Solid State Logic (SSL)
X-RACK Empty Rack
あけましておめでとうございます。
さて、前回のレビューからだいぶ時間が経ってしまいましたが、今回はスロットシャーシを見ていきましょう。この業界でSlot, Moduleというとapiの500 series、すなわち、VPR allicanceがまっさきに思い浮かぶ方が多いと思いますが、今回はSSLのオリジナル規格 X-Rackのシャーシです。
早速見ていきましょう。
Product Overview of X-RACK Empty Rack
まずは物理的なサイズから参りましょう。高さ、幅はEIA 4Uです。奥行きは約180mm(モジュール非搭載)です。
重量はモジュール非搭載の状態で約4.3kgです。8モジュールを搭載した状態で約6,5kgです。消費電力は8モジュール搭載時で50Wほどです。
X-Rack Empty シャーシの役割は各モジュールへの電源の供給です。500シリーズのシャーシは電源の共有の他に各モジュールへのI/Oも行いますが、X-Rackシリーズのモジュールはその背面にXLRや1/4" phone端子を搭載しています。接点が2つ減らせる、という意味では良いですね。
さて、X-Rackのもう一つの役割としては搭載モジュールのスイッチとノブの設定を覚えてくれるTotal Recall™のコンピューター部、という部分です。DAWのPlug-in Recallの精度には勝てないのかもしれませんが、逆にSuperanalogue soundが使用できるというメリットがあります。使用方法は取り扱い説明書を見てもらうとして、Total Recallの概要を簡単に記載しておきます。
X-RackのTotal Recall コンピューターはモジュールの設定を32パターン覚えてくれます。必要に応じてそれらを呼び出せますが、スイッチ、ノブの設定は手動です。
また、X-RackのはAWS900シリーズやMatrixシリーズのTotal Recallシステムと接続可能です。これにより最大4台のAWS,最大6台のMatrix、X-Rackの状態をConsoleの設定とともに記憶できます。
また、MIX BUS Linkという機能をもあります。DB25コネクタ TASCAM Pin assisgnでAFL L/R、MIX Bus L/R、Rec Bus L/Rをリンクできるのです。後述のXR621,XR627にはFrontにRec L/Rec Rへのアサインボタンがあります。すなわち本体背面のoutputとは別に出力が可能です。
さて、現状のX-Rack Moduleの組み合わせからX-Rackの可能性を見ていきましょう。
本日現在9つのModuleが入手可能です。
- Mic Amp Module XR621
- EQ Module XR625
- Dynamics Module XR618
- VHD Input Module XR627
- Devil EQ Module XR425
- Devil Dynamics Module XR418
- G Series Stereo Compressor Module XR626
- Stereo EQ Module XR727
- Stereo Dynamics Module XR728
単純に考えて、XR621、XR627を使用して8chのHAは作れますね。同様にXR625,XR425を使用して8chのEQ Outboardを、XR618,XR418を使用して8chのDynamics Outboardも構成可能です。
あとはHAx2+EQ x2+Dyn x2+G-Compとかにしておくと簡単なRecからMixまでバランス良く使用可能な印象です。
Sound Impression of X-RACK Empty Rack
500シリーズと異なり「多くのサードパーティがシャーシを作っている」、という状況では無いので音質の比較は各モジュールのレビューに譲ります。ご了承ください。
Afterwords
500シリーズと異なりサードパーティの参入は難しそうですので広がりは出ないと思いますが、逆に必ずSSLサウンドが得られるモジュールシステムと言えると思います。
date:
checker:Takumi Otani
Solid State Logic (SSL),X-RACK Empty Rack
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