DPA Microphones
4055 Kick Drum Microphone
今回見ていくのはKick用コンデンサーマイク DPA 4055です。
リリースが発表されたのは2022年の5,6月くらいだったように記憶していますが、実際に国内に流通し始めたのは少し後だったように記憶しています。リリースのニュースを聞いて、「お、ついにすべての楽器用のマイクが揃った!」と思ったのを覚えています。
早速見ていきましょう。
Product Overview of 4055 Kick Drum Microphone
Kick用のコンデンサーマイクはありそうでなかった感じな印象です。SHURE BETA 91, beyerdynamic TG D71 などは確かにKick用のコンデンサーマイクと言えばそうですが、Stand mount typeとなると、他にパッと浮かぶのは、Ehrlund Microphones EHR-Dくらいでしょうか。U 47 fetやRoswell Pro Audio Mini K47 KDもKick用と言えなくはないですが、Holeの中に突っ込めるかというとちょっと違うかなと。その意味ではaudio-technica AE2500は同じカテゴリーかもしれませんね。
CAD audioのequitek e100をKickによく使用していた時期もありましたが、これもKick用と謳われていた訳ではありませんでしたし、実際PfやBass amp.に使用しても良い結果を生んでくれます。
Kick用コンデンサーマイク、という観点から対抗馬として一番近いのはEarthworks DM6 KICK DRUM MICROPHONE,Ehrlund Microphones EHR-Dあたりででしょうか。
まずはSpecと参りましょうか。
Spec of 4055
- Directional pattern
- Open Cardioid
- Principle of operation
- Pressure gradient
- Cartridge type
- Pre-polarized condenser
- Frequency response
- 20 Hz ... 20 kHz
- Effective frequency range ±2 dB, at 20 cm (7.9 in)
- 40 Hz ... 18 kHz with a 6 dB soft boost at 10 kHz
- Sensitivity, nominal, ±2 dB at 1 kHz
- 2 mV/Pa; -54 dB re. 1 V/Pa
- Equivalent noise level, A-weighted
- Typ. 27 dB(A) re. 20 μPa (max. 29 dB(A))
- Equivalent noise level, ITU-R BS.468-4
- Typ. 39 dB (max. 41 dB)
- Distortion, THD < 1%
- 156dB SPL RMS, 159 dB SPL peak
- Dynamic range
- Typ. 132 dB
- Max. SPL, THD 10%
- 164 dB SPL peak
- Rated output impedance
- 380 Ω
- Minimum load impedance
- 2 kΩ
- Cable drive capability
- 100 m (328 ft)
- Output balance principle
- Impedance balancing with Active Drive
- Common mode rejection ratio (CMRR)
- > 55 dB
- Power supply (for full performance)
- P48 (Phantom Power)
- Current consumption
- 2.0 mA
- Connector
- XLR-3M. Pin 1: shield, Pin 2: signal + phase, Pin 3: - phase
- Color
- Matte black
- Weight
- 241 g (8.5 oz)
- Microphone diameter
- 57 mm (2.24 in)
- Capsule diameter
- 17 mm (0.67 in)
- Microphone length
- 132 mm (5.19 in)
- Maximum output voltage, RMS
- 9.75 V
- Polarity
- +V at pin 2 for positive sound pressure
- Temperature range
- -40℃ ... 45℃ (-40°F to 113°F)
- Relative humidity (RH)
- < 90%

DPAらしい、質実剛健なSpecですね。使用環境温度の下限が-40℃というのも流石です。そのような気温の中、マイクの動作はともかく演奏活動が可能か?という疑問も出てきますが、DPAのマイクを南極の音収録に使用していた写真を見たことがある筆者としてはさほど驚きませんでした。
周波数特性曲線がコンデンサーマイクらしく高域まで伸びています。10kHzあたりにPeakがあるのは嬉しいですね。感度はSHUREのSM58と同じくらいです。持ちづらいと思いますが、Vocal Micとしても使用できるかもしれません。
カートリッジはDPA(B&K)のお家芸、Pre-polarized condenserです。
指向性はOpen Cardioidですが、周波数が高くなるにつれ、Supercardioidっぽくなっていきます。4kHz以下はほぼ同じような曲線を描いています。
比較のためにEhrlund EHR-DとEarthworks DM6,AKG D12VRのSpecも記載します。
Spec of EHR-D
- Type
- Condenser microphone
- Membrane type
- Triangular membrane, combines the characteristics of both large and small membranes
