DPA Microphones
ST4006A
とあることから、DPAの4006Aを試す機会を得ました。正確にはDPAの3506Aをお借りできた(Hibino I澤さん、いつもありがとうございます!!)のですが、使用したのは4006AとUA0961だったので、どちらかというとST4006Aかなということで見ていきたいと思います。
以前レビューしたDPA 4011Aもご覧いただけると幸いです。
Product Overview of ST4006A
さて、いつの頃からか、無指向性マイクが大好きな僕ですが、earthworks QTC50 mp, DPA 4090/4091という無指向性マイクはもちろん、ASTON Microphones Spiritや、AKG C414 等指向性切り替えのマイクもレビューしたり、使ったりしてきましたし、これからもそうでしょうし、そうであって欲しいです。
さて、d:dicate 4000 seriesである4006Aは、MMC4006+MMP-Aの組み合わせということになります。
Specです。
- 指向特性
- 無指向性
- カートリッジ
- プリポラライズド・コンデンサー、φ16mm
- 周波数レンジ(±2dB)
- 10Hz ... 20kHz
- 感度(±2dB)
- -28 dB re 1V/Pa
- 等価雑音レベル(Aウェイト)
- 15 dB
- 全高調波歪み(THD)
- 1 %以下(139 dB SPL)
- ダイナミックレンジ(代表値)
- 121 dB
- 最大音圧レベル
- 147 dB SPL
- アッテネータースイッチ
- 0 dB, -20 dB
- インピーダンス
- 200Ω以下
- ケーブル引き伸ばし可能距離
- 最大100m
- 電源
- ファンタムDC48 V/2.8 mA
- コネクター
- XLR3ピン(オス)
- 寸法、質量
- 全長169mm (DD0251実装時)、165g
- 付属品
- マイククリップ(UA0639)×1
クローズマイキンググリッド・シルバー(DD0254)×1
ディフューズフィールドグリッド・ブラック(DD0297)×1
フリーフィールドグリッド・シルバー(DD0251)×1
ウインドスクリーン(UA0638)×1
見た目は、以前レビューした4011Aとほとんど同じです。前述の通り、カプセルの違いだけですし、重量感もさほど変わりません。
Sound Impression of ST4006A
さて、音に参りましょうか。
4011Aと同様、ONSITE AUDIOさんのリクエストでのデモ(=Speakerの音をリアルで聴くように収録するマイクの選定)と、Live収録的なMulti Track 一発録りの現場での使用印象です。
前者から参りましょうか。比較の動画などはONSITE AUDIOさんの動画に公開されると思いますので、ここでは4006AのFocusして見ていきたいと思います。
4011Aと同じタイミングでのデモなので記載内容は若干重複しますがご容赦ください。
複数の機材の試聴に関しては、試聴した順番が第一印象に与える影響が大きいのは重々承知していますが、どの順番で聞いても影響を完全に排除はできないでしょうから、繰り返し、試聴の順番を変更するなどして対応するしかありません。
まず最初に聴いたとき、すなわちFirst impressionですが、自然な空間の広がりと低域から高域までスムーズで、艶があり、しなやかな音質が眼前に広がりました。
今考えると、この時に直前に聴いたのはDPA 4090だったのでその理由も腑に落ちます。しかし後日、環境変え、試聴の順番を入れ替えたりして聴いてみても、その印象は大きく変わることはありませんでした。
さて、Live収録の現場ではDsのOverheadに使用しました。編成はDs+Ba+Gtです。無指向性のマイクですので角度のマイキング調整はほぼ不可能です。マイク間の距離は40-45cmほどのA-B method、いつものO/Hより少しですが近め(=低め)にしました。いつもは会場のAKG C451などの単一指向性モデルをORTF methodもどきにすることが多いです。
無指向性ならではのオープンな感じの音像でいてL/Rがきちんと分かるステレオにつながった音像、そして(Play styleに大きく影響はするかと思いますが)Faderを上げた時の違和感の少なさが、印象的です。
4011Aと同じくやや落ち着いた、しかし存在感のある音質も流石です。
Pianoや弦ものにも、とても合うと思いますし、ambientなどにも積極的に使っていきたいマイクですね。
Afterwords
スタジオ定番の理由と実力を見せつけられた感じがしました。
やはり、それだけのことがあります。高価なので屋外のPAなどに持っていくのはちょっと気が引けますが、Studio録音用途はもちろん、Hallなどであれば安心して使えると思いますし、PAでもその力を発揮してくれるでしょう。
date:
checker:Takumi Otani
DPA Microphones,ST4006A
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