Apogee
DA-16X ver2.0
Apogeeのラインナップが業務機からコンシューマーに向けて変わり始めてから久しいですが、AD,DAシリーズまで完了になるとは...。所謂「コンバーター」は流行らないのでしょうね。直接PCに接続できるインターフェイスの方が使い勝手が良いのでしょう。または,「PCまでの接続を一台で完結させることでメーカーが音に責任をもってくれる」とも言えるのかもしれません。そんな中DA-16 + X-FireWire cardを入手することができました。早速見ていきましょう
Product Overview of DA-16X ver2.0
見た目はAD-16Xとさほど変わりません。1UのずっしりしたボディにDsub25pinのコネクタが3つ,ADAT,SMUXが4つ,W/Cがin,Outで並びます。ADAT,SMUXの上部にはオプションカードのスロットがあります。今回はぎりぎり入手できたX-FireWire Cardを装着して「PCに直接接続できる状態」にして作動です。
アナログアウトの先はSSL X-Deskです。
SSL X-Deskのレビューにも書きましたが、アナログサミングの有用性を体感してからぜひとも16chのアナログサミングをやってみたいと思っていました。
そのためにはやはり良質なDAコンバーターが必要だな、と思っていたのですが、今回幸運にも試すことができたのです。日頃の行いがいいからでしょうか(笑)
DA-16Xに話を戻しましょう。フロントパネルはシンプルで作動中のクロック、入力ソースなどがインジケーターで確認できます。レベルメーター的なものは無く、照度が変わるLEDで信号を確認できます。AD-16Xも似たデザインでしたが、DAWでレベルの監視ができるので、特にDAコンバーターはこれでも良いのかもしれません。ただ、ProToolsを使用していて思うのですが、AES/EBUで接続したときにProToolsの画面上は問題なくてもAD-8000のメーターだとクリップする、ことがありますので意外とDAWの表示はあてにならないのかもしれません。
だいぶ昔ですが、山下達郎さんも「ProToolsにはきちんとしたmeterがない」とおっしゃっていました。PCM3348のmeterを使用なさっていたように記憶しています。PCだとやはりGraphic Cardなどにも影響されるので仕方ないのかもしれません。
スペックです。
- 入力
- AES/EBU入力 x8、バランス トランスフォーマ(DSUB 25ピン コネクタ)(192kシングルワイドと互換)
- オプティカル:toslink x4、ADAT及びSMUXプロトコル対応
- WC出力:BNC75ohm(切り換え可能ターミネーション付)
- 出力
- WC出力:BNC75ohm
- アナログ出力1-8バランス(DSUB25ピン コネクタ)
- アナログ出力9-16バランス(DSUB 25ピン コネクタ)
- 仕様
- サンプルレート内部:44.1/48/88.2/96/176.4/192k
- サンプルレート外部:44.1/48/88.2/96/176.4/192k +/-10%
- 44.1kにおける周波数特性:5-20.000Hz (+/-0.2dB)
- アナログレベル:デジタルゲイン調整経由で6-24dBu最大(-10dBVレベルと互換)
- アナログレベル:デジタルゲイン調整経由で6-24dBu最大(-10dBVレベルと互換)
- THD+N:-107dB
- ダイナミックレンジ:118dB A-weighted
- パワー:100-240 VAC、50-60Hz、65W
Sound Impression of DA-16X ver2.0
さて、音質のチェックとまいりましょう。前述のとおり今回DA-16Xを導入したのはアナログサミングを行うためでした。以前アナログサミングをテストがてら行った時にはdigidesign 002のアウトを使用しましたが、モノラル16アウトがあるコンバータ/インターフェイスが欲しかったのです。どうせならなら高解像度なApogeeやPrism Soundがいいなと思っていました。
価格差がありますのでDA-16X vs 002の勝負はやる前からついています。
だいぶ前ですがAD-16Xのレビューを書きましたのでそのへんと絡めて音質の傾向を見ていければと思います。
基本的な音質はフラットでシャープ、シャープというよりは音のスピードが速い、という感じで低域が不足する、ということは全くありません。Plug-inでEQやコンプをかけてみてもその効果をきっちり表現できる高解像度なDAコンバーターです。
現在この高解像度な性能を生かしてApogee DA-16X + SSL X-Deskというシステムでアナログサミングがメインになってきています。
正直「一度試すとちょっとやそっとでは戻れない感じ」という感じでしょうか。非常にスムーズな2Mixが得られます。
現在はX-FireWire Cardを搭載して、Advance Modeに設定してありますのでAES/EBUの信号を一度PCに送ることも可能です。
そういえばApogee Duetを買った知り合いが、「今まで聞こえなかった音が聞こえる...。変換部って大事だなぁ」としみじみ言っていました。
Afterwords
せっかくですからAES/EBUのDsubケーブルもつくろうかと思います。まぁ4本(8ch)くらいでいいかなと思いますが。
ちなみにですが、NucleusとDA-16Xを同時にI/Fとして認識させました。アナログサミングとPTのサミングを一瞬で切り替え可能でした。メーカーには多分無理と言われたのですが、今回のシステムでは正常に動いています。弊社としてはサポートできませんがCoreAudioなら動くのではないかと思います。よろしければ自己責任で試してみてください。
うーんAD-16X欲しくなってきますね。生産してればなぁ。