行ってきました!!KORG新製品発表会
楽器フェアを目前に控え、各メーカー新製品の発表が多くなっているようです。KORG M園さんからお招きをうけ、いつもの発表会場G-ROCKSに出向いてまいりました。
早くついてしまったので、展示会場となっている3F,4Fで写真を撮ったり、ドサクサにまぎれて説明を聴いたりしていました。そのうちデモンストレーションの時間となり、1Fの会場に向かったのですが、先に言っちゃいます。今回の製品はヤバイのが多いです。今回の発表会は本当に言ってよかったです。実際に触らないと分からない部分があるのが楽器ですので、ボクの拙文でその魅力が何処まで伝わるか自信がありませんが、頑張ってみますのでお付き合いください。
- AC30VR/AC15VR
- Pathfinder10 Bass
- amPlug Acoustic
- amPlug Cabinet
- SV-1 Stage Vintage Piano
- microSAMPLER
- WAVEDRUM WD-X
- LP-350 RD
VOX
デモンストレーションの順番的にこちらが最初でしたので、こちらから始めましょう。まずACシリーズに新しいラインナップが加わりました。
AC30VRとAC15VRです。
AC30VR/AC15VR
VOX Valvu Reactior回路を搭載した新製品です。見た目はAC30にそっくりです。VOXの製品はpathfinderからAC30CC2まで幅広く、入門者からプロまでを幅広くカバーしていますが、ミドルグレードの製品がちょっと手薄でしたが、このシリーズが投入されたことにより、すべての穴が埋まりました。プリアンプ部はディスクリート,パワーアンプ部に真空管を搭載したハイブリッドとなっています。パワー回路に使用されているのはなんと12AX7、ボクも最初聴き間違えたかと思い、資料を見てみるとやはりそこにはあのPreTubeとして有名な12AX7
の文字が。解説によると、非常にダイナミックレンジが広く、レスポンスが良いとのこと。クリーントーンでの演奏をしてくれましたが、非常にツヤのあるサウンドでレスポンスの良い音がしていました。
チャンネルは2chでノーマル(=クリーン)とオーバードライブがそれぞれ前述のアナログプリアンプにより実現されています。オーバードライブchはOD1とOD2の2種類のGAINを搭載することによりブルージーなクランチ/オーバードライブから、アグレッ費ぶなはいゲインサウンドまでを網羅しています。
クリーンサウンドには特に色付けがないのでマルチなどを多用する方も問題無しです。リバーブ,フィットスイッチも搭載していますので「アンプはダイレクトが一番でしょう」という方もこの1台でかなりの音を作りこむことができます。
スピーカーはVX12 Celestion,重量はAC30VR=23.0kg,AC15VR=16.4kgです。
定価は
- AC30VR:¥57,750-
- AC15VR:¥39,900-
11月下旬発売予定の注目のアンプです。
ここからの数機種は特にデモンストレーションで解説があったわけではないのであまり詳細な説明があるわけではありません。悪しからずご了承ください。
Pathfinder Bass10
お手軽練習アンプとしてロングセラーを続けるPathfinderシリーズにBassアンプが登場です。10W5"Sp×2のスペックでサイズを超えるベースサウンドを提供します。"ドライブノブ"を装備しナチュラルな音からモダンなドライブサウンドまでを網羅。指彈きからチョッパー奏法まで幅広く対応します。
定価は
- Pathfinder Bass10:¥9,450-
12/9発売予定です。
amPlug Acoustic
大人気、ある意味世界で最も小さなアンプのamPlugシリーズにニューカマーです。その名もAcoustic
!!エレキギターにつないでエレアコサウンドがゲットできるエレアコアンプシミュレーターです。
Fat/Brightの2種類のエレアコサウンドが用意されており原音とのブレンドも可能です。電池駆動で最大27時間使用可能です。
定価は
- amPlug Acoustic:¥4,935-
12/9発売予定です。
amPlug Cabinet
これを見たときは「えーと...」となりました。だって「ヘッドフォンで深夜等にスピーカーを鳴らさなくてもOK!」というのがamPlugの最大のウリであり、コンセプトだと思っていたので「え、音出せちゃうの?」と思いました。
見た目はまさしくキャビネットでamPlugシリーズがまるでアンプヘッドのようになります。そうです。皆さんお持ちの数だけheadを持っていることになるのです。
定価は
- amPlug Cabinet:¥2,625-
12/9発売予定です。
KORG
さあ、ここからは(?)長いですよ。
SV-1 Stage Vintage Piano
