Mojave Audio
MA-50
今回見ていくのはコンデンサーマイク,Majave Audio MA-50です。サイドアドレス ラージダイアフラムマイクなのですが,更にはトランスレス,ということです。すべてのマイクの中を覗いたことがあるわけではないのですが,結構少数派ではないかと思います。AKG C414 XLS,MICROTECH GEFELLのマイクの一部くらいしか思い浮かびません。
どんな音なのか早速見て(聴いて)いきましょう(H谷さんいつもありがとうございます!)。
Product Overview of MA-50
届いたデモ機をウキウキしながら開けると,MA-201 fetと同じく本体とサスペンションが付属しています。
Logo Plateがついており,MA-201 fetとは若干異なる雰囲気を出しています。
まずはスペックです。
- トランスデューサー・タイプ
- 圧力傾斜型
- ダイアフラム径
- 1インチ
- ダイアフラム厚
- 3ミクロン
- 指向性
- 単一指向性
- 周波数特性
- 20Hz - 20kHz、+3dB
- 感度(0dB=1V/pa)
- -40dB
- 最大音圧レベル
- 125dB SPL
- 歪み率
- <0.5%@140db SPL
- 等価雑音レベル
- 16dB
- インピーダンス
- 100Ω
- 推奨負荷インピーダンス
- 1500Ω
- 電源
- ファンタムDC48V
- サイズ
- H:194mm x W:51mm
- 重量
- 450g
ダイアフラムはMA-200及びMA-201 fetと同様のカプセルを搭載しているそうなのでMA-201 fetとくらべてみるのも面白そうです。
同社のMA-201 fetは僕にとっての無人島マイク(無人島に1本だけマイクを持って行くとしたら僕はこれを選びます。)でVocalやAcoustic Gtのファーストチョイスです。
MA-201 fetのスペックも記載しましょう。
- ダイアフラム
- 1インチ、3ミクロン・ゴールドラージダイアフラム
- 指向性
- カーディオイド
- 周波数特性
- 20Hz – 20kHz ±3dB
- 感度
- -39 dB re. 1V/pa
- 歪み率
- <1%@120dB SPL,<3%@134dB SPL
- セルフノイズ
- 14dB nominal, not to exceed 16dB (A weighted)
- インピーダンス
- 550Ω バランス
- 最大入力音圧
- 125dB SPL
- 電源
- 48vファンタム電源
- 付属品
- ハードケース、 ショックマウント
大きく異なるのはImpedanceでしょうか。感度,ノイズレベルはさほど変わりは有りません。
Sound Impression of MA-50
さて,実際の音です。まずはVocalです。マイクホルダーはEnhanced AudioのM600をホルダーとして使用しました。いつもMA-201 fetにも使用しているので公平なジャッジを行うためです。
Gainを調整してざっくりレベルを録り,Compを掛けての状態ですが,クリアでシャープな立ち上がりの印象です。Impedanceが低いという部分も影響してか高域のレスポンスが高めです。細いという感じではなく,しなやかに高域が伸びている,という感じです。ミッドレンジの存在感もしっかりしており,男性Vocal,女性Vocal違和感なく使用できます。
Eqのレスポンスも良く,好印象です。
同じボーカルで試したわけではないのですが、MA-201 fetとの印象ですとMA-201 fetの方が太めな印象です。
MA-201 fetの抜けが悪い、ということではなくPeak pointが少し違う、という印象です。
別のタイミングでアコギの弾き語りのseesionがあったのでそこでも試してみました。
比較対象に選んだのはもちろんC414B-XLSです。ただ,比較のためのsessionではなく,Rec sessionに使ってみた,という感じですので厳密にアコギから同じポジショニングでは有りません。
印象ベースのレビューとなりますが,ご容赦ください。
ちょっと話がそれますが,弾き語りのセッションの場合,Gtを録音してから歌の録音という事がほとんどだと思いますが,今回はリアルに弾き語りのRecording sessionです。マイキングなどかなり悩みましたが,結果的に「等身大の演奏」が収録できたのではないかと思っています。
でAKG C414B-XLSとMA-50をアコギに使用しました。
どちらもトランスレスですので音の傾向はなんとなく似ている気がします。あっさりしているという部分での共通点が多い印象です。MA-50のほうがすこしくっきりしている印象も受けます。良い悪いというよりは曲の雰囲気で使い分けて行ける感じです。
あえて言うのであれば,Backingのストローク,アルペジオはC414B-XLS,イントロや間奏の部分はMA-50のほうが向いているかな,というとその違いがなんとなくは伝わるでしょうか。
Afterwords
かなり好印象なマイクが出てきました、と言って良いでしょう。今回は試せませんでしたが、Pfもいい音で拾ってくれるでしょう。あとアンビエントとしても明るめの音を拾ってくれそうです。
トランスレスということで癖も少なめな印象です。重ねる楽器の数が多いセッションにはピッタリのマイクだと思います。
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