audio-technica
ATS99
さて、だいぶ更新が滞っていた製品レビューですが、今回はハンドヘルドマイクです
audio-technica がInterBEE2022のタイミングでリリースしたATS99、早速見ていきましょう
Product Overview of ATS99
さてサクッとSpecと参りましょうか
- 型式
- ダイナミック型
- 指向特性
- ハイパーカーディオイド
- 周波数特性
- 60 ... 16,000Hz
- 感度
- -52dB(0dB=1V/Pa、1kHz)
- 出力インピーダンス
- 600Ω
- 出力コネクター
- 3ピンXLR-Mタイプ
- 外形寸法
- 長さ:181.5mm、本体最大径:50mm
- 質量
- 262g
1Pascal=10dynes/cm2=10microbars=94dB SPL
メーカー公式ページのキャッチにはボーカリスト自身が心地良い、優れたレスポンス。中低域に量感を持たせた、新定番のマイクロホン。
とありますから比較するならVocal Micの定番SHURE SM58でしょう。
- 指向特性
- カーディオイド
- 周波数特性
- 50Hz ... 15kHz
- インピーダンス
- 150Ω
- 開回路感度
- -54.5.0dB re 1V/Pa
- コネクター
- XLR3ピン、オス
- 寸法・質量
- φ51×全長165mm、310g
- 付属品
- マイクホルダー(A25D)、3/8"→5/8"変換ねじ、マイクポーチ
指向性ももちろんですが感度が2.5dBほど違いますね。あとは重量でしょうか。50gほど軽量です。
周波数特性曲線も結構違います。左がATS99,右がSM58です
ATS99のほうが低域が伸びていますね。こうなると近接効果が気になるところですが、その辺は実際の音を出して確認していきましょう。
Sound Impression of ATS99
さて、届いたデモ機を見てみるとつや消しの上品な黒色のボディです。サイズ感は異なりますがATM98を彷彿させる外観です。SM58と比べるとたしかに少し軽い印象です。
ミキサーに接続し、HPFやEQ、Dynなどをすべてバイパスし声を出す準備をしていたのですが、その時にまず感じたのがHandling Noiseの多さです。低域が伸びていることによりよりそれが顕著になります。Handling Noiseの多さ
と書くと印象が良くないかもしれませんが、スタジオユースのコンデンサーマイクなどですともっと低域までHandling Noiseは聞こえますので、逆に低域のレスポンスに期待が持てます。
SM58で声をだすといつもの感じですが、ATS99に変更してみると太く下まで伸びた低域と、しゃきっとした高域(新品というのもあると思います)が聞こえてきます。
かといってドンシャリではなく、中域もしっかり存在していてスカスカ感はありません。低域が持ち上がっているのではなく、下に伸びている周波数特性曲線の通りの音です。
SM58に比べて感度が少し高いせいだと思いますが少しハウリングマージンが低そうだったのでGainを少し調整して試聴を続けます。近接効果は思っていたほど大きくはなくむしろ拍子抜けを喰らいました。
声に個人差があるのであくまで僕の声で試した感じですが、口元から10-15mmほど話したあたりが一番心地よかったです。
SM58に戻ると一気にかまぼこ形の印象に変わります(なじんでいて高域が新品ほど飛び出てこない、という部分もあろうかと思います)。
ハイパーカーディオイド特性ですのでマイクハンドリングには気を使う必要はありそうですが最近はVocal Micは多くがハイパーカーディオイド特性なので違和感は少ないかと思います。
BandのVocal用としても良いと思いますが、a cappellaスタイルのベースのパートにはもってこいでは?と感じました。
知り合いにa cappellaスタイルのシンガーが居るのでどこかのタイミングで試してもらいたいですね。
Afterwords
素材の音を低域からしっかりとキャプチャーしてくれる印象で非常に良いマイクな印象です。
声のみならずpercussionの楽器などにも向くのでは無いかと思います。
Vocal Micの戦場に強烈なNew Comer登場、といった感じでしょうか。
つくば店店頭でも試せますので興味のある方はお気軽にご来店ください。
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checker:Takumi Otani
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