api
Model 1608 Recording Console
聴いてきました!apiアナログコンソールの音!!先日開催されたModel 1608 Recording Consoleに行って来ました。
Mixwave H田さんにじきじきにお誘いを受け、MODEL 1608が触りたい放題に、軽食も出るとのこと。食事に もとい apiのアナログコンソールに惹かれ出かけてきました。apiだけでなく思わぬ収穫もあり、有意義な時間をすごすことができました。Mixwave H田さんありがとうございました。
現地に到着すると同時にデモルームに案内していただき、Pyramixによる再生音が。特にMixできる環境だったわけではないのですが、高級感溢れるコンソールの詳細をみていきましょう
Product Overview of Model 1608 Recording Console
Model 1608は言ってしまうと普通のアナログレコーディングコンソールです。インライン構造ではありません。そういう意味ではスプリットタイプです。基本的に16ch inputでBasic Kitのchnnel Stripの構造は
- HA
- Pan
- AUX/CUE send(4mono+2St)
- Fader
となります。Bus類は
- 8 Aux Bus
- 8 Group Bus
- 1 Stereo Main Bus
- 8 Echo Return
- 5.1 Center Section Monitoring
- 8 Group Bus
EQやDYNはVPR Alliance対応のモジュールをVUメーターの下のスロットにはめ込むことにより有効となります。一番下の写真では1-12chにapi 560,13-16chにapi 560がインサートされています。では一番右の4基のapi 525は?という疑問が湧いてきてしかるべきですが、これは後述します。
Rear PanelですがXLR端子などが並びこちらにダイレクト接続していきます。いわゆるPatch bayは存在しません(自作すれば別ですが...) 。リアパネルには様々な端子が並びますが、各ch辺り
- Mic input
- Line input(-10dBV)
- Instrument input
- Preamp Output(+4dBu)
- Equalizer Input
- Insert Send(+4dBu)
- Insert Return
- Direct Output
という構成です。入出力が多いというのは嬉しいですね。Bus output系は前述の通りです。5.1chのモニターができるというのも欲しい機能でしょう。
「長時間電源を入れっぱなしにしておいた」、というH田さんの発言とは裏腹にあまりConsoleは熱を持っていません。PSUが優秀とのこと、いいですね。地球に優しい機材です。
モノがモノなので単純に音だけの紹介という訳にいかないので、ある程度セクションに分けてみていきたいと思います。
Channel Strip
縦に奥から手前に向かってみていきましょう。まずGroup Busのアサインスイッチがありその下にPanがあります。Pan,Insertなどの切替スイッチの手前がAux Sendsです。
Aux Sends
AUX1-4までがモノセンドで2連ノブの上下でコントロール可能です。基本的にPost sendでPRE切替スイッチが存在します。
5/6,7/8はそれぞれステレオになっております。こちらは2連ノブの内側(上側)がLevel,外側(下側)がPanになります。また7/8センドにはTO BUSと呼ばれるスイッチがあり、7/8の出力をGroup Busの1-4に送ることが可能です。Mix中にたくさんのEQをかけたくなったときや、Rec中にCue Sendを多数出さないといけなくなったときなど便利な機能ではないでしょうか
HA Sections
前述の通り基本的にはHA+Aux sends+Faderという形になります。UVメーター下のブランクパネルに欲しいアウトボードをインサートする形になります。HAはGainのほかに+48V,Phase,PAD(-20dB),MIC入力切替を持っています。このMIC入力切替スイッチはPeak Indiacatorも兼ねているのですが、このPEAK THRESHOLD
をユーザーが設定することが可能です。設定値は+4,+8,+12,+16,+20,+24dBu,CAL(ibration)です。せっかくアナログミキサーを使うのですからDAWの画面とのにらめっこは最小限にしたいですが、こういったところにもapiの親切心が伺えます。「コンソールで大体の音の監視はできるよ。」といった感じでしょうか。
許可を得てフルゲインにしてみました。Headroomも結構広く、多少のことでは歪むといったことはなさそうです。また歪んだ音もドライで乾いた感じの歪で、まさしく高級機材の歪み、といった面持ちです。
