PMC
twotwo.5
今回HibinoのI藤さんからご紹介いただたPMC Studio Monitorシリーズのtwotwo.5を試聴する機会を得ました。
PMCは以前NAMM Showで聞いて気になっていたのです。その時試聴したのは確かDB1S-A IIだったかと思いましたが,非常に優れた音質だったのを覚えています。早速見て行きましょうか
Product Overview of twotwo.5
PMCはProfessional Monitor Companyの略でUKのブランドです、BBCやLondon Metropolis Studioにも数多く導入されている完全業務機ですが最近コンシューマ機(というよりはニアフィールド)も積極的にリリースしています。
twotwo.5はStudio Monitorシリーズの一番コンパクトモデルで、他にtwotwo.8,twotwo.6があります、PMC Studio Monitorシリーズのくくりが非常に大きい(=ほぼ業務機全般)のでその中のtwotwoシリーズという解釈が一般の感覚に近いでしょうか
スペックと参りましょうか
- 周波数特性
- 50Hz ... 25kHz
- クロスオーバー周波数
- 1.8kHz
- パワーアンプ入力
- LF:150Wrms
- HF:50Wrms
- 最大音圧
- 111dB@1m
- コントローラー
- LF Shelf:±4dB@750Hz
- HF Shelf:±4dB@1kHz
- LF-Roll-Off:6dB/oct(50/80/120/150/200Hz)
- ドライバ構成
- LF:140mm(5.5インチ)
- HF:27mmソフトドーム
- 入力コネクター
- XLR(バランス)、RCA/フォンンバランス)、AES
- 入力感度
- +4 ... +20 dBu調整可能
- 電源
- 100V、IECコネクター
- 消費電力
- 200W
- 寸法(W×H×D)
- 155x 296 x 295mm
- 質量
- 5.4kg
- ATL™
- 1.5m
最後にありますATL™ですがAdvanced Transmission Lineの略でPMCの代名詞ともいうべきエンクロージャー構造技術です。周波数レスポンスはボリュームに関わらず一定を保ちます。
ATL™の長さは最低周波数の波長の1/4の長さが採用とされるそうです。
縦置き横置きどちらも対応しており、アナログ入力のほか最高192kHzまでのデジタル入力にも対応しています。
見た目通りの重量です。
DSPではLevel管理/HF Shlving/LF Shelvingなどの設定が行えます。今回は特に細かい設定はせず、DSPはバイパス状態です。
Sound Impression of twotwo.5
さて、実際の試聴に参りましょうか。場所を我らがHome Annex Recに移しての試聴です。
ADAM A7の横にインシュレーターを用いて設置してみました。価格差5倍位でしょうか。
まずCDを使用してのReference Sourceを用いてのチェックです。仕上がった音源がどのように鳴るか,と聞いています。
スピーカーをADAM A7と替えた時に聴感レベルが同じになるようにレベルを設定し、いざ!
くっきりした良い音です。ラジカセの様な大味感がなく細部まで判断できます。さすがStudio Monitorシリーズに名を連ねているだけのことはあります。
ダイナミクスの再現性、言うこととなしです。ざっくりミックスにトータルコンプを深めにかけた時のヴォーカルが揺れる感じなどもきちんと見えます。
ADAM A7が若干おとなしめなモニター、と言う部分があるとしても,比較して、twotwo.5の音は「テンションが高まる感じの音」と表現してよいかと思います。
音が作られている印象が皆無、かといえばそうでも無い印象ですが、これがPMCの音なのでしょうか。以前聞いたことのあるTB2S-A IIと同じ印象を受けました。また,優秀なスタジオモニターに共通した解像度、定位,奥行き感などどれをとっても優秀なポイントをたたき入しています。味付けの程度でいえばADAMが塩味だとすれば、PMCは醤油くらいでしょうか。
さて、つい先日録音したマルチトラックソースがありますので今度はそちらを試聴することにしました。
「未処理のソースに対して変な色付けがなく録音スタジオのPlay Roomの環墁が見えるか?」とハードルが高めでの試聴です。
くっきりした音は健在ながらも,素材の音をきちんと反映しています。ダイナミクスの感じわかりやすく定位も非常に分かりやすいです。
あえて言うならRevの長さがA7より長く感じました。これは以前、他のスピーカーの試聴でも感じましたので、設置場所の違いかもしれません。
さすがにBottom-endは見えませんがこれはサイズの観点から仕方ありません。
Monitor Levelのノブを大きめにしてみましたが,特にパワーに関して不足感はありません。あえて言うなら「アコギを録音してる時にスタジオのドアが閉まって物騒な低音が入た時」にはまずそうかな、という印象です。NS-10Mはそれでよく壊れたそそうです。
今回はスペースの問題で縦置きでの試聴となりましたが,製品のロゴからもわかる通り縦横どちらも対応しています。
Afterwords
価格としては非常に高価ですが、間違いなく良いモニターと言えます。ラージを多く生産してきた会社ならではの整った音を是非体験してください。