QSC
GX7
今回のレビューはパワーアンプです。ミキサーから奥られてきた信号をスピーカーを駆動することができるまでに増幅する機材ですが,最終的な音質に大きく影響する部分です。もちろんスピーカーやミキサー,マイクもそうですが,消費電力が大きい部分なためか「馴染みのない人にはあまり,その変化がわからない」というレベルではなくパワーアンプを交換すると「ヘー,結構変わるねー」という位,明らかに変わります。
QSCのリーズナブルはGXシリーズの最上位機種ではありますが,中身は電源回路などを含めPLXシリーズのテクノロジーが詰まっているとのこと。楽しみですね。早速見ていきましょう。
Product Overview of GX7
フロントパネル,リアパネルはGXシリーズと大きく変更はありません。
嬉しいのは重量が軽くなっていること。スイッチング電源の採用の恩恵ですね。「重たいアンプはいい音がする」と言われたのはもう過去のことですね(正確には対偶は「音の悪いアンプは重量が軽い」ですが)。
さてスペックと参りましょう
- 定格出力(ステレオ,1kHz、クリップ0.1%)
- 725W×2ch(8Ω)
- 1000W×2ch(4Ω)
- 歪率(定格出力-1dB、20Hz-20kHz)
- 0.05%未満(8Ω)
- 0.1%未満(4Ω)
- 周波数特性
- 20Hz-20kHz
- ダイナミックヘッドルーム(4Ω)
- 2dB
- チャンネルセパレーション
- >68dB@1kHz
- ダンピングファクター
- 100
- 出力回路
- H級(2ステップ)
- 入力感度
- 1.2 Vrms
- 電圧ゲイン(8Ω)
- 36.1db
- 入力インピーダンス
- 20kΩ以上(平衡・不平衡とも)
- 最大入力レベル
- 16Vrms(+24 dBu)
- 入力コネクター
- XLR3-31相当,1/4"TRS,RCAピン
- 出力コネクター
- Neutrik Speakon Combo™/5WAYバインディングポスト
- 電源
- 公称100VAC 50/60Hz 11.5A
- 外形寸法
- 483Wx257Dx89mmH
- 重量
- 7.7kg
Dfがちょっと低い気もしますが,どうでしょう。価格などの観点からだと仕方ないのかもしれません。
やはり重量のアドバンテージは大きいですね。Power AmpってSRではどうしても台数が必要になります。FoHだとBi-mpやTri-Amp,Subの追加などActiveSpが増えてきたとはいえ,全てはありませんし,弊社にも,汎用アンプで使用できるSpが多く存在します。その時に音も出力も同じなら軽いアンプを選びたいのが正直なところです。スイッチング電源ですから電力もさほどくいません。
Sound Impression of GX7
PowerAmpですので普通にスピーカー鳴らして「いい音するねー」ではダメかなと思い,ちょうど野外の現場かあったのでそちらに持ち込んでF/Bの回線に使用してみました。
SpはE/V Sx300です。新しいということもあり,更にQSCのアメリカンなしゃきっとした音が聞こえてきます。
GX7は725W×2ch(8Ω)なので、さすがにVolをフルにするとSXが悲鳴を上げます。そしてそのあと音が出なくなります(苦笑)。
725W×2ch(8Ω)のアンプを300W相当で使うには-3.8dBほどです。
GX7のツマミを-4dBに設定して作業を進めていきます。
作業、つまりモニターのチューニングを進めていくわけですが,いつもとは異なった感じのEqualisingになります。普段あまり気にしませんがやはりアンプ,大事ですね。
いつもと違った感じ,とはいえ,やりにくいわけではなく,そうですね。GtでいうとGibson LesPaulとFender Storatocasterのおいしい所が異なる,という感じのイメージです。
高域のしゃきっと感,が使用時間と共に落ち着いてくれば更に使いやすくなるでしょう。
イベント終了後、出演者さんからいろいろお礼を言われたので(さすがに「サイドフィル最高っす!」とは言われませんでしたが)、S/Fも含めて良かったのだとおもいます。
Afterwords
この軽さでこの出力のアンプが9万円を切るのですからいい時代ですね。ちょっとナンセンスな計算ですですが,1ch1Wあたり\44-くらいです。ガリガリ君より安いです(笑)
SRの現場のみならず,3種類の入力端子の形状(XLR3-31相当,1/4"TRS,RCAピン)を搭載していますので店舗などの使用にも良いと思います。
上を見たら結構キリの無いカテゴリーですが,用途にうまくあったシステムを構築していきたいですね