Phoenix Audio
Nice DI
今回はDIです。僕の記憶が正しければDIレビューはRadialJDI mk 3ですかね。投稿日を見ると2007年!うーん,あっという間のような気がしますが,長い期間書かいてきたのですねぇ(しみじみ)
さて,今回のDIはPhoenix Audioという最近日本に上陸したブランドで,主にRec向けStudio Equipmentが主力製品のブランドです。
弊社 録音スタジオAnnexRecにDIが欲しいなーと思っていたところだったので,これぞ渡りに船!早速チェックしていきます。
Product Overview of Nice DI
サイズは1U高のハーフラックサイズです。Nice DI Class A Stereo DIとあります。期待できますね。Input Zは10Mオーム!AC駆動のDIAVALON DESIGN U5のInput-Zが3Mオームですからその3倍ですね。
Focusrite ISA430のHAがInput-Zが切り替えできるのですが,EQでは生み出せない絶妙な音質変化があります。基本的に入力インピーダンスが増加するにつれすっきりした音になっていき,出力側の機材の性能をより引き出せるようになります。
期待の音質は後ほど...。
端子類はシンプルで,FrontにinputとPara Output,背面にXLR出力とIECインレットがあります。FrontのノブはGainでGain Rangeは30dBあります。周波数特性は20Hz to 20Khz +/- 0.5dB,最大出力は+26dBu @ 1kHzと充分です。Output Impedanceは600ΩですのでLine Inputにつなぐのが良いでしょう。最近はInput Zの高いHAのもありますのでレベルの問題が解決するのであればMic Inputもありだと思います。
GAIN ノブは連続可変でクリックなどはありません。簡単にくるくる回るような重さのポットでは無いのですが,個人的にはリコール性や安全性(Playerの近くに置きますのでちょっと当たってしまった,みたいなことを防ぐ)を考えるとクリック式のほうがありがたかったですね。将来的なマイナーチェンジで対応してくれるかもしれません。
Sound Impression of Nice DI
今回は録音の時にシンセにつないで試してみました。
シンセ→Nice DI→AD Comverterと接続しました。前述のとおり600Ωの出力Zを持っているので問題無いとの判断の元です。
電源ケーブルをつないで初めて気が付きました。Active DIですが,インジケーターの類がありません。音が出て初めて「ああ,OKOK」となるのですが,トラブルの時に「DI以前なのか以降なのか」がチェックできるインジケータはあったら親切かな,と思いました。
その見た目から「ゴリ」っとした感じの音かと思っていたのですが,素直な音質です。アメリカンというよりはブリティッシュな印象がありますが,「ガチでイギリス!!」という感じではありません。
インピーダンスのせいで高域まで延びているおかげか,音は前に出てくる印象です。何が違うわけでも無いのですが,ちゃんと定位している,という感じでしょうか。にじませたく無いラインソースを録音したい時にはベストなDIの一つと言えるかもしれません。非常に好印象です。
EQで高域を派手にブーストしてみましたが,ノイジーにならず,きっちり音に変化が見られます。
実音がしっかり録音できているのでしょう。世にある機材が全てこうならいいのになぁ,とおもいます。
Afterwords
今回ベースやギターが試せなかったが残念です。
1chあたりの値段で考えると3万円弱,高いかどうか絶妙なラインですが今お使いのインターフェイスのInst inputが「なんだかなー」と感じている方,DAW上でEQなどをかけまくっている方,ぜひ一度試してみていただきたいDIです。
実音がかっちりする,ということを実感できると思います。Annex Recの備品としても導入したいDIの一つですね。