Soyuz
SU-019,SU-017
今回見ていくのはSOYUZのFET コンデンサーマイク SU-019と真空管コンデンサーマイク SU-017です。SU-017は名機 NEUMANN U47を意識したマイクとのことで興味津々です。
どちらもユニークな形状のマイクです。ホワイトとゴールドのカラーリングがなんとなくロシア,東欧を彷彿させるデザインです。
早速見ていきましょう。
Product Overview of SU-017 & SU-019
まずはスペックと参りましょう。
SU-019
- カプセル
- 2 x 34mm 被膜 (1方は金スパッタ)
- 周波数特性
- 20Hz - 20kHz
- ポーラーパターン
- カーディオイド(交換可能), オムニ, figure 8
- 感度
- 15mV/Pa
- インピーダンス
- 200Ω
- SPL
- 140dB
- 等価雑音レベル
- 18dB (a-weighted)
- 電源
- 48V ファンタム
- サイズ
- 226 (長さ) x 55 (直径) mm
- 重量
- 930g
- 付属品
- 木製マイクケース
SU-017
- カプセル
- 2 x 34mm 被膜 (1方は金スパッタ)
- 周波数特性
- 20Hz - 20kHz
- ポーラーパターン
- カーディオイド(交換可能), オムニ, figure8
- 感度
- 16mV/Pa
- インピーダンス
- 270Ω
- SPL
- 120dB
- 等価雑音レベル
- 20dB (a-weighted)
- チューブタイプ
- 6G1P
- 電源
- BP-017 専用電源
- サイズ
- 226 (長さ) x 55 (直径) mm
- 重量
- 950g
- 付属品
- 木製マイクケース, パワーサプライ, 6pin ケーブル, ショックマウント
共通しているのは指向性は切り替えでは無く交換タイプです。マイクカプセルはK67スタイルのハンドメイドカプセルで,内部配線もハンドワイヤードです。
音とは関係ありませんが,前述の通りホワイトとゴールドの組合せが美しくMV等で映るとすぐにSOYUZのマイクだとわかるデザインです。また,サスペンションに搭載したときもその美しさは失われません。
SU-017とSU-019の違いはパット見はプレートの色だけです。SU-017はXLRコネクターが3pinではないので接続の際にに気が付くといえば気がつくでしょう。
等価雑音レベルはSU-019=18dB(a-weighted),SU-017=20dB (a-weighted)です。ちなみにですが,AKG C414 XLSが6dB(a-weighted),Neumann U87Aiが12-15dB (a-weighted),M 149 Tubeが16/13/11 dB-A1ですのでちょっと高めといえるのかもしれません
感度に関してはSU-019=15mV/Pa,SU-017= 16mV/Paとのことですが,これはdBuに換算すると約-34,-33dBuです。C414が開回路感度 -33dBV re 1V/Pa(±0.5dB),Neumann U87Aiが-31dBu ... -28.84dBuくらい,M 149 Tubeが-24dBですですので標準少し小さい,といえるくらいかもしれません。
ただ,実際に試したときに上記ノイズや感度は全く気になりませんでした。
重量があるのはちょっと好感が持てます。もちろん程度問題ですが,ずっしりとした重量でしっかり作り込まれている印象です。
Sound Impression of SU-017 & SU-019
実際の音に参りましょう。
今回はアコギとVocalに試してみました。
マイクホルダーはEnhanced Audio M600を使いステレオバーでセッティングしました。
クライアントが来て,「あ,なんかかっこいいマイクがある!!」とのこと。
SU-017はPSUが必要ですから完全に同じ環境ではありませんがHA,Dynなどは同一機種を使用しての録音です。
録音過程は省略しますが,録音が完了したテイクをVocalistに確認してもらったところ
「SU-019よりはSU-017のほうが艶みたいなのがある気がする...。どっちも好きだけどこの曲に合うのは艶のあるほうかな...。」
とのことでした。
SU-019が決して悪いわけではないのですが,SU-017と比べると少し地味に感じます。地味というかあっさりしている印象でしょうか。SU-017のほうがミッドレンジに密度を感じます。シングルコイル(=SU-019)とハムバッカー(SU-017)の差という印象に近いです。この密度が有るmidrangeがVocalistが言っている艶
の部分ででしょう。今回のクライアントは女性の方だったのですが,その声質とマッチした結果と言えると思います。
基本的な音質は非常に似ており,上手く切り替えればその違いは判りづらいと思います。おそらくこれがSOYUZの音質,といってよいのでしょう。
音質の印象としては高域を伸ばしてある一部のモダンマイクと異なる傾向を感じます。Midにエネルギーが有る,というと言い過ぎな印象ですが,広がる高域というともっと違和感を覚えます。ヌケが悪いということはないのですが,落ち着いた印象の音質です。
次はAcoustic Gtです。
アコギと言っても結構幅がありますが,今回はバンド演奏の中のバッキングの一部としてのストロークのアコギ
です。
ギターはTakamineだったのですが,少しEQを施しオケの一部としてなじませ録音です。
同じマイクですので大きく印象が変わるわけではありませんでしたが,収まりの良いギターが録音できました。
バッキング,ということもあって今回はSU-019が採用になりそうですが,楽器自体主役となる録音,PianoやStringsなどに関してはSU-017のほうが良いと思います。
Afterwords
見た目もインパクトでお洒落なマイクです。
真空管マイクに興味の有る方ぜひとも選択肢に入れてみてください。
date:
checker:Takumi Otani
Soyuz,SU-019
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