RCF
ART 712-A MK II
今回見ていくのはSR向けパワードスピーカーです。今回の前はKV2 Audioでしょうか。2009年のこと、実に6年前です。小学1年生が卒業するかしないか、大学1年生が修士号を取得するかしないか(留学は除く)という時間です。
RCF ART315のデモの時に一緒にデモをしたスピーカーです。
さっそく見ていきましょう。
Product Overview of ART 712-A MK II
まずはSpecから参りましょう。
音響仕様
- 周波数特性
- 50 Hz ... 20000 Hz (-3dB)
- 最大音圧レベル
- 129 dB
- 水平指向角
- 90°
- 垂直指向角
- 60°
- コンプレッションドライバー
- 1インチ, 1.75インチ ボイスコイル
- ウーファー
- 12インチ, 3インチ ボイスコイル
入出力
- 入力信号
- バランス / アンバランス
- 入力コネクター
- コンボXLRジャック
- 出力コネクター
- XLR
- 入力感度
- -2 dBu / +4 dBu
プロセッサー
- クロスオーバー周波数
- 1700 Hz
- プロテクション
- サーマル, RMS
- リミッター
- ソフトピークリミッター
- コントロール
- ボリューム, EQ切り替え
アンプ
- トータルパワー
- 1400 W PEAK / 700 W RMS
- 高域
- 400 W PEAK / 200 W RMS
- 低域
- 1000 W PEAK / 500 W RMS
- クーリング
- 強制空冷
- コネクター
- VDEコネクター
キャビネット
- キャビネット素材
- コンポジットポリプロピレン
- ハードウエア
- 2 x M10フライングポイント
- ハンドル
- 側面2箇所, 上面1箇所
- ポールマウント/キャップ
- あり
- カラー
- ブラック
外観
- 外形寸法(HWD)
- 637 mm x 384 mm x 363 mm
- 重量
- 17.7 kg
コントロールや入力などは先日レビューしたART 315 MK IIIと似ています。
デジタルアンプということも手伝って,サイズの割に軽めです。パッシブと同じくらい,というとちょっと言いすぎですが,「アンプを積んでいる」と言うほどでもありません。テクノロジーバンザイです。
Sound Impression of ART 712-A MK II
As Sidefill monitor speakers
さて,ART 315 MK IIIのデモに持ち込む前にホールでの現場のSidefillに持ち込んで使用してみました。箱を持ったアシスタントも「あ,軽い!」と好印象。
ポールマウントして音量調整,gain knobは1時ちょっと位だったでしょうか。所謂「ワンツー」をやるわけですが,他のモニターと比較して,音が近い印象です。音が遠いスピーカーだと音量を上げざるを得ないのですが,そうするとハウリングマージンが低下します。
無理に音量を上げることなく,EQも100と125Hzを1,2dBほとカットして終了です。素直なサイドモニターの出来上がりです。
この後コンソールに戻ってびっくりしたのがART712の音の直進性,というか位相の良さです。モニター回線の最終確認をした時にシモテS/Fを出したらFoH Rの少し外から壁面に反射した音が綺麗に聞こえます。「上げていなかったはず」と,MasterのFaderを確認してしまいました。
試しにS/Fを両方鳴らしたら壁から綺麗に反射音が聞こえます。流石に笑えないので位置を調整し角度を少し変えましたが,712(というかART7シリーズ)の基本性能の高さを垣間見た気がしました。
As Front Speakers
さて,デモの対象として,ART 315-A MK IIIと同じタイミングで試してみました。
ART 315-A MK IIIと比較すると,やはり音が近い印象です。劇的に違うということはありませんが,比べるとよくわかります。あと,中域のレスポンスがART 315-A MK IIIとくらべてよいです。Spec上はさほど変わりませんが聴覚上の印象としてはだいぶ違います。シリーズの差ということもあると思いますが,12インチと15インチの差というほうがしっくりきます。
途中は少し省きますが,バンド演奏で比較した印象はART 315-A MK IIIと比べてやはり中域の解像度が高い印象です。ただ,相対的に低域の伸びがおとなしくなるので同価格帯比較としてでART 315-A MK III vs. ART 712-A MK IIとなった時には悩みそうな気がします。
また音の解像度が高い分,演奏している側としてはやったことがちゃんと反映されている,というコメントを頂きました。Opeの印象としても同じでFader操作の感覚がシビアになる,という部分は有ると思います。優秀なスピーカーである証拠ですね。
Afterwords
会場のサイズなどにも依存すると思いますので一般論ではありませんが,Sid Fillに12インチのスピーカーをよく使用する僕としては非常に優秀なスピーカーという印象です。
バースペースでちょっとしたLive,という時などにも使いやすい1台だと思います。
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checker:Takumi Otani
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