LAUTEN AUDIO
FC-357 Clarion
今回見ていくのはコンデンサーマイクです。知り合いのエンジニア(そうですね、KT君としておきましょう)から、クライアントが試したいと言っているのだが、と相談を受け日程を調整し、弊社ANNEX Recording Studioで試すことになりました。聞けばそのクライアントも結構機材好きとのこと。当日を楽しみにしていました。
ご自身所有のHAなどもお持ち込みいただき、環境にマッチしたベストチョイスをしていただくべくトライしました。
早速見ていきましょう。
Product Overview of FC-357 Clarion
しっかりしたケースの中にサスペンションとマイクが入った木箱が入っています。なかなかズシリとした重量感です。
Specと参りましょうか。
- 回路
- ソリッド・ステート低ノイズFET
- 種別
- 圧力傾度コンデンサー・マイク
- 指向性
- オムニ、カーディオイド、双指向性
- 周波数特性
- 25Hz ... 20kHz
- ダイナミック・レンジ
- 120dB以上
- インピーダンス
- < 200Ω
- Max. SPL
- 0.5% THD @ 1000Hz: 130dB
- セルフ・ノイズ・レベル
- < 15dB(A)
- 感度
- 16mV/Pa OR -36±2dB (0dB=1V/Pa 1000Hz)
- 端子
- 3ピン標準XLR
- 電源
- +48Vファンタム電源対応
- 寸法
- H: 197mm x W: 76mm
- 重量
- 約880g
- 保証
- 2年(ユーザー登録が必要です)
マイク本体に-10/0/+10dBの出力切り替えがあります。マイクに近いところで出力が切り替えることができるのはありがたいですね。
Sound Impression of FC-357 Clarion
さてまずはVocalに試していきました。
M600でホールドさせたかったのですが、M600では直径が適合しませんでした。M600-XLならば大丈夫だったでしょう。今回は専用のサスペンション使用してみての印象です。
「ちゃんとした音色を持っているマイクだな」、というのが僕の第一印象です。癖がある、というわけではありません。使いやすい音色という印象ですが、「どこかで聴いたことがある」、という感じではない、ということです。
その音色はやや地味かなという印象ですが、マイナスな印象ではありません。落ち着いた、シックというほうがより適しているかもしれません。質実剛健な感じ、真面目な音といってもいいでしょう。
アナログEQをかけてみたのですが、レスポンスよく反応してくれます。
Lauten Audioはモダンマイクに属するでしょうが、いわゆる高域が伸びた音とは異なります。その辺りが高解像度で真面目な音、と感じるのかもしれません(別に高域が伸びているマイクを不真面目だとは思いませんが)。
次にバスドラムのOffマイクに使用してみました。流石にAtt.=-10dBにしました。
収まりの良いKickの音が収録できます。じゃじゃ馬感はありません。EQ/Dynの反応も素直です。存在感もしっかりしており,Bassに埋もれるようなことはありません。
性能が低いマイクだと、SOLOで聴くと聞こえるけど、Mix中だとイマイチ存在感が薄れる、結果CompやEQなどで強引に処理しないといけない...。ただ、ノイズレベルが高いのでS/Nが悪くなってくる、みたいな後処理頼りなのに後処理で処理しきれない状況になってしまうことも(ちょっと極端ですが)。
FC-357に関しては流石にそんな心配は皆無ですね。
これは完全に僕の予想ですが、M600-XLを使用すればもう少し艶が出てくるんじゃないかと思います。
Afterwords
2台使用してのPfもいい仕事してくれそうです。あと無指向性にしてDs Recの際のRoom Micなどにもいいと思います。
真面目なマイクだけに融通は効きづらいかもしれませんが、確実な仕事をしてくれるマイクだと思います。
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checker:Takumi Otani
LAUTEN AUDIO,FC-357 Clarion
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