Pre Sonus
EUREKA

さてさて今回も機材レビューはPre SonusのEUREKAです。Presonusが発売したチャンネルストリップです。どんな音なのでしょう

Product Overview of EUREKA

EUREKAというのは確かアルキメデスが浮力の原理を発見したときに叫んだ言葉ですね。
そんなウンチクはおいておいて、コレはディスクリートHA+Compressor+3Band full-parametoric EQを搭載した、チャンネルストリップです。
左から順番につまみが並んでいます。
HA部にはPreSonusのお家芸真空管シミュレータのつまみも。
特に目新しいことはないのですが、"Impedance"というつまみが目を引きます。
50/150/600/1500/2500と入力インピーダンスを変更可能です。
インピーダンスというと交流回路では必ず出てくるパラメータですね。スピーカーでもおなじみです。
インピーダンスとは端的に言うと、「交流回路における交流電圧と交流電流の比」ということになるのですが、コレでは専門家しかわからないでしょう。
詳細は他のページに譲りますが、インピーダンスのマッチングが崩れると音やせや機材の破損などを招きます。
機材にはそれぞれ適正なインピーダンスというのがあります。もちろんマイクもです。ヴェロシティマイクとムーヴィングコイルマイクでは異なります。それを適正な値にしてやることにより、マイクの性能の100%を引き出してやろうというものです。

また、インピーダンスを切り替えることにより、音質に変化が出ますので、ベーシックな音作り、というか音質の方向性("高域" >"低域"なのか"高域" < "低域"なのか)を決めることが可能です。

その右はコンプレッサーのセクションです。チャンネルストリップだとアタックリリースが固定か、"Fast","SLOW"からしか選べないものが多い中、EUREKAは連続可変です。いろいろなソースに対して有効でしょう。

VUを挟んでさらにその右には3バンドフルパラメトリックEQのセクションがあります。各周波数帯は

となっておりすべて10dBのCut/Boostが可能です。

センターのVUはGRにも切り替え可能です。

Sound Impression of EUREKA

さて実際の音ですが、若干太めな感じの音質です。ヌケが悪いという感じはあまりしません。ちなみにZ=600Ωでの印象です。
インピーダンスを切り替えていってみましょう。面白いように音が変わります。
コシのあるしっかりした音から、ローファイな音まで、EQなどとはまったく異なった効果です。
EQ,コンプと組み合わせて多彩な音を作り出すことが可能です。
このインピーダンスが可変HAが搭載されているモデルは少ないですね。ARTのHAにも可変Zがあったように記憶していますが、それくらいでしょうか?
こういったところにも、録音業界のユーザーの多様化の一部を見ることが出来ますね。
HAの音もコシがあってしっかり前に出てきます。

コンプはあまりがっしり叩き潰す、という感じですはなく深くかけてもあまりおかしくなるようなことはないように感じます。効きが悪いのではなく、奥に引っ込まないからそう感じるのかもしれません。FETなので比較的早いアタックにも対応出来ます。

EQですが、10dBのレンジなのですが、意外と効きます。確かに周波数をきちんと見つけることができれば、大きくいじることは録音の段階では少ないのかもしれません。太い感じの音質もこのEQでサラサラした感じにすることも可能です。

Afterwords

EUREKAで作った音を、ロスなくデジタルに変換するためにオプションですがADコンバータもあります。AES/EBUとS/P DIF(Coaxial)の出力が可能で、サンプリングFsは44.1,48,88.2,96,176.4,192kHz対応していますし、もちろんWordclock端子もIn/Out両方搭載しています。
Channel Stripという機材は何かとなじみが少ないのかもしれませんが、一台あると何かと使える便利なものです。一台いかがですか??

Pre Sonus,EUREKA

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