- 指向性
- Cardioid
- 周波数特性
- 7 – 87000 Hz
- Sensitivity at 1kHz
- -42 dBV/Pa (8 mV/Pa)
- Impedance
- Handles all impedances
- Equivalent noise level
- < 9 dBA
- Signal-to-noise
- 85 dBA
- ダイナミックレンジ
- 128 dB
- Max SPL (peak) Clip
- 155 dB
- 0.5% THD
- 132 dB
- 1% THD
- 137 dB
- Power supply
- 48 V Phantom power
- Current consumption
- 2.0 mA
- 接続
- XLR 3-pin
- Materials
- Aircraft-grade aluminium body, hardened nickel-plated stainless steel net
- Finish
- Glass bead blasting
- 寸法
- 直径53 mm x 72 mm
- 重量
- 170 grams
Spec of DM6
- マイク・タイプ:
- コンデンサー
- 指向特性:
- スーパー・カーディオイド
- 周波数特性:
- 20Hz - 20kHz
- 感度(1kHz):
- -60 dBV/Pa (1mV/Pa)
- 最小インピーダンス:
- 1kOhm
- カラー:
- Stainless Steel with Black + Windscreen
- Acoustic peak
- 150dB SPL
- 必要電源:
- 48V Phantom, 6.5mA
- 寸法:
- 4.97″ x 1.93″(inch) ウインドスクリーンを含む、M2-Rを除く
- 重量:
- 0.58 kg
- 付属品:
- M2-R Ball Mount,Windscreen
Spec of D12 VR
- 形式
- ダイナミック型
- 指向特性
- カーディオイド
- 周波数特性
- 17Hz~17kHz (±2dB)
- 開回路感度
- -58dB re 1V/Pa
- 最大音圧レベル
- 164dB SPL
- インピーダンス
- 200Ω以下
- フィルター
- オープンキックドラムモード/ヴィンテージサウンドモード/クローズドキックドラムモード (48Vファンタム電圧供給が必要)
- 寸法(W x H x D)
- 101x 125 x 66mm
- 質量
- 500g
- 付属品
- マイクポーチ、特性データシート
共通の項目だけ抜き出してみます。
周波数特性曲線から判断すると一番フラットといっていいのはEHR-D、次点で4055かなという印象です。earthworksが意外にも、緩やかながら音作りされている印象です。
Sound Impression of 4055 Kick Drum Microphone
過去に何度かDPAの使用したことのある筆者は、4055が優秀なマイクであることは疑いようもない、という、技術者にあるまじき盲信の下、現場で試してみました。
よくOpeに伺うLive Houseに持ち込んで試してみました。Live Recも行っているので後でじっくり試聴もできるので一石二鳥です。今回のバンドはFunk系のバンドです。
会場の広さ的にもKickの生音も充分聞こえる会場ですが、soloボタンを押してHeadphoneで聞いた音は「なかなかに量感のある音」というイメージです。KickのTuningが少し高めだったというのもあるのかもしれませんが、地を這うようなBottom-endはこのときには得られませんでした。高域はコンデンサーマイクらしくしなやかに伸びている印象です。
とはいえ、Faderを上げると聞こえ方が変わってきます。低域が感じられるようになりいつも使っているマイクとは一線を画する音質であることを示してくれました。
一番印象的だったのは中域の滑らかさです。
後日、もう少し広い会場でのLiveにも持ち込んでみました。こちらの会場のほうがSpeakerの音のほうが支配的(いわゆる「Faderが効く」状態)なのでいつものマイクとの違いなどがわかりそうです。
会場は縦に長い会場で、Consoleは会場の後方なです。
なんとなく「このへんかな?」という場所に設置してチェックを進めていきました。KickのBeater hittig pointの軸上のややFront head寄りです。D112などはこのあたりかKickのfront Headのholeに少し突っ込んだあたりから始めるのでそのイメージです。先の印象と同じくSmoothな中域と、今回はRock系が多かったというのもありKickのtuningを低めにした所為か、Headphoneでmonitorしたときにかなりの低域を感じることができました。もっさりとした低域ではなくちゃんとspeed感のあるLow-endという印象です。
高域もD112やD12 VRと異なっておりEQもいつもと異なった感じになります。
途中でマイクポジションをもう少し奥(Batter head寄り)に変更し進行していきました。
更にCajonにも試してみました。通常はSHURE SM57やATM25などを使用することが多いのですが、今回はCajon,A.Gt,Vocalという編成でA.Gtが結構しっかり低域を出してくれていたので更にその下をカバーするべく4055があったので試してみました。狙いは大成功で、ふらりと卓に来ていたアシスタントも「すごいですね...」とため息です。
用途を限定しない優秀なマイクと言えるでしょう。
今回だけで攻略できたかどうかやや疑問ですが、potentialを非常に感じました。
リリースされた頃、SoundCloudのサンプルを見てつけて色々聞いていたのですが、やはりいつもの環境でないと判らないですね。
Afterwords
繰り返しになりますが、高いpotentialを秘めたマイクの印象です。Tuningがきちんと反映される非常に優秀なマイクといってよいでしょう。弊社の機材listに加わる日も遠く無いと思います。

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