今回の会場も表参道 スパイラルビル3F スパイラルホールです。エレヴェータで3Fに上がると...人が多い...。いつもの倍はいるんじゃなかろうかと思います。後から聞いたのですが、Dealerだけでなく一般の方(といってもユーザー法人の方)もwebで申し込みができたとのこと。
Rolandのスタッフの方々もてんやわんやです。そんな中Rolandの田中社長は涼しい顔でうろうろしていました(苦笑)。
さて、場所とり(?)も済ませ、ロビーで写真撮影です。
急ぎの電話が入ったり、ロビーで説明を聴いていたりですべてをきちんと見れたわけではないのですが、SONARのVer8.5の新機能なども聴いてきましたので後ほど。
V-Mixing Systemの中枢V Mixerのニューカマーです。M-380が(乱暴に言うと)「M-400をラックマウントできるようにした」製品だったのですが、こちらはどうでしょう。比較しながら見ていきましょう。
REACを2ポート搭載していますので入力は40Chいけますが、フェーダーの数の関係があり、コントロールできるのは32chまでです。そのへんはレイヤー数が多いM-400,M-380にはかないません。
本体背面の入力端子も上位機種とは違います。
機能 | M-400 | M-380 | M-300 |
Mix Fader数 | 48(2レイヤー) | 48(4レイヤー) | 32(2レイヤー) |
背面入出力端子 | XLR入力 x8 XLR出力 x8 REACポート x3 RCA入力 x2(analog) S/P DIF x1 MIDI x2 RS-232C USB XLR (Talk Back) | XLR入力 x8 XLR出力 x8 REACポート x3 RCA入力 x2(analog) S/P DIF x1 MIDI x2 RS-232C USB XLR (Talk Back) | XLR入力 x4 1/4"入力(Bal) XLR出力 x4 1/4"出力(Bal) REAC x2 RCA x4 (analog) MIDI x2 RS-232C USB |
内部エフェクト | 11種類, 最大12系統の31バンドGEQ | 11種類, 最大12系統の31バンドGEQ | 11種類 アウトプット・PEQ を標準装備 |
サイズ(WxDxH mm) | 749 x626x229 | 482 x581x221 | 470 x483 x195 |
重量 | 19.8 kg | 14.0 kg | 9.8 kg |
ざくっとした比較ですが、こんな感じでしょうか。
デジタルのテクノロジーはどうしても後発の方が有利なのですが(デジタルピアノが顕著でしょうね)、V-Mixerもその後発のアドバンテージがM-300には有ります。ささいなことかもしれませんが、4バンドパラメトリックEQのLFとHFがシェルビング可能になりました。Mー400,M-380のときはDSPのパワーの関係で出来なかったとか。嬉しいですね。
またもや開発の三好さんを捕まえていろいろ聞いたり、「こういう機能って出来ないですか?」とか言いたい放題言っていたのですが、メモをとっていらしたので、バージョンアップの時にはそのへんが実現するかもしれません。
で、M-300をちょこっと触っての感想というか印象ですが、まず「Mixerとして使いやすくなったのかな」と言う部分が第一印象です。M-400,M-380が使いづらいとかそういう意味ではありません。
M-400,M-380はV-Mixing Systemのコントロールサーフィス部、という性質が強い(単体だとXLR+RCAで10chですから48chに対して入力は10ということになります)のですが、M-300は32chに対して入力は12ch。1レイヤーがFader16本ということを考えれば、チョットしたMixはこれだけで完了します。まぁチョットしたオペ、にここまでのMixerはいらないのかもしれませんが、「全部を(V-Mixer)内部にま替えるのはチョット...Revはアレを使いたいなぁ」と言う方も少なくないのかもしれませんが、そういった事にも対応可能です。
操作感はあまり変わっておらず、使いやすいです。EQもよく効きます。そういえば映像セミナー中だったでしょうか。ヘッドセットマイクの距離の関係なのか、声がシャリシャリするなぁ、と感じていたのですが、オペレーターさんも同じこと感じていたらしく高域を落としたりしていました。GainとQと主に操作していたのか、高域がジワーと変わっていくのがチョット面白かったですね。
REACとMADIのコンバーターです(僕の昔の同僚にこれを話すと多分彼は「MADIっすか?」って言うでしょうねぇ)。
簡単にですが、MADIについて説明しておきます。専門的な部分も有りますが、規格の話なので了承下さい。
