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SR-SYS-ONE
レビューの中で難しいな,と感じることがある製品群があるのですが,それはSR用のLoudspeaker Systemです。Bandものに使ったときとDJなどに使ったときの印象は同じとは限りませんし,求められるものも違う印象です。マイクはバスドラム用,ギター用,などとある程度用途がありますが,Speakerはそうではありません。
とまず,言い訳のようなことを書いてしまいましたが今回はそのSR用Loudspeakerのレビューです。
試聴をご希望のお客さんと代理店倉庫に出向いて聴いてきました(CAEL WORKS H田さん ありがとうございます!)。その時の印象を交えつつ見ていきたいと思います。
Product Overview of SR-SYS-ONE
まずSR-SYS-ONEの構成から,
- T24n
- ダブル12インチラウドスピーカー×2
- B30
- ダブル15インチサブウーハー×4
- Lab,Gruppen もしくは Powersoftのパワーアンプ
- 4ch(T24n FullRange駆動時)
- 4ch(T24n Bi-Amp駆動時)
です。Speaker Cableなどの細かいものは省いてあります。
T24nとB30のSpecを掲載します。
T24n
- ユニット
- 2×12 inch LF / 1×1.4 inch HF
- 周波数特性
- 65 - 18000Hz
- 許容入力
プログラム / ピーク - 1400/2400 W (バイアンプ LF)
- 1400/2400 W (パッシブ)220 / 440 W (バイアンプ HF)
- 定格インピーダンス
- 4 Ω (バイアンプ LF) 4 Ω (パッシブ)
- 8 Ω (バイアンプ HF)
- 定格拡散角度(H×V)
- 60°×40° HFホーン, ローテータブル
- 入力感度 1 W / 1 m
- 107 dB (バイアンプ LF) 110 dB (パッシブ)
112 dB (バイアンプ HF) - 理論最大音圧
- 143 dB
- コネクター
- Speakon NL4×2
- 本体寸法 (W x H x D)
- 440×706×440 mm
- 本体重量
- 45 kg (パッシブクロスオーバー装着時:46kg)
- 表面仕上げ
- Warnex仕上げ
- アクセサリー
- CaseT24, FDB30, SBT24, CBT24, BLT24,MCT24, CoverT24
- オプション
- PWT24内蔵パッシブクロスオーバー, RALカラー設定
B30
- ユニット
- 2×15" LF
- 周波数特性
- 35 - 200 Hz
- 許容入力 プログラム / ピーク
- 2000 / 4000 W
- 定格インピーダンス
- 8 Ω
- 入力感度 1 W / 1 m
- 97 dB
- 理論最大音圧
- 132 dB
- コネクター
- Speakon NL4×2
- 本体寸法 (W x H x D)
- 446×706×800 mm
- 本体重量
- 39 kg
- 表面仕上げ
- Warnex仕上げアクセサリー
- FDB30, QDB30, CoverB30
- オプション
- RALカラー設定
プログラムで11,000Wがハンドリングできます。しかもこれがバンに収まるサイズだというのだから驚きです。専用ドリーにピッタリと収まり,ドリーの車輪も大きいので多少の段差は何のそのです。
推奨アンプはPowersoftかLab. Gruppenです。Lab.Gruppenの場合にはLakeで,Powersoftの場合にはArmoníaのカーブデーターが供給されます。
Sound Impression of SR-SYS-ONE
デモのレビューではないのでデモの部分は割愛しますが,いろいろお客さんと試したのでその印象なども記載できればと思います。
デモの時間より2時間ほど前乗りしました。設営を手伝わせてもらうことでお願いしてあったのです。常設の場合にはさほど気になりませんが仮設ですとと重量や設置のしやすさは大きなポイントです。この辺は体験するのが一番ですし,いろいろコツなども伺えるかなと,H田さんも楽になりWin-Winです。
重量としてはT24nのほうが重たいのですが,それでも45-6kgなので男性二人で簡単に設営可能です。ものの数分で製品写真の状態が組み上がります。本体に凸凹があって,B30とT24nが簡単に,推奨ポジションに配置できます。
今回はアンプはLab.Gruppenを使用しました。ですのでコントロールはLakeです。T24nをBi-amp/Full-Range切り替えて鳴らすことを想定して6ch分ご用意いただきました。
メーカー推奨設定値のまま,ドカンと音を出してみて,感じたのは,「え,アンプ,まだ10dBくらいHeadroomあるのにこの音量?」というハイパワー感です。
T24nだけ,B30 x2, T24n+B30x1 とか鳴らしてみたのですが,SR-SYS-ONEにおいてB30はサブウーファーというよりはSR-SYS-ONEのLow Box,という印象です。
当たり前のこと言ってるみたいですが,上記の組み合わせだと明らかにバランスが崩れます。メーカー推奨の状態を崩しておいて何をほざいているのか,とツッコミが入りそうですが,T24nの周波数特性は65 - 18000Hzですから,「下を補ってやる」のが前提のスピーカーと解釈して良さそうです。
Bi-AmpとFull Rangeの違いですが,必要なアンプのチャンネル以外に音質も異なりました。Full Rangeはメーカーが責任をとって調整してある感じ
で,Bi-Ampは細かい調整が可能でうまく行けばFull Rangeの音質を凌駕する設定が可能
という印象です。
EQがフラットだと会場特性もあってか6-8kHzあたりが耳に突き刺さります。SM58でOne-Twoをさせてもらいましたが,やはり気になったのでちょっとカットすることにしました。Refernceを中心に数曲聴かせてただき,うんいいんじゃないでしょうか,と。
とかなんとかやっているとデモの時間になり,お客さんを迎え入れシステムの説明をし,試聴です。
一旦Bi-Ampの設定のままスタートしました。パワー感,音質ともにご納得いただけた様子です。
B30をB18に変えてみました。Bottom-endが伸び,低域大好きな僕としてはこちらのほうが好みです。ただ,T24nとの間に少しだけ分離感を感じます。未調整の状態の印象ですが,
- T24n+B30
- 中低域のつながりがきれいで生演奏にはもってこい
- T24n+B18
- クラブ系の音楽にはとてもマッチする低域の伸び
です。ただ,EQで調整することにより,B18もきれいにT24nと繋がりましたので,B18と組み合わせるのもありかと思います。
SR-SYS-ONEのシステムとは数れてきますが,そこに居た全員が「これが最高だね」となったのはT24n+B30+B18の組み合わせです。
T24n+B30の中低域のつながりを活かしつつ,18インチウーファーの低域を追加できる感じです。
コンパクトに書きましたが,デモ終了まで3-4時間位でしょうか。セッティングを変更しては試聴する,の繰り返しですが,非常に有意義な時間でした。
Afterwords
コンパクトでハイパワー!なんか車や重機のキャッチコピーみたいですが,今回は非常にそれを感じました。
システムの顔,とも言うべきFoHスピーカー。
更新をご検討中の方,ぜひ選択肢に入れてみてください。
date:
checker:Takumi Otani
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