Solid State Logic
XLogic G series Stereo Compressor
今回のプロダクトレビューはSolid State Logic,XLogic G series Stereo Compressorです。Gシリーズ以降マスターセクションに搭載されていたステレオコンプレッサーをアウトボードとして製品化したものです。音に差などあるのでしょうか?楽しみですね
Product overview of XLogic G series Stereo Compressor
X-Rackでも発売されたXLogic G series Stereo Compressorです。こちらは元祖(?)というか1Uサイズの方です。SuperAnalogue Rangeのほかのシリーズと比べても明らかにノブの数などが少ないです。
ステレオコンプレッサーなのですから仕方ありませんが、比べてみるとちょっと笑えます。
名前が示すとおりもともとはSL4000Gのセンターセクションに搭載されていたものでした。api 2500もそうですがコンソールのステレオコンプというのはMixをまとめる不思議な魅力がありますね。
SSL社のコンソールはKシリーズまであったのですがGシリーズ以降トータルコンプレッサーはずっとこのG series Stereo Compressorが搭載されています。SSLスタッフがやる気がなくなったわけではないでしょうからこのコンプレッサーの完成度の高さが伺えます。
だいぶ前ですが、S&R誌で「ちょっと高めのコンプが欲しい」という特集がありましたが、そこにもG series Stereo Compressorは掲載されていましたね(「ちょっと」高いかどうかは別とてして...)。
そのXLogic G series Stereo Compressorですが、当店Annex Recordingにも採用されています。ジャンルやスタイルにもよると思うのですが、やはりアナログを通すとパンチがでます。AD/DAを重ねることになりますから、もちろんPurityと言う観点からですと失われている部分もあるのかもしれませんが、得るものも大きいです。要はどちらをとるかということになるのでしょう。
Annex Recordingにはアナログコンプがいくつか(Amek System9098CL, api 2500,Drawmer 1960,そしてSolid State Logic XLogic G series Stereo Compressor)僕はジャンルなどによってこれらを使い分けています。MixMasterを元にクライアントとどのコンプがよいか延々ためしたこともあります(いやーマニアックな試聴(?)でしたね)。
Panel
さて、シンプルなパネルですが一応見ていきましょう。
左にはcompressionと書かれたGRメータがあります。GainReductionです。そこから右に
- THRESHOLD(-15 ... +15)
- ATTACK(0.1/0.3/1/3/10/30 mSec)
- RATIO(2/4/10)
- RELEASE(0.1/0.3/0.6/1.2/Auto Sec)
- MAKE-UP(-5 ... +15)
のつまみがあり
COMPRESSORのbypassスイッチ、
Sidechin enableのスイッチ
AUTO FADEのスイッチと時間を決めるつまみがあります。
Sound Impression of XLogic G series Stereo Compressor
さて実際の音はどうかというと、さすがですね。しっかりかかりますし、聴き慣れた感じの音、と言うかコンプレッションサウンドがします。僕はあまりトータルを深くかけない(と自分では思っている)のですが、深くかけてもしっかりとした音になっています。もちろん自然な感じというのはなくなっていきますが。
Bypassすると急に寂しくなります。メーターの触れ方は抑えられているのに音圧がドンと出てきます。コンプだから当たり前だ、と言う声も聞こえてきそうですが、ここまでしっかり変化を感じることの出来る製品は少ないでしょう。
さすがです(コレしか言ってないですね...)。
残念なことに2008/2から値上がりしてしまいましたが、X-Rackシリーズとしても製品化されています。X-Rackをお持ちであればこちらの方がリーズナブルです。
ちなみにX-RackシリーズのG-Comp,XR626 X-Rack Stereo Bus Compressor Moduleと聴き比べたことがあるのですが、Rack製品の方がちょっと音が太いように感じます。ただオリジナルのG-Comp(SL4000GのCentre Sectionに搭載されているもの)に近いのはXR626 X-Rack Stereo Bus Compressor Moduleだと感じました。参考になれば幸いです。
僕はトータルコンプは「2Mixにパンチとロックを吹きこんでくれるものだ」と思っているので(笑)試聴してラック版にしたのですが、ナチュラルな方がいい、DAWの出力のあとをあまり変えてほしくないと言う方はXR626 X-Rack Stereo Bus Compressor Moduleの方がいいと思います。
X-Rack G-Compモジュールにはない機能が[AUTO FADE]、いやーこれすっげーナチュラルです。
Fade in,Fade outどちらも対応できるのですが、時間を決めて(1-60sec)ボタンを押すだけ!
とても自然なfadeの始まりです。
「ここから15秒でF/Oしたい」などというときとても便利です。
Compがかかった音がFadeされるので
「Master FaderでF/Oかけて、途中からTotal compが効かなくなった」という状況も回避できます。
先日もSRの現場でトータルに使用したのですが、XLogic G-Compの前述の音の太さのおかげで、非常にタイトかつ存在感のあるローエンドを得ることが出来ました。
しかも無駄に、最後に客だしBGMをF/Oするときには[AUTO FADE]使ってやりました(^^)d。
Afterwords
貸出は行っておりませんが、試聴は可能です。お気軽にご来店ください(録音にのスケジュールに左右されます)。
Spec
- 重量:3.3kg
- サイズ:D425mm×44.5mmH×480mmW
- Headroom > +28dBu output level, 20Hz to 20kHz at 0dB gain
- Dynamic Range > 118dB
date:
checker:Takumi Otani
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