ifi-Audio
nano iUSB3.0,iFi GEMINI,iFi Mercury

さて,今回もiFi-Audioのアクセサリーです。nano iUSB3.0+iFi GEMINI+iFi Mercuryです。すべてUSBに関連した機器ということで期待が広がります。

さっそく見ていきましょう。

Product Overview of nano iUSB3.0,iFi GEMINI,iFi Mercury

nano iUSB3.0

まずはnano iUSB3.0からみていきましょう。

以前レビューしたiFi-Audio iPurifier 2と機能は似ています。REclock®,REbalance®がジッター,DCオフセットを除去してクリーンな状態にしてくれます。

Active Noise Cancellation®機能も搭載していますので若干乱暴な表現ですがiPurifier 2の上位にいる製品です。

また,nano iUSB3.0外部から電源を供給する必要がありますが,ここにはiPurifier DCの電源改善性能が備わっているようです。

入力側はUSB3.0の端子です。

さらっと書きましたが上記2機種の機能を持ち合わせているということはかなり期待ができます。iPurifier DC,iPurifier 2を試してデメリットは何一つなかったからです。

また,iFi GEMINIシリーズと組わせて使用できるようにUSBバスパワーとUSB信号+バスパワーを分離して送れるようになっています

iFi GEMINI

次はそのiFi GEMINIです。USBケーブルが二股に分かれており,別れた側にはType Aの,反対側にはType BのUSBコネクタが搭載されています。

USBバスパワーという言葉がある通り制限はありつつもUSBは信号と電力を供給することが可能です。FireWireもそうですね。音声信号のすぐ横に電力線が存在する,という部分に着目した画期的なケーブルです。

前述のとおり,USBケーブルは信号線と電力線が1つにまとめられています。便利で良いのですが,いくら電力がDCで信号がデジタルとは言え,あまり気持ちの良いものではありません。UBSの細かい仕様はわかりませんが電力線が信号線に及ぼす影響はもちろん,信号線が電力線に及ぼす影響もあるでしょう。それらのケーブルを分離し,可能な限り影響を少なくしたケーブルです。0.7mと1.5mがラインナップされています。

これを始めて見た時にはまさに「その手があったかー」と衝撃を受けました。信号線と電力線を分離する,というアイデアはUSBケーブル以外では真空管マイクなどで実践しているのですが,USBでそれができるとは思いませんでした。

さて,その画期的アイデア以外にもいろいろ施されています。

まずはシールディング処理で,効帯域がそれぞれ異なる2つのシールディングが施されています。
具体的にはアルミ箔と銅モールのシールド材を使ったデュアルヘビーシールドです。それぞれの素材が異なる周波数レンジを受け持ち、最高の被覆効果が実現するとのこと。

また,コネクター部もアルミニウム合金コネクターとなりかっこよさだけでなく完璧なシールドによる音質向上に一役買っています。

iFi独自の技術としてRF3サイレンサーフィルターを搭載しています。中央のフィルターは移動調節が可能になっており,ケーブルによって形成されるアンテナを"離調"させ、USB信号に影響を与えることなく、最高にワイドレンジなフィルター機能を可能にします。RFサイレンサーを、ケーブルに沿ってスライドさせながら、調節することで,エンドユーザーの環境で最高の音質を得る頃ができるとか。水平な設置では無いと難しいのかも知れませんが,面白そうです。

iFi Mercury

さて,最後に両端シングルヘッドのUSBケーブルiFi Mercuryです。いわゆるABタイプのUSBケーブルです。

上記iFi GEMINIでも紹介したRF3サイレンサーフィルターを搭載していますし,効帯域がそれぞれ異なる2つのシールディングが施されています。


さて,今回3機種を一気に紹介しているわけですが,横着したわけでも,時間がなかったわけでもありません。

楽しくなって(?)組み合わせを変更しているうちに「まとめたほうが読みやすいだろうな」と思った次第です。

Sound Impression of nano iUSB3.0,iFi GEMINI,iFi Mercury

という訳で音に参りましょう。以前レビューしたiFi-Audio iPurifier 2を同じ環境です。念のため簡単に環境を再度記載します。USB Interface+MacProという環境で,USB I/FはACが供給されています。また,電圧はvoltampere GPC-TQで120Vに昇圧した環境です。

いつもはGOURD NUMERO 4255を使用しています。

ここをnano iUSB3.0,iFi GEMINI,iFi Mercuryに変更して試聴です。

ただ,USBケーブルを抜く,ということはI/Fの認識が一度切れる,ということになりますのでAB比較のようなチェックではありません。挿して,認識させて試聴の繰り返しです。あくまで印象が中心のレビューになりますことご了承ください。

nano iUSB3.0+iFi GEMINI+iFi Mercury

まずは全部繋げてみました。PC -> iFi Mercury -> nano iUSB3.0 -> iFi GEMINI -> I/Fです。最初はiFi Mercuryだけで試したかったのですが,長さの関係で無理でした強引にI/Fの位置をずらせば可能だったのかもしれませんが,ケーブルにテンションが掛かりそうだったので断念です。

GOURD NUMERO 4255を比べての最初の印象は「お,派手な音になったな」という印象です。高域が明るくなった感じと定位のワイド感が強調された感じ,という印象でしょうか。
センターが薄くなった感じはありません。わかりづらい表現かもしれませんがMid-Sideソースのsideの高域にEQをした,という感じです。

最初は気が付かなかったのですが,iPurifier 2の時のような静寂感もあります。

nano iUSB3.0+iFi GEMINI+GOURD NUMERO 4255

次にPC -> NUMERO 4255 -> nano iUSB3.0 -> iFi GEMINI -> I/Fです。高域の派手さはやや影を潜めますが,定位感は同じくワイドな印象で静寂感もあります。おそらく静寂感はnano iUSB3.0の影響が大きいのでしょう。
長時間の作業に疲れない感じ,もiPurifier 2と同様です。

nano iUSB3.0+GOURD NUMERO 4255+iFi Mercury

以上から判断すると派手さはiFi Mercuryが影響している,という結論になりますのでPC -> iFi Mercury -> nano iUSB3.0 -> NUMERO 4255 -> I/Fを試してみました。

「うん,やはりそうか」とはならず,PC -> NUMERO 4255 -> nano iUSB3.0 -> iFi GEMINI -> I/Fを同じような印象です。再三になりますがA/B比較では無いので厳密に同じとは保証しかねますが,さほど間違っていないと思います。

気のせいかもしれませんが,静寂感が一番感じられたのはこの組み合わせでした。おそらくすべてをiFi-Audioで繋いだ時には高域の派手さがまず感じられたせいだと思います。

Afterwords

個人的には,今回の組み合わせで選ぶなら,Listeningや作曲が主であればnano iUSB3.0+iFi GEMINI+iFi Mercuryの組わせが,Mixingが多いのであればGOURD NUMERO 4255をどちらかに使用したほうがやりやすいかな,と感じます。GOURD NUMERO 4255を使ってきた,というのもこの組み合わせに影響していると思いますし好みもあると思います。Masteringで派手にしたいとき等にも有効だと思います(内部書き出しだと無意味です)。

ただ,nano iUSB3.0の効果は大きいですね。お持ちの環境にnano iUSB3.0を追加するだけでもだいぶ良くなると思います(厳密にはUSBケーブルがもう1本必要ですが)。

今回も試せませんでしたが,収録用HDDへ使用する,と言うのもありだと思います。

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checker:Takumi Otani

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