beyerdynamic
TG D35
今回、TG DRUM SET PRO Mを使用する機会を得ました。その中のSnare,TomやConga,Bongoなど向けの小型のダイナミックマイク、TG D35にフォーカスしましょう。
Product Overview of TG D35
いつもの通り、まずはSpecと参りましょうか
Spec of TG D35
- Transducer type
- Dynamic
- Operating principle
- Pressure gradient receiver
- Polar pattern
- Supercardioid
- Frequency response:
- Near field
- 50 - 14,000 Hz
- Far field (1 m distance)
- 60 - 14,000 Hz
- Open circuit sensitivity
- 2.2 mV/Pa (-53 dBV) ±3 dB
- Nominal impedance
- 600 Ω
- Nominal load impedance
- ≥ 2 kΩ
- Connector
- XLR, 3-pin, male
- Dimensions:
- Length
- 72 mm
- Shaft diameter
- 28.5 mm
- Head diameter
- 35 mm
- Weight (without clamp)
- 95 g
サイズ感としては同じくタム用のClip-on micのSENNHEISER e604と同じ様なサイズ感です。
参考までにe604のspecです。
- Dimensions
- Ø 33 x 59 mm
- Connector
- XLR-3
- Frequency response (Microphone)
- 40 - 18000 Hz
- Weight
- Without cable: 60 g
- Sensitivity in free field, no load (1kHz)
- 1.8 mV/Pa
- Nominal impedance
- 350 Ω
- Min. terminating impedance
- 1000 Ω
- Weight w/o cable
- 60 g
既述の通りTG D35もClip-onマイクです。TG D35にはMKV 87というTomやSnareのHoopに取り付け可能なクランプが付属します。
余談ですが、マイククランプのMKV 87はTG D57,TG D58の下半分と同じです。ですのでXLRコネクターが繋がります(端子は無いので「繋がります」は少しおかしいですが)。
周波数特性曲線はTG I51と似ている印象です。
Sound Impression of TG D35
さて、実際の音に参りましょう。
Checking TG D35 in studio
まず、スタジオに持ち込んで試してみました。
Tomに設置したのですが、マウント機構MKV 87 が初めてなので興味津々です。ドラマーと「あ、結構力いるねー」などと雑談しながらsettingです。TG D35には3/8"のネジ穴があるのでマイクスタンドでも使用可能です。今回はマイクの位置を移動する可能性がありましたのでマイクスタンドでマイキングしましたが、やはり楽器にマウントできるとスッキリしますね。MKV 87はHoopを上下から挟むイメージです。タムホルダーなどの構造によってはHoopに取り付けるのは困難な場合があるかもしれません。
さて、肝心の音ですが、Floor tomもRack tomともにしっとりとしつつ、カラッとした穏やかな印象の音です。アタック、サステインも申し分ありません。
なかなか聞いたことのないサウンドです。所謂beyerdynamic sound
ということになるのでしょう。MC 930と同じ質感を感じます。ヨーロピアンと評して良いと思いますが非常に好みの音です。
Checking TG D35 at Live
Liveの会場にて試してみました。先日のStudioでのテスト結果の印象が良く、これなら問題無い、との判断の元、よくご依頼いただく会場に持ち込んでみました。今回のDrummerは長谷川浩二さんです。3,4回目でしょうか。会場の改装工事などもあって1年ぶり位の再会なのですが覚えていてくれました。
簡単な挨拶を交わし、浩二さんのセッティングを邪魔しないようにマイクをセットしていきます。今回は1Fl+2TomのTopにTG D35を、BottomにTG D57/TG D58を使用しました。
タムホルダーとの兼ね合いでLow/High tomはMKV 87を使用せず、Mic Standでマイキングしました。60gと軽量ですし、こぶりなボディですのでマイキングも非常に楽です。
リハを優先して頂き、みなさんが音出しをしているタイミングでGainを取りました。念のため、タムだけリハ終わりにパーツで頂きました。
GainとEQの微調整を行い本番です。
通常はタムに会場常設機材はSHURE Beta56を使用するのですが、僕の印象だとややマットな感じの音が収録できるマイク、といった印象ですが、いつものタムのサウンドとは異なりしっとりとした艷やかな印象の音です。また、Bottomに使用しているTG D57/TG D58をプラスするとボディ感のある主張したタムサウンドに、控えめにするとあっさりしたタムサウンドにFader位置だけで質感の変更が可能です。
スタジオでのチェックでの仮説は見事に証明されました。
Afterwords
小型ながら使いやすいDs用マイクといった印象です。TG I51も数が揃えば色々試してみたいですね。
TG D35 TRIPLE SETといったキットも販売されています。
Dsサウンドにマイクアレンジでバリエーションを加えてみたい方、クリップマウントのマイクをお探しの方などにもおすすめできるマイクです。
date:
checker:Takumi Otani
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