長距離伝送するのは高域のロスが大きくなります。僕は録音も行いますが、SRの現場と異なるフレッシュな感じの音が聞けるのは高級マイクを使用したり、SSLやAmekのHAを使用しているからだけではなく、やはり回線が圧倒的に短い、という部分も否定できないと思います。 高域の存在を何処まで重要視するかにもよるかだと思いますが、flatに入ってくるならそれに越したことはありませんし、それに対してアプローチするのがエンジニアだと思います。
さて、若輩者が生意気をいいましたが、せっかくDigitalにするのだからそのメリット(保存が出来る、高い再現性 etc.)を最大限に生かしたいものです。YAMAHAのPM1DもそういったコンセプトでDSP BOXとリモートに分かれているのでしょう。
V-Mixing system決して安くはない価格(定価¥1,449,000-)(システムにより変動)かも知れませんが、考えてみてください。全チャンネルにEQとDynを装備した48input,8Aux+8Group,8VCAのコンソールがいくらするか。42in/16out,100mのSnakeがいくらするのか。そう思うと、かなり前向きに考えられるのではないでしょうか?
さて、コレまでは、主にLive Consoleとしてのシステムを見てきましたが、そのほかの可能性も記載しておきましょう。
- Multi Track Recording:SONARとの連携により40ch/24bitのMulti Track Recordingが可能です。しかも必要なコネクタはUSBやFireWireではなく、Etherコネクタ(!!!)実際に録音していたのですが、いやー、PC周りはスッキリしていました。
- Use as Monitor Console:2台のM-400とREACスプリッターを使用することにより、F/B consoleとFoH consoleとして使用可能。
Multi Format Solutions
さてここからは映像です。知人に映像を生業にしている人がいるのですが、映像がSD(=Standard Definition)からHD(=High Definition)に移行し、機材を買い換えないといけない、と言う話題を最近耳にしました。遅かれ早かれ、映像に関わるお仕事をなさっている方はこういった決断を迫られるのかなと思うと大変だと思います。基本的に業務機というのは信頼性、耐久性の高いパーツを使っているため、やはり高価になります。しかも「コレがあればあればOK」というものでもなく、システムとして入れ替えなければならないとなると、いくら法人とはいえ、きついのではないかと。 時代の流れだから仕方ないのかもしれません。2011年にはアナログ放送廃止になり、SDは表面上姿を消すことになるのだと思いますが、いますごい勢いでSD→HDのアーカイビングが行われているとか、映像もやはり記録ですから残しておかないといけない部分があるのでしょう。Rec StudioにもTape(むしろ「Data」) Libraryと言う部屋がありますし、当店でも録音したMulti track DataはDVDに保管しています。HDに完全移行が完了しても、再放送だったり、製作の現場ではクライアントが持ってきたDataがSDだったという状態も考えられるのではないかと思います。 完全に新製品の紹介というわけではないのですが、いくつか製品を紹介したいと思います。
- VC-300HD
¥1,155,000-税込定価 この製品は映像関係のformat(HDV,DV,HD-SDI,SD-SDI,HD component,SD component,DVI-I)をリアルタイムで他のフォーマットに変換できるものです。音に関していうと、DDコンバーターみたいなものだともってもらってよいかと思います。リアルタイムというのがすごくないですか?読み込みやレンダリングが必要ないんです。圧倒的な時間と手間の短縮につながります。 ここにつらつらと専門的なことを書くのもどうかと思いますので詳細はVC-300HDを参照していただくとして、コレの有用性について考えていきたいと思います。
製作/編集時に必ず、フォーマットを指定できるのであれば問題と思いますが、なかなかそうも行かないのが現場というヤツです。僕も何度か「えー確認したじゃーん。」という状況になったことがあります(僕はRec/Mixのときですけど)。PCなどからの書き出しを間違えた、ならまだよいのかもしれませんが、カメラに収録してあるフォーマットと納品フォーマットが異なる、なんてな時に威力発揮ですね。
また、プレゼンテーションなどにも有効ではないでしょうか?カメラ,PC,DVDなどが混在する状況で、VC-300HDを中核にすえておけば、1つのmonitor(=プロジェクタや液晶displey)に出力できるので、便利ですし、記録をとるのも簡単ですね。
後述のVideo mixerやVisual Synthesizerを組み合わせることにより、ライブやイベントの演出にも活躍しそうです。とくに大きな会場には是非欲しい機材の一つといえるのではないでしょうか?
- CG-8
¥Open
コレのデモンストレーションはとても楽しかったですね。この製品は「Visual Syntrhesizer」となっていますが、「Real Time Visual Proccessing Unit」と言ってもいいような製品です。数年前なら数時間かかって作っていたようなCGがリアルタイムでさくさくと、しかも指1本で。「コレでアナタもVJに!!」といわんばかりの勢いです。
V-SynthでもおなじみのXYpadには自由にパラメーターをアサイン可能です。こちらにオフィシャルのページがありますので是非見てみてください。絵画ならいざ知らず、時間軸と共に進行していく映像ですからやはり動画を確認していただくのが一番だと思います。正直「買おうかなぁ...」と思いましたがすぐ「買って俺何するんだろう?」と我に返りました(^^;)。
- V-440HD Ver. 2.0
¥1,449,000
コレはもう形というか写真からすぐにわかってもらえると思います。そうです。映像ミキサーです
SD入力4系統、HDやRGB入力4系統を自在にミックス/スイッチが可能です。V-LinkでM-400と接続することにより、H-440HDを操作すれば、それにあわせて音声も同期して入れ替わります。ちゃんとFader動きます。 映像と音響のより高度なシンクが可能となりますね。 またVer 2.0になったことにより、20種類以上の機能を追加。ちょっと機能的に専門性が高いのと量が膨大すぎて書ききれないというのが正直なところです(汗)。
あとがき(?)
-Afterwords-
いかがだったでしょう。V-Mixing Systemは発売になる10/25からTest Drive Campaignが始まります。平たく言うと、デモ機貸し出しです。興味をもたれた方、導入を検討中の方、お気軽にメイルにてお問合せいだけたらと思います。また、Music Plantの商品ページに新たなカテゴリ、「Visual+Broadcasting」を追加するべく、弊社webmasterが整備を行っています。11月ごろには公開したいとのこと。お楽しみに!!
この記事の最終更新日はJun 24, 2024 Monday 15:08 JST ,
Product Review最終更新日はSep 30, 2024 Monday 20:02 JST です。
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