MADI:Multichannel Audio Digital Interfaceの略で、AMS/Neve,SSL,SONY,三菱とAES(=Audio Engineering Society)によってStandard AES 10-1991として定義され、最大56チャンネル(44.1kHz/48kHz)、+ /-12.5 % のバリピッチをサポートしました。
後年64チャンネルモードMADI-X(MADI-Extended)が、正式に導入されました。
最大64チャンネルのMADIデータ伝送は75 Ωの同軸(標準のBNC)、またはオプティカル(デュプレックスSC)ファイバー・ケーブル一本だけで行われます。コアキシャル:最大100 m (75Ω、BNC),オプティカル光ファイバー:最大2000 m(62.5/125 μ、スタンダードネットワークテクノロジー)
MADI-Xは44.1kHz/48kHzの場合64チャンネル、96kHzの場合32チャンネル、192kHzの場合16チャンネルのオーディオ伝送に対応します。
早い話がMADIは多チャンネルを一気に伝送可能な便利な規格で事実上デファクトスタンダードに最も近いところにいる規格なわけです。
長距離伝送はREACでも光ケーブルを使用することにより可能になりますが、MADIは上記の通り複数のメーカーが携わっていますので今後も業務機に搭載される確率は多いでしょう。やはり一方向と言う観点で見たときにはMADIの方が多くの信号を送れます。MADIを搭載しているデジタルミキサーも有りますのでそこへデータを渡せるというのは大きなアドバンテージです。デジタルマルチの壁がひとつ取り払われた、と言うと大げさでしょうか。少なからずそういう印象は有ります。
さてMADIが(正確には"MADI-Xが")最高64chに対してREACは一方向40chですからどうしてもズレが出てくるのですが、S-MADIを2台使えば解決できるとのことです。S-4000Rもつないで使用できます。
担当の加藤さんと話し込んでしまったのですが、マイナーバージョンアップなのですがいくつか追加された機能が有ります。
細かいところからおもしろプラグインまで、といった感じです。
まだ書けない情報も頂いてきました。Ver9のリリースアナウンスはまだないのことですが、毎年年末にやってますから今年も何らかの動きがあるでしょう。Windows 7になって64Bit系のプラグインが充実したというのが今回の大きな印象ですね。
SD コンポジット12入力を一気に監視することができるビューアーです。4出力に割り当てるスイッチャーにもなります。12アウトだとマトリクスといっても良いのかもしれません。サイズは1Uで裏にはBNCがたくさん並んでいます。監視する画面はRGB出力で監視できます。HDMIにも対応していますので最近のTV画面を使用することも可能です。画面のレイアウトは4種類から選べます。後述のLSV-800の出力などをつないで同時にすべてを監視することも可能です。
残念なのが電源供給がACアダプターということでしょうか。ラックマウントできる機材がアダプターなのはチョット心配です。
V-8と同じような製品なんじゃないかと思いましたがそうでもなさそうです。V-8が出力が1つであるのに対してLVS-800は2系統です。V-8が純粋なVideo ミキサーであるのに対し、LVS-800はシステムの中枢と言う感じです。シンセで言うと純粋なシンセか、サンプラーやシーケンサーが付いた複合機か、と言う印象でしょうか。カメラ数台とPC1台とLVSがあれば、規模にもよりますが、ライブの映像やインタビュー映像などを簡単にまとめることが可能です。USTREAMなどのネット配信の関心が高まる中、ライブハウスなどに導入される方も結構いらっしゃるかもしれません。アマチュアのツアーメンバーにオペレーターだけでなく"映像チーム"が同行するような日もそう遠くないのかもしれません。
いや、逆にLivehouseがそういったことに対応できるハードに進化していくのかもしれません。
マルチフォーマットに対応したスイッチャーです。背面を見ると「映像業務機」といった感じの印象をうけますね。マルチフォーマットということで、入力は
出力は
を装備しています。
映像分野ほどフォーマットが多く存在する分野も少ないのではないかと思います。Rec/SRはせいぜいアナログ,AES/EBU, MADI,くらいでしょうか。コンバータも(ピンきりですが)多く存在しています。
細かいことを気にせず接続ができるというのはいいですね。時間の短縮にもなりますし、借りたカメラがフォーマットの関係で使用できないという悲しい事態も回避できます。
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checker:Takumi Otani
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