Solid State Logic (SSL)
Alpha-Link MADI AX

今更感のある製品で恐縮ですが,今回見ていくのはSSL XLogic I/OシリーズのAD/DAコンバーターです。

XLogic I/OシリーズはAnalog,MADI-X,adat(S/MUX)のコンバージョンが可能なAX,Analog,MADI-X,AES/EBUのコンバージョンが可能なSX,SXのMADI-X,電源回路が二重化されたLive-R,そして残念ながら生産完了となってしまったAnalog,MADIのコンバージョンが可能なMXとPCI-e Slotに対応したInterface Board XLogic MADIXtreme から構成されています。

Solid State Logic Alpha-Link MXの詳細はそのReviewをご覧頂くとして今回はその兄弟とも言うべきAlpha-Link MADI AXのレビューです。
いまさらですが張り切ってまいりましょう!!

Product Overview of Alpha-Link MADI AX

ざっくりスペックと参りましょうか。

Frequency Response
20Hz ... 20kHz((+0dB -0.5dB) @ 48kHz sampling rate)
Harmonic Distortion
0.005% @ 1kHz sine wave at 1dBFS with 20 kHz brickwall low pass filter
Dynamic Range
128dB digital (A-weighted)
Input Levels (最大値)
+22dBu
Output Levels (最大値)
+22dBu
Bit Depth
24 bit
Sample Rates
44.1 kHz, 48 kHz, 88.2 kHz, 96 kHz
I/O数
24ch
Connectors
DB25x3,Toslink x3,Fibre Duplex connector
W/C
BNC x2
消費電力
30W
作動電圧
100-240VAC, 50/60Hz(ユニバーサル)
サイズ
310 mmD x483 mmD(19インチ) x 88mmH(2U)
重量
6kg

フロントパネルは左から

電源スイッチ
電源のON/OFFを行います
Headphone端子
Alpha-Link Liveには非搭載です
Routing Matrix
AD,DAの決定します。ソースはAX=ADAT,SX=AES/EBU,ANA(log), EXP(ansion), MADIからそれぞれ選べます。
Sample Rate
44.1k/48k/88.2k/96kを切り替えます。MADI(-X)の信号は44.1/48kHz時に56(64)chなので88.2/96kHz時には28(32ch)になります
Clock
クロックソースをDA入力(AX=ADAT,SX=AES/EBU), INT(ernal), EXT(ernal)で切り替えます。
Meter
右の24のインジケーターの表示をAD/DAで切り替えます。XSは診断モード(SAMPLE RATEボタンとCLOCKボタンを1.5秒ほどホールド)に入ったときに点滅します

背面はアナログ入出力用にDB25 x3が2列,ADAT(S/MUX) TosLinkが6つ,MADI Optが1つ,WC用BNCが入出力でそれぞれ1つ,MIDIのI/Oもあります。
気になるのがExpansionというコネクタですがこれはMixpanderとの接続専用のようです。

MeterのIndicatorですが

LED colourFull-ScaleAlpha-Link AX,SX
OFF-∞ ... -30dB FS-∞ ... -8dBu
Green-30dB FS ... -3.0dB FS-8dBu ... +19dBu
MBER-3.0dB FS ... 0.1dB FS+19dBu ... +22dBu
Red> -0.1dB FS> +22dBu

となります。

Alpha-Link MADI AX/SXはMADI コンバーターですのでこの信号をPCとやり取りするにはMADI I/Fが必要となります。MXと同じようにXLogic MADIXtreme 64をI/Fとしています。

診断モード(というよりはセッティングモード)ではMADIとMADI-Xの切り替えやADAT S/MUXのモードの設定などが行なえます。

Sound Impression of Alpha-Link MADI AX

今回のチェックは主にDAコンバーターとしての確認です。

DAWのマルチトラックアウトをX-DESKに入力してアナログサミングを行うためのDAコンバーターを探していたのですが,X-DeskはLine In+ ALT inで16入力が可能です。更にFx1,2 Retを使えばモノラル換算20入力が可能です。

最初はMXにしようかと思っていたのですが,生産完了ということと,出力が16chという部分もありAXにしました。SXでも良かったのですが,周辺機器にADAT互換の製品が多いのでAXのほうが色々便利かな,と。

あと,USBだと他にも色々繋いでいてI/Oへの信号が確保されているのか心配な部分が合ったのでPCI-eで接続できるものを探していました。

50cmのDB25ケーブルを作るのは地味に大変でしたが無事完成し,ショートなども無くめでたしめでたしです。

完全に同環境での試聴ではありませんが音質に関して,MXとくらべてAXのほうがよりしなやかでクリーンな印象です。どちらもニュートラルな印象は代わりませんが,やはり値段が高い分こちらのほうが良く出来ている様に感じます。高域,低域もいやらしく無く伸びている印象で,48kHzのセッションと96kHzのセッションの情報量の差をきちんと描き出してくれます。
ただ,パンチが有る,という類のAD/DAではないので事前にoutboardなどでしっかり音を作っておく必要があると思います。

録音が多チャンネルになっている昨今Overdubbingで同じAD/DAの癖が重なるとソレだけで少なからず影響はでそうな印象ですから,良いアナログ機材を持っている方には是非ニュートラルなものを,という感じです。

1つ残念なのが,Alpha-Link MADI AX/SXはMADIをDaisy Chainさせて1つのI/Oと見なせないところでしょうか。MXはDevice IDが1-4まであり,最大4台接続することにより最大64In/16Out,16In/64OutのI/Oとして使用可能でした。
AX/SXもDevice IDのような物で識別し複数台で1つの多チャンネルのI/Oとみなせるとありがたいです。AX/SXの場合はMADIXtreme 128を使用することにより2台のAlpha LinkそれぞれのMADI Portと接続を1台のPCとやり取りさせることが可能です。

この辺はVersion Upでなんとかなるとうれしいですね。

Afterwords

ちょっとしたI/Fという製品ではありませんが,最近,この手の情報が少ないのも事実です。

気になっている方の参考になれば幸いです。

Solid State Logic (SSL), Alpha-Link MADI AX 画像

date:
checker:Takumi Otani

Solid State Logic (SSL), Alpha-Link MADI AX
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