Stage Pianoと名のつく商品はあまたあれどVintage
を冠するものはどれほどでしょうか。もう見た目から好きになってしまうほど強力な個性を放っています。Basicなアコースティックピアノはもちろん、エレピ、クラビ、オルガンなど36種類の音色を搭載。しかもこの6バンク×6種類=36音色のために使用されているメモリーは512MB、あのM3シリーズと同じ容量です。M3はKORGのフラッグシップシンセで数百の音色をもっていますが、その容量を36音色に贅沢にふんだんに使い切ったとのこと。いやー、思い切ったことやるもんです。それもそのはず。音色にもよりますが、Dynamic Layerが7レイヤーになっているとのこと。ちなみにM3のダイナミックレイヤーは最大4です。この時点で、やばくないですか。
パネルを見て行きましょう。一番右に電源スイッチがありますが、これがなんとトグルスイッチ(!)分かってらっしゃるKORGさん!一番右には真空管が搭載され、穏やかな光を放っています。これは後述のAmp ModelのDriveで使用されています。真空管から右へ各エフェクト/コントロールを見ていっていましょう。
- Master Volune
- 3band Equalizer
- Pre Fx
- Amp Model
- Favorites
- Sound
- Modulation Fx
- Rever/Delay
各エフェクトには[ON/OFF]のスイッチが搭載されており、簡単にバイパスサウンドを得ることが可能です。「イメージとしては互いに完全独立のコンパクトエフェクターが並んでいるような感じ」とは解説をしてくださった開発の方のお話です。音色によって各アンプモデルやEQの特性は変ることはないそうです。
ここのパネル上でもほとんどことは操作できますが、Editorを使用すると更に細かなeditも可能とのことです。
基本的に各ノブはロータリエンコーダーになっており、暗いステージでも何を選んでいるのか、何処を指しているのかがすぐに分かるようになっています。しかもプッシュタイプのエンコーダーで、プッシュでオリジナルパラメーターが呼び出されます。いろいろエディットして一部、(例えばアンプの"Drive")だけdefaultに戻したくなったときには、ノブを押すだけ。これで押されたノブだけその音色の初期設定に戻ります。
せっかくですからもう少し細かく見ていきましょう
Pre FX
- TYPE
- SPEED
- INTENSITY
の3つのノブが並びます。TYPEのパラメーターは"Comp"や"Vibrato"などエレピやクラビなどに欠かせないものが並んでいます。
AMP MODEL
ここはアンプのモデリングセクションです。Amp1-5とOrdan Ampを選び、DRIVEノブで歪量を決定していきます。とてもいい感じに歪みます。アコースティックピアノなどとは無縁でしょうが...。ここの歪は実際に真空管を通した歪になっています。
パリッとしたピークにだけ引っかかるような歪からバキバキの歪まで手軽に作れます。
SOUND
ここで、実際の音を決定します。信号はパネルを左から右に流れていくイメージとのことで、PRE FXという名前もうなずけますが、この"SOUND"はさすがに一番左にすると操作性が悪かったのでしょう。普通に演奏しているときに右手の辺りに配置されています。
Velocity Curveを変更する"TOUCH"などもここに配置されています。
TYPEがE.PIANO1,E.PIANO2,CLAV,A.PIANO,ORGAN,OTHER(ストリングなど)の6種類、VARIATIONがそれぞれ6種類です。SOUND sectionんも左のFAVERITES sectionには8個のボタンがありますが、ここはEditした音を格納しておくUユーザープリセットとしても、音色を呼び出すショートカットとしても使用できるエリアです。またEditorを使用すればOtherの音色を書き換えることも可能です。
MODULATION FX
POST FXと呼んでもよいと思います。Chorusや、Phaserなどが並びます。
REVERB/DELAY
最後に空間系ですね。TAPも用意されステージでの使用の際にも問題なく対応可能でしょう。
チョコッとしか弾けませんでしたが、気持ちいいですよ。生楽器のレスポンスというんでしょうか。ダイナミックレイヤーが多いことによる「楽器の鳴り」みたいなものも心地よく再現されている感じがします。ツマミを回していくと、「あの曲のあの音」みたいなのが次々に出てきます。セッションが多いライブハウスなどにもオススメです。インテリアとしても最高です。
そうそうDEMOソング!各音色に1つずつ、計36曲のデモソングが入っているのですが、"OTHER"の"5"と"6"、これは大丈夫なのか?という曲です。音聴いた瞬間、「これはあの音ね」とおもいましたがデモソングもそれで攻めてくるとは!
