RCF
Ayra 5
今回はモニタースピーカーです。RCFというSR向けのスピーカーも多く製造しているイタリアのブランドです。
InterBEEなどでも展示してあり聴く機会はあったのですが,やはりスタジオモニターと言うこともあり,きちんと環境を整えて試聴したいところです(ポンとおいてある状態の試聴で昔痛い目を見たことがあるので)。今回その機会を得ましたので早速見ていくことにしましょう。
Product Overview of Ayra 5
見た目ですが,黒色で気品が漂う感じです。ファッションブランドを多く排出しているイタリアとしては地味な(?)ルックスですがどこかに気品が漂う感じ,と言うんでしょうか。サイズ,重量ともに見た目通りな印象です。
すべてがイタリアの自社工場で生産されているとのこと。クオリティにも期待が持てますね。
背面のコントロールは入力感度とHF TRIM(-2,-1,0,+1dB)があります。
お約束スペックです。
- 周波数特性 -3 dB
- 55 Hz - 20 kHz
- 最大 SPL
- 106 dB
- 指向角
- 水平:110° x 垂直:70°
- Compression Driver
- 1", 25mm coice coil
- ウーファーサイズ
- 5インチ
- 入力インピーダンス
- 10 K ohm
- 入力端子
- XLR, Jack, RCA
- 入力感度
- -2 dBu
- クロスオーバ周波数
- 2100 Hz
- Limiter
- Soft limiter
- Controls
- HF adjust
- 出力
- 55 W
- 高域出力
- 20 W
- 低域出力
- 35 W
- Cabinet Material
- Lacquer painted medium density
- 色
- Semi-matt Black
- 寸法
- 274 mm x 186 mm x 266 mm
- 本体重量
- 6.2 kg
電源もICEになっており,電源ケーブルを交換することが可能です。入力感度はクリック式になっているとうれしかったかな,と思います。
電源を投入すると本体右下のRCFのLogoが白く光ります。
Sound Impression of Ayra 5
さて実際の音に参りましょう。
今回は試したのはANNEXではありません。聞き慣れた環境で視聴したかったのですが,時間的制約もあり,別の環境に持ち込んでのチェックとなりました。
いつも設置してあるモニターを外して,Speaker Standの上に設置してまず試聴です。
当たり前ですが,違った印象の音です。ヨーロピアンと言うよりはアメリカン,低域がしっかり出た感じのアメリカンな印象です。一癖ある印象はありますが派手と言うよりはくっきりしている印象です。HF TRIMもいじってみましたが0dBが一番しっくりきました。Room Acousticも影響するでしょうから「もうちょいなぁ....」と思っている方は積極的に試してみてください。
音量ですが,結構出した方が好印象です。価格,サイズともに家庭環境で使用する方は少なくないと思いますが,なるだけ大きい音で鳴らしてあげてください。その際にInterfaceの出力もそれなりにあげれるようになっているとベストかと思います。
いつも使用しているReferenceをいろいろ試聴してみますが,常設のスピーカーとの価格差はあれどさすがに「モニタースピーカー」を名乗っているだけはあります。
前述の低域の派手さも相まって気持ちよく音楽が楽しめます。
音楽が(常に)よく聞こえては困るのがモニタースピーカーです。よいものはよく,だめなものはだめ,と判断/確認できなくては失格です。と思ったので簡単にMixしてみました。といってもラフミックス程度ですが,スピーカーの感じをつかむにはよいかと思います。
やはり低域がしっかり出てきます。Kickの帯域というよりはBassの帯域という感じです。低域がしっかり出てくる,と言うことを意識しないと仕上がりはやや低域不足になるかもしれません。
高域もさらさらした感じでハンドリングしやすいです。O/HやH/Hが耳に痛くない感じにきれいに出てきます。
最初は「中域がちょっと薄めかなぁ」と思いましたがMixしてみての印象としては「中域が薄いのではなく,低域が少し派手に聞こえる」という結論に鳴りました。個人的には何ら弊害になりません。
というのはいろいろモニターがある中,僕がモニターに求めるのは解像度が最優先ですので,多少の癖は気にならないというか,慣れだと思います。とはいえ,ラフミックスを他のモニターで訊いてみましたが,破綻することもなくMixとして成立しています。
そうそう,Reverbがやや短く聞こえたことを付け加えておきましょう。
Afterwords
「ちょっとした」自宅のシステムには十分なポテンシャルを持っています。
環境にもよると思いますが,Ayra5が自宅システムだとちょうど良いかもしれません。
電源ケーブルや印シュレーターで追い込んでいけるスピーカーです。
モニタースピーカー買い替えのときにはぜひとも選択しに入れてみてください。
安価なモデルのAyroシリーズの上位モデルMythoもどこかでレビューできるとよいと思います。
近々Ayra6もレビューしますのでお楽しみに!