DPA Microphones
VO4099T
さて,DPA Microphones d:voteシリーズのReview完全制覇を目指しているわけですが今回は幸運にもVO4099Tを試す機会を得ました。
コレで6個目のReviewです。あと3つ!(VO4099C,VO4099S,VO4099P)
Product Overview of VO4099T
いよいよ記載しなくても良いのでは無いかと思いますが,d:voteシリーズのReviewはコレ(=VO4099T)が初めて,という方のために記載しておきます。
d:vote seriesはVO4099 Hi/4099Loのマイクにそれぞれの楽器に専用設計されたアタッチメントが付属します(DPA d:voteシリーズにリストで掲載してあります)。ですので基本的なスペックはほとんど同じです。
ですが既述の理由により念のため掲載します。
- 指向特性
- スーパーカーディオイド
- カートリッジ
- プリポラライズド・コンデンサー型
- 周波数レンジ(±2dB)
- 80Hz〜15kHz
- 感度(±3dB)
- -54 dB re 1V/Pa
- 等価雑音レベル(Aウェイト)
- 28 dB SPL
- 全高調波ひずみ(THD)
- 1%以下(123 dB SPL、ピーク)、1%以下(120 dB SPL、RMS)
- ダイナミックレンジ(代表値)
- 95 dB
- 最大音圧レベル
- 152 dB SPL
- 出力インピーダンス
- 30〜40Ω(MicroDot)、100Ω(DAD4099またはDAD6001BC)
- ケーブル引き伸ばし可能距離
- 最大300m
- 電源
- ワイヤレスシステム:5V〜50V(DPAアダプター)
ファンタムDC48V±4V(DAD4099またはDAD6001BC) - コネクター
- MicroDot
- 寸法、質量
- 全長45mm、31g
- グースネック長
- 140mm
- ケーブル長
- 1.8m
- 付属品
- サックス/トランペット用クリップ(STC4099)×1
- MicroDot→XLR3ピン変換コネクター(DAD4099)×1
VO4099Tのマイクは4099Loです。
Sound Impression of VO4099T
今回は野外のイベントで通常のバンド編成+Vn+Tp+Saxという編成でした。
スタンドに取り付けたマイクでも良かったのですが,せっかくなので使わせてもらうことにしました。
Vnは今回はエレキバイオリンでした。一応VO4099Vは用意してあったのですが,高価な楽器を野外で使いたく無い,という部分と多少のエフェクトをかけたい,という部分からの判断のようです。
さて,出演者さんにマイクのことを説明し,一旦取り付けてみます。STC4099を使うので簡単です。MicroDot→XLR3ピン変換コネクターはDAD6001BCを使用しました。
今回は野外でしたのでRycote社のWindjammerDPA 4099 Mini Windjammerも用意してのstageです。
4099の本体をお見せした時の皆さんのレスポンスも大体同じです。「えー,こんなんあるんですねー!?」アコースティック楽器の方はやはりなかなかマイクなどを使う機会が少ないのでしょう。「便利なんすよー。」とコミュニケーションの一助にもなります。その方は「吹いていないとバレるなー」と冗談交じりにおっしゃっていました。
リハになって,装着しSound checkです。音を頂いたのですが,演奏の姿勢に関係なく同じマイキングで音が入ってくる,というコンタクトマイクのアドバンテージは健在です。
また,マイクの場所,楽器本体の特性もあるでしょうが,さほど耳に痛い音ではありませんでした。Tpの音,というとTbに比べて鋭い印象があるのですが,結構マイルドです。Windjammerの影響もあるかもしれません。
やはり,マイキングというのは非常に重要で,DsやE.Gtであればさほど影響ないでしょうが,Voや管楽器のようにマイクスタンドでアプローチすると安定したマイキングが得られない場合にはd:voteシリーズを初めクリップマイクは非常に安定した音質を得ることができます。
Vocalに関してはまた,マイクハンドリングという言葉もあるので一概には言えませんが,Big BandのSoloなどでBellの中にマイクが入っているんじゃなかろうか,という位,近づく方もいらっしゃいます。
楽器演奏の方がマイキングに詳しくないのは当たり前で,その方にマイキングを意識した演奏を強いると,それによるストレスは少なからずあるでしょうし,「このへんのマイキングが良いな」という感覚はやはりエンジニア特有のものだと思います。
ちょっと話がそれましたね。楽器を持って演奏するスタイルの楽器はどうしても動いてしまうのが当然です。クリップも安定して装着できており不安なことはありませんでした。
そうそう,DPA 4099 Mini Windjammerもいい仕事していました。やはり上から被せるので高域は少しおとなしくなるのもしれませんが,それはEQで補正可能です。Vocalさんが持ち込んだWireless Micが風邪で時折ダースヴェイダーのように「ゴー」と言っていたのに対し4099Tからの信号にそういったノイズは皆無でした。
Afterwords
ここまで来ると「やっぱり良いな。」とd:voteシリーズ信頼をますます裏付けることしかありませんが,改めて良いマイクです。
気になる方はつくば店で視聴可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
date:
checker:Takumi Otani
DPA Microphones,VO4099Tショップページへ