ぜひ皆さん聞いてみてください。
出力端子もXLRを装備し、現場での使い勝手の良さを感じさせます。もちろんMIDI I/O, 1/4"Phoneも搭載しています。
最先端のテクノロジーのうまい使い方のような気がします。まさしくVintage ModernなStage Pianoです。
ラインナップは73鍵盤モデルと88鍵盤モデルの2機種、色違いですが、違いは鍵盤数と色くらいでパネルレイアウトなどは基本的に同じです。
定価は
10/10発売予定です。
microSAMPLER
ヒットすることが運命付けられたmicroKORGシリーズの最新機種です。microKORG XLのヒットも記憶に新しいmicroシリーズですが、新製品はサンプリングキーボードです。
普通の鍵盤奏者のかたってあまりサンプリングをしない印象があるのですがどうでしょう。Hip-Hopにゆかりのある人たちは結構やっている気がしますが、ボクもサンプラーというとAKAIが浮かぶ世代です。まぁProtoolsをはじめDAWは長時間のサンプリングを行っている訳ですが、あれはどちらかというとRecordingという作業ですよね。やはり"サンプリング"というともう少しクリエイティブな作業な感じがします(別に録音が非クリエイティブというわけではありません。エンジニアサイドかアーティストサイドかという意味で解釈してください)。このmicroSAMPLERの登場によりサンプリングがもっと身近になり、ライブやクラブでのステージパフォーマンスをして定着するのではないか、という可能性を秘めた製品です。
デモンストレーションはBeatsick.JPのお二人が担当してくださったのですが、いや、さすが、前述の「サンプリングがもっと身近になり、パフォーマンスとして定着するかも」、というのを実感しました。
本体のみでは細かなエディットが行えませんが、PC上でEditorを使用することにより、それも可能とのこと。ライブなどでパフォーマンスで行うときにそこまで気にしてられないだろうし、手軽さ、身軽さを優先したとのことです。
真ん中には当然のようにマイクが搭載されていますが、抜き差しが可能ですので使い慣れたMicを使用することも可能です。実際、ネタを仕込むのであれば、マイクメーカーのメイクの方がオススメとのこと。ファンタム電源には対応していないとのことです。
オーバータイプタイプのステップシーケンサーを搭載し、サンプリングしたものを素材にすぐさま組み立てることが可能です。KOASS PADシリーズにも搭載されている17種のエフェクトを搭載。PADこそないものの2つのノブで強力にエフェクトをかけることが可能です。
37個の鍵盤はSAMPLING
modeとKEYBOARD
modeに切り替え可能でSAMPLING
mode>時には37個のPADとして, KEYBOARD
mode時には選ばれたサンプルが音階を持って並ぶいわゆるキーボードとして作動します。サンプリングの方式もKeyGateやAutoNextなど5種類の方法が用意され、サンプリングレートも48,24,12,6kHzから選択可能。バンクは8つ(A-H)用意され、それぞれ最大159.7secのサンプリングが可能です。PC上にサンプルを転送して管理することも可能とのことです。電池駆動可能で1.9kg!!
