YAMAHA
CP1
ついに公開!YAMAHAの新しいComboPiano CP1
いやー長かった。人間、「しゃべっちゃダメ」よと言われると喋りたくなるのはなぜでしょうね。まぁ「しゃべっちゃダメ」と言われなければしゃべるわけで、そのへんで理性との戦いは無い訳ですよね。
Product Overview of CP1
こういう事じゃなくてYAMAHA CPシリーズに新製品が出ました。その名もCP1
。CPシリーズは古くはCP80,CP200などのいわゆるエレピに共通してつけられていたコードです。一体化されたその形状からCP(=ComboPiano)と名づけられていたのですがCP300,CP33とデジタルピアノにもその名称は継承されていました。
今回YAMAHAが発表したCP1はYAMAHAの技術を結集した"エレピ"です。
事前に聞いていた情報から「YAMAHAがすごいデジタルピアノ作ったんだろうなぁ。」と推測していたのですが、内覧会にお招きいただき、伺った時にスタッフさんから「YAMAHAの技術を結集して新しいエレピを作りました」と聞いて、「え??」と思いました。「エレピっつった?今?」みたいな心境です。数多くのグランドピアノの名機を多く生産していたメーカーだけにびっくりしました。
さて、本体を見て行くとしましょう。基本的な発音方式はモデリング技術が結集されています。そうです。YAMAHA n12の開発にも大きく寄与したK's LABの技術が結集されているそうです。
もちろんサウンドサンプルの部分はPCMが使われているそうですが、それをどう処理していくか(後述)の部分はFilterやVCA,ALGORITHMという単語は無縁です。
パネル左側の発音部の流れを見ていきましょう。音の処理は
- PIANO(=OCS)
- PRE-AMPLIFIER
- MODULATION EFFECT
- PRE-AMPLIFIER/COMPRESSOR
- REVERB
- MASTER EQUARIZER
という順番で処理されていきます。
センターに移ってディスプレイは比較的にシンプルというか、2行です。ちょっと懐かしい感じですね。その手前にコントロールを司るノブが6つあります。EPのパネルにあるツマミをいじる、というイメージでしょう。上段がパラメーターの名称、下段がパラメータという形になっています。
向かって右に移りましょう。バンクなどが並びます。「PRSET」「USER」にそれぞれ「A」「B」「C」,これらに加え「EXTERNAL」というバンクがあります。USBメモリーなどからダイレクトに音色データを呼び出すことが可能です。
Sound Impression of CP1
さて、出せる音の種類ですが、
PIANO
- Acoustic Piano
- FM音源のエレピ
- ローズ系のエレピ
- ウーリッツァー系のエレピ
が"PIANO"ので選べます。正確にはどの時代のRhods,なども選べます。ハンマーの硬さやピックアップの距離なども選べます。
格納されているサウンドサンプルを列挙してみましょう。全部では無いですが
- 71 Rd I
- 73 Rd I
- 75 Rd I
- 78 Rd II
- Dyno
- 69 Wr
- 77 Wr
どうですか、魅力的な名前が並んでいます。このサウンドサンプルをモデリングで処理していくのです。
PRE-AMPLIFIER
ドライブやトーンコントロールなどをコントロールします。
ここもモデリングです。
MODULATION EFFECT
その名の通りです。フェイザーやコーラスなどです。くどいようですが、ここもモデリングです。
POWER-AMPLIFIER/COMPRESSOR
EPの出力段あたりと解釈してもらってよいと思います。コンプなどさすがです。くどいようですが、ここもやはりモデリングです。
REVERB
SPX2000のC-REVが惜しげなく投入されています。ここ以降はモデリングではありません。おそらくEP用にチューニングされているのか、とても気持ちの良いかかり方です。
MASTER EQUALIZER
4バンド フルパラメトリックEQです。前述のトーンと異なり"EQ"という効き方をします。
各セクションはボタン一つで簡単にバイパスが可能です。
REVERB,MASTER EQUARIZERを除いて、すべてモデリングにて再現されています。つまりフェイザーなども単純なエフェクトのバイパスではなく、内部で演算処理された結果の処理です。
ここに搭載されている往年の名機で自分でまともに演奏したことがあるのはCP80とFM音源くらいなのでそれでいろいろ試させてもらいました。流石にDX7と比べると鍵盤のタッチが異なりますのでなんとも、という部分がありますが、80年代のTOTOなどに代表されるアメリカンロックのあの澄んだ「パキーン」としたあの"DX"EPとでもいうエレピの音が出てきます。FM音源のパラメータはシンセらしく出来ているのかな?と思いきや、ARGORITHM(懐かしい...)などは無縁に「エレピ」としてのパラメーターに再構成したとのことです。
CP80に関してもとても素敵です。低域のちょっと暴れる感じなどもまんまです。
あとはデモンストレーターの小松氏が演奏するのを聞いていたのですが、「あの曲のあの音」という音がバシバシ出てきます。
Demonstration of CP1
2010年1/2にYAMAHA CP1のデモ演奏を店頭で行いました。Performerは当店ミュージックスクール ジャズ/ポピュラーピアノの講師中山 豪人先生です。2回のデモ演奏のあと感想などを伺ったのですが、
各モデルの特徴をとても忠実に再現してあるのではないか。木製鍵盤もアコピというよりはエレピという感じで、非常によく馴染む。アコピの音もいわゆる「クラシックのアコピ」というよりはJazz,Fusionに合いそうな感じの音色で製品としての統一感もあり、とても良い製品だと思う
とのコメントを頂きました。
改めて演奏している時の音を聴きましたが、やっぱ音良いです。
Afterwords
本物をいじったことがないと魅力が伝わりづらいのかもしれませんが、60年代以降のエレピの音は一通り出せるというと言い過ぎでしょうか。気になった人は遠慮なく試奏しに来てください!
ステージにエレピがあるとかっこよいでの(というか「楽器以外の効果」というんでしょうか)こだわる方はEPを使うのかもしれませんが、Vintageの安定性が怖い人は検討の価値アリです!!