いまさらの感もありますが,ポータブルレコーダー比較です。2006年あたりからだったと思いますが,マイク搭載型のポータブルレコーダーが出現し,スタジオでのリハーサルやライブハウスでの演奏者チェックなどの目的で浸透して言った記憶があります。
様々なメーカーがいろいろ独自の機能をもって発表していますので「あちらでできて,こちらではできない」といったこともあります。現存する全機種をチェック,というわけではありませんが弊社で取り扱える製品を基本に性能を見ていきたいと思います。
さて,"Portable"をどう解釈したものかと思いますが,ここでは
電源ケーブル,アダプターから解放されてバッテリーや電池である程度の時間使用可能なレコーダー
というふうにしました。別にSONY PCM3348(W900×H1040×D720mm 重量は200Kg以上)だって「移動は可能な」(=portable)レコーダーですから(苦笑)。
昔SSLのエンジニアさんと話していて,「スティングがもってるポータブルSSLがありますよね?」と言う話題が出て「ポータブル....?まぁそうですね」と苦笑いした記憶があるので。
さて,早速見てきましょう。
写真などクリックしていただけると製品ページにジャンプします。
※ここに記載の情報はメーカーの製品更新などにより最新ではなくなる場合がございます。念のためメーカーサイトにて最新情報をご確認ください。
Synthやスタジオレコーダーなどを製造していたメーカーだけに安心がもてます。ALESIS adat HDは弊社録音セクションの出張録音用標準機でもあります。
タイミングとしてはやや出遅れた感じもありますが,iPodに装着してiPodをポータブルレコーダーに変えるProTrackを製造したりと面白いアイデアを持っているメーカーですね。Synthはいかにも派手はアメリカ人が作りましたと言う感じの,国内では聞けない感じの音ですが,レコーダーはそうではありません。しっかりした優秀なレコーダーですので安心の1台かともいます。
4基のマイクを搭載し,2つを使用したステレオ録音,4つを使用した無指向性録音など用途に合わせて使える,役立つアイデアが入っていますし,チューナーも搭載しています
以前製品レビューでも取り上げたので御覧頂いた方もいらっしゃるかもしれません。
あの時は主に本体のスペックに終始したのでマイクのことは触れていませんでした。音質詳細はMR-1製品レビューを見ていただくとして,マイクについて触れていきたいと思います。
他の製品のマイクと比べると非常に高域が派手に収録できます。あまりマイクを使用しないので新しいから,とかそういうレベルの音ではなく,高域がシャリシャリと言う印象です。
僕はMR-1を愛用していますが,その理由は入力がバランスで入るから,というのが一番大きな理由です。ですのでラインを録音する方にはDSDも使えるので非常におすすめですが,マイク録音がメインと言う方にはちょっと...と言う部分があります。ただ変換ケーブルを用意出来ればお手元のマイクも使用できるのでそういう意味では逆にフレキシビリティは高いと言えます。
上記MR-1の後継機種です。マイクが一体化され,さらに外部MICにも対応しているのでMR-1よりも手軽な録音が可能です。ただLINE/MICともにアンバランスなのでそこが注意でしょうか。記録メディアをHDからカードにしたことが連続駆動時間の長時間化,ノイズの低減に貢献しています。
「『あんばらんす』」ってなんだ?」という方にはMR-2の方がむいていと思います。
マイクの角度は上下に210度可変ですので,音源をねらうのは簡単でしょう。
コントロールもMR-1より使い勝手がよくなっている気がします。
こちらはMRシリーズとは異なり,ギタリスト向けのレコーダーです。リズムパターンやメトロノーム,Gt inを搭載しています。
また本機最大の特徴は多重録音が可能なこと。通常の多重録音とはことなり,全ての録音が重なった多重録音ファイル1個と,各録音が別々になったトラック・ファイルを生成します。
出先でアレンジを考えたり,それをそのままDAWに流しこむことも可能です
手軽にCDを作成すると言う事を目的に作られたポータブルレコーダーです。PCとの連動やハイレートの収録はできない代わりに本体のみで簡単にCD-R制作が可能です。
ブラスバンドの練習やピアノの教室などPCを立ち上げるのが....という方に好評です。
Roland R-09の後継機種にあたる商品です。手軽に録音集中するため録音レベルの自動調整機能や、録音開始ボタンを押した2秒前からの記録が可能な「プリレコーディング」機能も搭載。録音を開始するタイミングが難しい音源も、録り逃すことなく録音することができます。
ディスプレイが日本語に対応。年配の方がよくおっしゃる「日本語で操作できるものないかなぁ」にも対応です。
どんどん改良を重ねてファームウェアはVer3.0!日本語表示にも対応し本体のみで様々な編集が可能になりました。アナログリミッターやAGC(=Auto Gain Control)機能を搭載しています。
Cakewalk Audio Creator LEも付属していますのでPCで編集して保存することも可能。
練習の最後のテイクを保存しておけば,どんどん上手くなっている自分を実感できます。
ここに掲載した製品群の中で「ポータブルレコーダー」というイメージから一番遠い製品のだと思います。開発のコンセプトがロケなどに持って行って使えるポータブルレコーダー
