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TG D71

さて、今回見ていくのもbeyerdynamicです。今回はBoundary micのTG D71です。

Boundary micというよりInside-kick drumのマイクとお伝えしたほうが良いかもしれません。

Product Overview of TG D71

Specです。

Spec of TG D71

トランスデューサータイプ
コンデンサー(バックエレクトレット)
動作原理
圧力傾斜
指向性
ハーフカーディオイド
周波数特性
25 ... 20,000 Hz
開放回路電圧
1.5 mV/Pa(-56 dBV)
ノミナルインピーダンス
< 200 Ω
負荷インピーダンス
≥ 1 kΩ
最大SPL(1kHz)
148 dB [SPL@1% THD]
S/N比
63 dB [A, RMS] 50 dB [CCIR, Q-Peak]
ノイズ電圧
1.1 µV [A, RMS]、4.9 µV [CCIR, Q-Peak]
A-weight 等価SPL
31.2 dB
極性
正圧により、2番ピンに正電圧が発生
配線
3ピンXLRオスバランス
接続
XLR、3ピン、オス
電源
ファントム電源
P48(+48 VDC ±4 VDC、6.8 kΩ ±20%、電流消費量:<3.2 mA)
P24(+24 VDC ±4 VDC、1.2 kΩ ±20%、電流消費量:<3.2 mA)
P12(+12 VDC ±4 VDC、680 Ω ±20%、電流消費量:<3.2 mA)
L x W x H
90 x 86 x 27 mm
重量
413 g
周波数特性曲線/指向性
TG D70周波数特性曲線

Boundary MicがKick-inのマイクとして使用されるようになって久しいですが、TG D71は明らかにinside-Kickのマイクとして開発されています。感度と最大音圧がそれを物語っていますね。会議などに使用されるBoundary Micは30dBほど高感度で、最大音圧も120dBくらいですからKickに使用するとマイクで歪んでしまうでしょう。

SHURE BETA91A-XやSENNHEISER e901のSpecと比較してみましょう。

Spec of SHURE BETA91A-X

指向特性
ハーフカーディオイド
周波数特性
20Hz~20kHz
インピーダンス
146Ω
開回路感度
-48.5dB re 1V/Pa
等価雑音レベル
29.5dB SPL(Aウェイト)
最大音圧レベル
155dB SPL(1kHz、THD1%)
電源
ファンタムDC11 … 52V/5.4mA
コネクター
XLR3ピン(金メッキ)、オス
寸法/質量
幅95×高20×奥行139mm、470g
付属品
マイクポーチ
周波数特性曲線/指向性
BETA91指向性BETA91周波数特性曲線

Spec of SENNHEISER e901

指向性
ハーフカーディオイド
開回路感度
0.5 mV/Pa(-66dBV/Pa) ± 1 dB(自由音場、無負荷、1KHz)
周波数特性
20...20,000 Hz
公称インピーダンス
100 Ohm
最大音圧
SPL:154 dB
ファンタム電源
48V
寸法
126,5 x 105 x 26,5 mm
重量
550 g
周波数特性曲線/指向性
e901周波数特性曲線

指向性はどれもHalf-cardioidですが、指向曲線をみるとBETA91, e901はHypercardioidといっても良いカーブです。実際には背面方向は床ということになりますからHalf-cardioidに偽りは無い訳ですが、TG D71は4kHzあたりまでCardioidと言って良い印象です。

Sound Impression of TG D71

さて、実際の音に参りましょう。今回の感想もNo EQ/No Dynでの感想です。HAで適正にGainを設定してPro Toolsに録音、Playbackというパターンです。

まずはKickの中に置いてみました。TG D71の最も想定される使用方法だと思います。以前もConcertの際に、Operatorさんが持ち込んでいたので音質などはなんとなく把握していましたがいつもの環境で試せるのはありがたい限りです。

程よい低域とinside-Kickらしいアタックが得られます。ジャンルやKickのサイズにも依ると思いますがInside kickだけで充分な場合も多々在りそうです。

さて、Boundary Micの軸は水平に配置したときに鉛直上向きなはずですから、Kick内にBoundaryマイクを仕込むとやや斜めからの集音ということになります。どの周波数もきれいなハーフカーディオイドを描いていますので感度の違い以外に目くじらを立てることは無いような印象です。

とはいえ、軸上0°の音は気になります。感度はもちろんですが、位相も一番良いのでは無かろうか、と思うからです。なんとか聴けないものかと試行錯誤すること数分、マイクスタンドを使用して、Fornt headの外側ではありますがBeaterからの正面位置に設置完了です。軸上50cmくらいでしょうか。

収録後Playbackを聴いて全員が「これはいい!!」となりました。

なかなか聞いたことの無い感じのKick soundで、軸上0°の方が明らかに良い音です。存在感のある音で、かなりの割合でこれ1本でいけちゃう感じがあります。

Kickのshell内部に配置するとやはりShell内の反射などが影響するのでしょう。少しEQを掛けたくなります。実際にはEQを掛けて、Dynも施すでしょうから所謂Boundary mic的な配置にしても、別段マイナスな印象では無いのでしょうが、軸上の音の方が良い印象です。

近接効果がしっかり出る印象ですのでソースを選ぶかもしれませんが、On-axisの音は他の楽器にも使用可能かもしれません。そうなると、マイクスタンドに取り付けが可能なホルダーが欲しくなってきますね...。

Afterwords

もし上手くマイクスタンドに取るつけることができればなかなか可能性を秘めたマイクだと思います。

そして、Inside-Kickのバウンダリーマイクとしても非常に優秀なマイクだと言えるでしょう。

beyerdynamic,TG D71 画像

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