Electro-Voice
ZLX-12P
さて,今回試してみたのはE/V ZLXシリーズのパワードスピーカー ZLX-12Pです。
E/Vの営業さんに『さすがに上のモデルと比べると負けてる部分ありますが,価格を伝えると皆さん驚かれます』と伺っており楽しみでした。
そんな時ちょうど弊社の常連さんがモニターを探している,と。これぞ渡りに舟!早速デモ機をお持ちして一緒に試してみました....
Product Overview of ZLX-12P
まずは定番,スペックです。
- 使用用途
- 商業施設,ポータブルSRシステム
- 周波数特性(-3dB)
- 65Hz - 18kHz
- 周波数特性(-10dB)
- 50Hz - 20kHz
- 最大出力(SPL)
- 126dB
- 指向性
- 90°×60°
- アンプ最大出力
- 1000W
- 低域ユニット
- 12 インチ(30cm)ウーファー EVS-12K
- 高域ユニット
- DH-1K
- 入出力
- XLR / TRS コンボ・ジャック x2
- 3.5mm 入力 x1
- XLR リンク出力 x1
- 材質・仕上げ
- ポリプロピレン
- グリル
- 18GA スチール、黒パウダーコート塗装
- 寸法(H×W×D / mm)
- 610×356×356
- 本体重量
- 15.6kg
見た目通りの重さ,という感じです。パワードなので多少の重量があるのは仕方ないと思いますが,「えー」という重量ではありません。2個持つことも可能すが,重さと言うよりはサイズ的に少し持ちづらいかもしれません。
今回モニターということでZLX-12Pにしたのは
- パワードなので,スピーカーとアンプ部はベストマッチングになっている
- ミキサー/プロセッサーも搭載しているので設定が比較的楽
という部分を重要視してZLX-12ではなく,12Pにしました。15Pにしなかったのは御客さんの想定環境を伺ってそこまでは不必要であろう,と判断したからです。
搭載しているDSPの機能を簡単に紹介します。ZLXはポールマウント,フロアモニター,壁掛けの3種類の設置場所が想定されています。
[Location]という項目で上記3種類が選択可能です。[POLE](初期設定),[MONITOR],[BRACKET]で設定可能です。低域の回りこみなどがコントロールされているのでしょう。
また,[Mode]という項目で[MUSIC](初期設定),[LIVE],[SPEECH],[CLUB]が選べます。
他にも
- [TREBLE]
- -10dB ... +10dB(初期値=0dB)
- [BASS]
- -10dB ... +10dB(初期値=0dB)
- [SUB]
- OFF(初期値),80Hz HPF,100HPF,120HPF,ELX118P
なども設定可能です。
背面の入出力は既述なのでレイアウトを見て行きましょう。DSP Displayの横にDSPをコントロールするノブがあります。マスターボリュームも兼ねています。
入力端子の横にはレベルコントロールがあり -∞dBからマイクレベルにも対応するコントロールが可能です。
Sound Impression of ZLX-12P
さて音の部分に行きましょう。E/V社は自社でもDC-ONEやDx46といったプロセッサー,またTour Gradeシリーズ,CPシリーズといった優秀なパワーアンプを生産しています。
それらの一部が最適化されてZLXにも生かされているのでしょう。まぁ値段を考えると,DSPの性能はDx46同等,アンプ部はTG相当,ということはありえないと思いますが...
お客さんの練習場所に持ち込んでのデモです。
練習用FoHとしてBOSE L1が2本設置されています。その環境でやはり独立してモニターをコントロールしたいということでご相談頂いたわけです。
早速持ちこんでフロアモニターとして設置,MODEはMUSICのまま使用して行きました。
Graphic EQをお持ちなのでお借りして配線変更,簡単にハウリングカットを行い試して頂きました。
今まで聞きとりづらかった他の楽器の音も聞こえるようになり,自分の声もクリアに聞こえるようになったととのこと。めでたしめでたしです。
これで終わってしまうとモニター導入記になってしまうので音質,印象に移りたいと思います。
第一印象は「価格以上の音がする」ということ。非常にハンドリングしやすくEQのレスポンスも優秀です。
粗悪なスピーカーはEQのレスポンスが悪く,効きが悪く感じられますが,ZLX-12Pは全くそんなことはありません。
コンサート会場に持ち込んで使用してみましたが,さほどEQすることなく明瞭度の高いモニター環境が構築出来ました。御客さんも「やっぱり違うねー」とご満悦のご様子でした。
Afterwords
ちょっとしたイベントから,ある程度のLiveのFoHやモニターなどに非常にオススメできるスピーカーです。
つくば店,土浦店に展示してありますのでお気軽にご来店ください!
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checker:Takumi Otani