MIC/Lineどちらも Opamp2520がかんでいます(というかブロックダイアグラムを見るといたるところに2520が出てます)。ただここに(普通Panがある場所に)gainがあるのはちょっと怖いですね(苦笑)YAMAHAのPM1800というSRコンソールもですが、panを振るときに思わずやらかしてしまいそうです(苦笑)。
Fader
ここは普通にALPSの100mm faderです。OptionでTouch Sense Faderにもできるようですが、結構高価(というか割高)になってしまうとのこと。AUXなどのセクションは完全にmoduleタイプで独立しているのですが、これはFaderは8ch Moduleになっています。+12dBまでレンジがあります。
Echo Return
さてEcho Send/Returnのセクションです。
前述の残りのスロットはこのEcho Returnにインサートされます。また、実際にリアパネルをパッチングしてやる必要がありますが、ここのスロットをアウトボードのように使用することも可能です。
それでも足りなければLunch Boxを使えば良いですね。またVPR Alianceに準拠しているModuleを搭載可能なのでそれもひとつ魅力ではないでしょうか。
ここのスロットにHA module512CをはじめHAも入れることも可能です。Echo ReturnはGroup busへのアサインが可能ですので、ch1-16までをDirect Outで出力し、Echo Retun8chを使用すれば同時に24chの録音が可能です。Basicの1発録音には充分ではないでしょうか。
実際に使用しているパーツなどはapiのLegacy Consoleと同じもの(faderを除く)なので信頼性はバッチリです。
Sound Impression of Model 1608 Recording Console
さて、だめもとでチェック用のCDを持っていっていたのですが、幸運にも再生してチェックすることができました。せっかくのアナログなのですからCDなんかではなくSACD位のメディアを持っていきたかったのですが、Playerが無いと仕方がないので今回はCDにしました
音の傾向ですが、乾いた部分がありながらも太く存在感のある音がします。apiサウンドといっても問題ないでしょう。米国西海岸の音ですね。ボクもapi 2500 Stereo Compressorは持っていますが、回路が長い分,2520が複数個入っている分、そのキャラが強くなっている気がします。KickやSn、A.Gtなどいろいろ通してみましたが、音に張りがある感じがします。これがあの2520 opampの音なのでしょう。あと、先日マイナーチェンジした550Aのニューモデルと旧モデルの試聴ができたのはちょっと嬉しかったですね。Fsのポイントも増えていてよりモダンな音作りに対応した、という印象です。
Afterwords
1608には16chの拡張ユニット(その名もChannel Expander)もoptionで存在まします。1608からMaster sectionをはずしたような見た目です。VUももちろん搭載しています。もうちょっとfader,inputが欲しいという方には嬉しいoptionですね。
右の写真はapiのDan氏、apiのセールスマネージャー(だったかな)。あまりお話は伺えなかったのですが、写真を撮らせてくれ、というと"SURE!"とコンソールの後ろへ。なぜみんなそこに行くのでしょうね(笑)。"良く取れたよ"というと、"コンソールがいいからだ(笑)"と笑顔でおっしゃっていました。
1608ですがさすがに21世紀の製品らしくVU meterのバックライトはLEDになっています。なかなか切れないですよ。LEDといえば、VUメーターではなく、LED peak meterにする、というアイデアもあったそうなのですが、5秒で満場一致で否決されたそうです(笑)。なかなか素敵な会社ですよねー。こういうノリ大好きです。
このご時世にアナログコンソールというとちょっと「?」という人もいらっしゃるかもしれませんがハイエンドなアナログはやはりデジタルよりも音がいいように感じます。フォーマットが変れば変更を余儀なくされるデジタルに比べてつぶしが利くのもやはりアナログですし、DAWがハイレゾリューション、ハイレートで録音できる今の時代だからそこ良質なアナログが求められているのかもしれません。
特にマイクで収録しないといけないもはアナログミックスの方がしっくりきます。デジタルのクリアさもよいのですが、それも良いアナログがあるからだと思っています。apiやSSL,RNDがコンパクトなサイズのコンソールを出しているのはそういった人がまだまだいるからかもしれません。
Studio Wakefieldなど国内でも導入されています。
デモも可能でなので気になっている方はご連絡ください(原則的にデモルームにお越しいただく形となります。)リファレンスCDお忘れなく!