Wes Audio
_HYPERION
さて、今回も500シリーズの製品です。今回見ていくのはStereo/Dual Mono/Mid-Sideの3種類のOperation Modeを持つ4Band Full prametric EQ、Wes Audio _HYPERIONです。
ng500 シリーズの製品でもありますのでPlug-inにてコントロールが可能です。早速見ていきましょう。
Product Overview of _HYPERION
まずはスペックと参りましょうか。
- Frequency response
- 10Hz ... 150kHz (-2dB)
- THD+N
- all bands gain "0":0.003% (1kHz,0dBu)
- +15dB band boost:<0.15% (1kHz,0dBu)
- Input impedance
- 10kohm
- Output impedance
- <100ohm
- Max signal level
- +24dBu
- Crosstalk
- < -100dB
- THD (MID switch)
- 1%
- THD (HIGH switch)
- 2.5%
- Power consumption
- 150mA per rail
- Dimensions
- 76x133x158mm(2スロット)
オペレーションは
- Dual Mono
- Stereo
- Mid-Side
の3つが可能です。EQ/Filterのコントロールは
- HPF
- OFF ... 350 Hz (-6dB/oct. or -12dB/oct.)
- Low
- 30 … 350 Hz (Peaking / Shelving)
- Gain=± 5dB / ± 15dB
- Low-Mid
- 200 … 2.5k Hz
- Q=0.2 … 3.2
- Gain=± 5dB / ± 15dB
- High-Mid
- 600 … 8k Hz
- Q=0.2 … 3.2
- Gain=± 5dB / ± 15dB
- High
- 2k … 25k Hz (Peaking / Shelving)
- Gain=± 5dB / ± 15dB
となっており他にTHD MODEのボタンやバイパス、オペレーションモードの選択などのボタンがあります。
各バンドが独立してバイパスできるのは嬉しいですね。各バンドのGain knobがpush-pushタイプになっており、それを押すことで、bypassと切り替わります。Gain knobの右下にはONというインジケータが用意されており、Bypassかどうかは一目瞭然です。
前述の通りPlug-isでコントロール可能なわけですが、Plug-in formatはAAX/AAX DSP/VST3/VST2/AUに対応しています。このあたりは後日_TITANのレビュー(ができれば)にてある程度紹介したいと思います。
Cut/Boostは±15dB rangeの際には0.25dB step、±5dB Ragenの際には0.083dB Stepにて制御可能、周波数は4バンドすべて256 step、HPFは128 stepでコントロールできます。
Digital Controlなんだなーと言うのを実感できるのはPlug-inで制御可能、と言うことに加えて各ノブをまわす速度でパラメーターの移動速度がかわることなどがあげられます。パラメーターの位置は白色LED indicatorでわかりますがこの変化量がノブをまわす速度で変化します。Gain knobはUnity Gain(=0dB)になるとLEDが消灯します。
HF/LFに関しては周波数のノブがやはりpush-pushタイプでここを押すことによりPeaking/Shevingが切り替わります。HPFの-6 or -12dB/oct.の切り替えもノブを押すことで可能です。
_PROMETHEUSと同様THDによるColoringも可能です。
Sound Impression of _HYPERION
さて、シャーシは_TITANを使用しました。録音済みのソースに使用してみました。言う通りにすんなり効いてくれるイメージで、しっかりかかってくれます。Cut/BoostのRangeも±15dBと±5dBの切替が可能なので細かく追い込んでいくことが可能です。
_PROMETHEUSがBoostするのが楽しいEQだったので、_HYPERIONはCut中心のほうがいいのかな、と思っていたのですが、全然そんなことはなく、Boostしても自然な仕上がりです。Band数の4バンド+HPFなどもあるので下処理はもちろん細かく音を作っていくときには有効だと思います。
録音の際にちょうどセットアップしてあったのですが、クライアントが「何スカそれ!?超カッケー!!!」と興味津々です。せっかくなので「じゃあ使っていこうか」と積極的に音作りに使用していきました。
Snareの音がちょっと軽いね、ということになり、Snare wireの響きを少し抑え、低域をBoost、やや極端なsettingですが不自然さはありません。ここ一連のng500シリーズのレビューにしなやか
、という表現を多用していますが、僕の語彙で一番ピッタリ来るのはこの表現です。Neutralといってもいいのかもしれません。
Mixの中での存在感をプラスするのにTHDも使用可能ですし、Rec時に通すときにはとりあえずTHD押しとく、でも失敗は無いような気がします。
Afterwords
リリース順にcheckしなかったのですが _PROMETHEUSと比べると(当たり前ですが)_HYPERIONはプレーンな4バンドEQという印象です。職人的な仕事をしてくれるという感じでしょうか。かなりタイプが違うので両方持っておいても、どちらかの使用頻度が極端に下がる、ということは無いように感じます。
あえて苦言を呈するとすると、500シリーズの宿命かと思いますがknobが小さいかな、という印象です。knobが小さいというよりはそれらの間隔が狭い、という感じでしょうか。
Plug-inでコントロールできても思わず手が伸びればそちらのほうが早いのでノブを回してしまいます。
1UサイズでGConManager対応、とかっていうのもありなんじゃなかと思います。_HYPERION Rackみたいな。
あとDUO-PREのときにも書きましたがLED眩しいです(w)
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checker:Takumi Otani
Wes Audio,_HYPERION
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