Placid Audio
COPPERPHONE
今回見ていくのはマイクです。発売の知らせを聞いたのは半年くらい前だったでしょうか。「面白いもん作るなー」という感じの印象でした。早く発音するとコパトーンに聞こえそうな製品名です。
早速見ていきましょう。
Product Overview of COPPERPHONE
届いた本体は,思っていたよりも大きく重たかったです。直径3,4センチくらいかなーと思っていたので一回り大きい印象を受けます。重量も約790gと重めです。参考までにSHURE SM58が310g,U87Aiが500gです。
ボディはその名の通り銅(=COPPERP)に輝いています。
一番笑える(?)のは周波数特性でしょうか。Frequency Response: 200Hz – 3kHz
とありますが,最初は20Hz – 30kHz
の誤植かと思いました。
このことからも本機が決して万能ではないということがわかってもらえると思いますが,この手の強力な個性を持つ製品はハマると強い
という側面を持ち合わせています。
無難に収録しておいて後から変えていく,のではなく腹をくくってその音を使う,という潔さが必要かもしれません。不安であれば別にコンデンサーマイクを立てればいいだけのことです。
Sound Impression of COPPERPHONE
ざっくりセッティングして,Gainを調節しVolを上げた時には思わず笑ってしまいました。代理店ページにサンプルも有りますので聞いていただくのが早いと思いますが,僕の印象は「どこかにCosmonaut Voiceインサートしたっけ?」というものです。もしくはPink FloydのWish you were hereのイントロの音,というと伝わりますでしょうか。ざっくり言うとラジオサウンド/トランシーバーの音ですね。
機材を接続して,最初にこの音がしたら,間違いなく「どこか壊れている」というジャッジが下されそうです。たまたま試聴にきたスタッフも「これ,マイク,壊れてるんじゃないんですよね??こういうマイクなんですよね???」と不思議そうに訊いてきました。
さて,こう使うと良いですよ。というのはパッツかびませんが,ミッドレンジ系の楽器に向いているでしょう。ギターや声,管楽器などです。
ハマる楽器を求めて声はもちろん,Gt,Dsなど試してみましたが,なかなかこれ!というのはありません。冷静に考えてみると,こういった過剰にエフェクティブなものは通常使うものではないので普通に探しても難しいと気付きました。
Dsを1176でおもいっきり潰す,という処理はいたるところでハマるものではないのと同じでしょう。
ただ,このマイクの音を追加でブレンドすると独特の世界観が出来上がる,というのは一つ有ると思います。それはDs,Gt,Vocal,Pfあらゆる楽器に言えると思います。
Afterwords
DAW上だとあまりトラックの制限を気にしなくて良いと思いますし,とりあえず立てておいて,合わなければMuteする,というのでもありだと思います。
ただ,使いどころを選ぶ,というか「どこに使えば効果的か」というマイクアレンジの基本に立ち返らせてくるきっかけになるマイクだと思います。
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checker:Takumi Otani
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