FMR Audio
RNP8380(EE)
今回見ていくのはHA、FMR Audio RNP8380(EE) です。GAP PRE-73Jrのデモの時のタイミングで同様に試してみました。
FMR AudioといえばRN(Really Nice)シリーズのRNC1773が有名な印象ですが、VPR AllianceのRNC500, RNLA500の他にもいろいろ本当に良い(=Really Nice)製品をリリースしています。今回はHAのRNP8380の両チャネルにJapan Onlyの改造を施したRNP8380(EE)を見ていきましょう。
Product Overview of RNP8380(EE)
序文(というほど大したものではありませんが)でJapan Onlyのmodifyと記載しましたが、RNP8380には
- RNP8380
- Original
- RNP8380(E)
- 片方のchをMod
- RNP8380(EE)
- 両方のchをMod
の3つが用意されています。
基本的なスペックは
- Gain Range
- 0-72dB
- Clipping Level
- +26dBu
- Noise: Equivalent Input Noise
- -120 dB (not a typo)
- Distortion
- Less than .0005% THD (again, not a typo)
- Size
- 1U 1/3 rack
です。1/3 rackというサイズに増幅段、+48V、Phase とHAの機能がコンパクトに配置され、Hi-Z inputも装備されています。
モディファイの内容ですが、倍音やパンチ感のあるオリジナルRNP8380のサウンドに対して、モディファイが施された(E)では、クリアーで伸びやかなモディファイサウンドが得られるとのことです。ですのでRNP8380(E)はデュアルモノラルでの使用が、RNP8380,RNP8380(EE)はデュアルモノラル、ステレオでの使用がおすすめです。
RNP8380(E)x2とRNP8380+RNP8380(EE)で得られる回路数は同じですが価格はRNP8380+RNP8380(EE)のほうが少し安価ですね。
RNP8380シリーズ(オリジナル、Ver.E, Ver.EEをまとめてこう表現します)は代理店のページにもある通りとバランスフォンケーブル1本でRNC1773,RNLA7239の1chへのInsert I/Oが可能です。
Sound Impression of RNP8380(EE)
デモの流れはGAP PRE-73Jrのレビューをご覧ください。いつも使っているポータブルなシステムをお持ちいただいて「いつものシステムにRNP8380(EE)を追加したらどうなるか」を見ていきました。
ベーシックなところが良いだろう、ということでKick、Snare、Vocal、Bass(as DI),Acoustic Gt,Vocalで試してみました。
GAP PRE-73 Jrと比較、という形になった訳ですがトータルな印象ですと、確かにCleanでSharpなHA
という印象です。くっきりとした立ち上がりで、そのまんま使っていける感じの音です。
特に良い印象なのはKick,Acoustic GtとVocalです。PRE-73 Jrより優れていた、という訳ではなく、違いがかわかりやすかった、と捉えてください。
誤解を招きかねないので、あくまで例ですが、ノーマルなアコギをGibsonっぽく聞かせたいのであればPRE-73, MartinぽくしたいのであればRNP8380(EE)という感じです。若しくは、アコギの演奏がストローク中心で力強く聞かせたいのであればPRE−73、アルペジオのレンジ感、高域弦のキラッとした感じを出したいのであればRNP8030(EE)というと少しはわかりやすくなるでしょうか。
Kickも差がありました。PRE-73がどっしり収録できる印象なのに対し、RNP8380(EE)はすでにEQしたかのような整い方でした。
Clipping Levelも+18dB以上なので安心して使えます。ただ、Boost気味に使うと、Output trimが無いのでおそらくAD段で歪んでしまうこともあると思います(程度問題ですが)。そういう意味でもRNP8380は適正なLevelで使用し、高解像度な信号をキャプチャーする、というコンセプトのHAだと思います。
Afterwords
個人的にあえて苦言を呈するのであれば、出力がXLRじゃないことでしょうか。ただ、ユーザー層などを考えるとむしろ正解な気もします。
今回いろいろ試しましたが、安価で良い音のする製品がどんどんリリースされているんだな、と思いました(RNPのリリースは結構前ですが)。
Stereo/Dual monoで使えるCleanなHAだと思います。皆さんのRecシステムへの導入、是非ともご検討ください。
お持ちのInterfaceにHAを接続する際にはくれぐれもLine Inputをご利用ください。たまに Mic inに接続している人がいますが、Impedanceのマッチングエラーを招く場合があり、芳しいとは言えません。そう考えるとXLR outで無いことが反って良い結果を生んでいるのかもしれません。
ご利用の際にはバランス接続のメリットを享受すべくTRS-XLRか1/4" Balanced-1/4" Balancedをご利用ください。
date:
checker:Takumi Otani
FMR Audio,RNP8380(EE)
ショップページへ