となりますのでRolandのRシリーズと趣が大きく異なります。
ただ,マイクとラインを独立で4ch同時に収録できるアドバンテージがありますのでLIVEでラインとMicを同時に収録しておく
というようなことにも柔軟に対応できます。
やや業務機という値段と面持ちですが,Gainが独立でコントロールできるなど細かい配慮もバッチリです。S/P DIF入出力も装備しています。
上記R-4をよりコンパクトにした製品です。記録メディアをHDからSDHCにすることによりダウンサイジングを実現しています。R-44を2台つなげて8Trの同時収録も可能です。S/P DIF入出力も装備しています。
またアンバランスながらマルチ出力にも対応しています。
上記R-4にAES/EBUの端子が増設され,サンプリングレートも192kHz(192kHzは2ch)まで対応。さらにSMPTEの同期にも対応していますので映像との連携もシームレスです。その名のとおりR-4の業務バージョンです。
TEACといえば結構ご存じの方も多いかもしれませんがTASCAMというと「?」の方が少なくない印象があります。業務機を主に扱ってきたブランドだから仕方ないのかもしれません。そのTASCAMから発売されているレコーダーです。
X-Y方式のマイキングとA-B方式のマイキングが簡単に切り替えることが可能で,会議録音にも適しています。A-B方式の時に専用のウィンドスクリーンを付けると,某アミューズメントパークのマスコットみたいになりキュートです(いや,むしろトッポジ◯ジョか)。
TASACAMのポータブルレコーダー DRシリーズのフラッグシップモデルです。+48V供給可能なXLR端子を搭載していることからも業務での使用が考えられている印象があります。
また専用リチウムイオン充電池と単3形電池のデュアルバッテリーシステムによって長時間の録音や動作中の電池交換が可能です。長時間録音の際に不安になる「バッテリー継続時間」がスマートなアイデアで解消されています。
長年業務機を製造しており,レコーダーも多く製造してきたメーカーですので技術力は安心です。しかも録音に不慣れな方の最大のハードルと言ってもいい「録音レベルの設定」がユニークなアイデアで解消されています。
そのアイデアとは「デュアル録音機能」
ユーザーが設定したレ ベルに加えて6dBレベルを下げた録音を同時に行うことができます。たとえ自分が設定したレベルの録音が歪んでいたとしても,もう一つの録音で 歪んでいない録音を確保することができます。
またオーバーダビングも可能です。
DRシリーズではなく,GTシリーズです。96kHzの録音ができなくなっていますが,リズムマシンやエフェクトを搭載。再生スピードの変更も可能ですので,レコーダーという観点のみならず,トレーナーという側面を持っています。テンションの上がる赤いボディも魅力のひとつでしょうか
コンパクトでポータブルシリーズ最軽量(20110123現在)です。そのサイズと軽さゆえ,試作機をスタッフがポケットにいれて壊してしまったこともあるとかないとか(ジーンズの後ろポケットにいれていて入っているの気づかずに座って折れたらしいです)。
本体が直接PCに刺さりますのでUSBケーブル紛失の心配もありませんし,やはり小さいので録音時にレコーダーを意識しなくてすみます。
そのサイズながら音質はさすがにヤマハといったところでしょうか
CUBASEが付属するのも大きなポイントです。
POCKETRAK C24の上位機種です。リモコンも搭載しているのでRecを押してよっこらしょ,ということもありません。長時間録音(WAVで最長38時間ほど)も大きな魅力ですね。
H4→H2→H1とどんどん小さく軽量になってきています。この進化はやはりポータブルレコーダーがより身近になっていることの証明でしょうか。
(上位機種と比べて)ポータブルレコーダーとしての最小限の機能に絞ったH1はシンプルな操作で録音が可能です。またH4の時からこだわり続けている位相差を最小限に食い止めるXY方式のマイクも健在です。
つくば店ではコードネーム「髭剃り」と呼ばれていた製品です(笑)。フロントとリアに異なる角度でマイクを配置し,ナローな音像(指向角90度)からワイドな音像(指向角120度)まで幅広く対応します。
両方を同時に使うことにより,無指向性のレコーダーとして使用することも可能です。
さらにUSBでPCと接続すればマイク一体型のインターフェイスとしても使用可能です。
今でこそH1がありますが,発売当時はH4(弊社コードネーム「スタンガン」)と比べて非常に小さかったこと覚えています。
ハンディレコーダーとして最初期のH4の後継機種です。サイズは「手のひらサイズ」とは言いがたいながらも4tr同時録音ができるなど他の製品と比べてアドバンテージが大きいのも事実です。
録音の対象に合わせてマイクの指向性が切り替えられるなど後継機種ならではの工夫も魅力です。
ちょっと違うのかもしれませんが,発売元はZOOMですし,音声用ハンディとしても使えるのでまぁいいかなと(w。
Broadcast YourselfでおなじみにYou-TUBEへのULが簡単に行えるQ3のHD Versionです。
音のみならず,動画にて姿勢なども確認できるので弊社スクールの講師にも人気です。
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checker:Takumi Otani