定価は
- microSAMPLER:¥61,950-
9/19発売予定です。
WAVEDRUM WD-X Dynamic Persussion Synthesider
1994年に発売され、「早すぎた銘機!」として今だに中古が高騰しているWAVEDRUMの新機種です。ちょっと話がそれますが、高校生のときだったか木目調の高そうなpadの製品がKORGのカタログに載っていたのを覚えています。¥22万くらいだったかと記憶しています。
あれから15年ほどでしょうか、DSPも驚くほど進化をとげ(ボクが高校の時に愛用していたシンセより、最近の入門機の方が性能よいんですもん)、メモリーも大容量化をたどっています。あの当時できなかったこと、やりたかったことが形になったにも関わらず、リーズナブルな価格でWAVEDRUM、復活です。
アルミダイキャストのリム(ボディ)に10"のヘッドが張られています。まずぱっと見た感じ叩けば音が出そうです。実際出ます。こすっても出ます。押しても(圧力をかけても)出ます。リムをスティックなどで叩いたりこすったりしても音でます。いわゆる良くあるエレパッドとはまったく異なる製品です。Wavedrumというパーカッションに似た楽器なのです。
PianoとOrgan,PianoとHarpsichordが同じインターフェイス(=鍵盤)を採用していながら演奏方法に異なる部分があるのと同じイメージです。エレキギターとクラシックギターに置き換えてくれてもいいかもしれません。
コンガというパーカッションがありますが、あのグリッサンド奏法なども再現可能です(どういう原理か知りませんが)。端をとことこ叩きながら真ん中辺りを押すとピッチが上がります。ブラシでの奏法も可能です。基本的なパーカッション(コンガ,ボンゴ,カホン,ジャンベ,タブラなどなど)に加え、「?」な音色まで入っています。
生楽器の再現に関して言うと最大16 Dynamic layer(!)が費やさされているそうです。皆さんご存知だと思いますが、生楽器というものは、弱く弾いた音を収録して大音量で鳴らすとの、強く演奏するののとでは、同じ音圧に聞こえても、音色がまったく異なります。それを可能な限り再現しているのでしょう。ただ、実際に触ってみていただければ分かると思うのですが、WAVEDRUMは「ただの生楽器の再現」にとどまるようなものではありません。
ディスプレイ/コントロール部さえ叩かなければスティックでの演奏も可能とのこと。うまく仕込めばこれをタムのポジションにつけてパフォーマンス可能では?タムの音も出ますし、それ以外の音も出ます。それ用の製品(スタンドやアダプター)も作っておいてくださいねと開発の人に気軽に頼んでおきました(苦笑)。
1音色に割いているメモリー数が相当なものなので音色切り替え(呼び出し)にはちょっと時間がかかりますが、お気に入り音色を3バンク×4ボタン登録できますのでそんなに困らないと思います。
これは是非触ってみてください。WAVEDRUMほど「百聞は一見にしかず」な楽器はちょっと無いと思います。
というわけで
(ご覧いただけない方は圧縮ファイルをどうぞ。クリックでDLが始まります。)
音声は回線をいただけたわけではないので実際にWD-Xが響く音も入っています。20秒辺りからのスティックでリムをこすっている「カリカリ」という音の後ろにシタールのような音が聞こえるかと思いますが、スピーカーから出ているのはこの音です。どうですか?すごく可能性を感じさせる楽器じゃないですか?
定価は
- WAVEDRUM WD-X Dynamic Persussion Synthesider:¥open-(実際の売価は¥49,800-前後くらいでしょうか。)
10/15発売予定です。
LP-350 RD
すでに発売されているLP-350 BK,LP-350 WHに秋の新色登場です。500台限定カラーです。基本機能に変更はないとのことですが、500台限定!
定価は
- LP-350 RD:¥open-(実際の売価は¥69,800-前後くらいでしょうか。)
10/15発売予定です。
Product Review最終更新日はSep 30, 2024 Monday 20:02 JST です。
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