DMSD (Dave Mastrodonato Studio Design)
DMSD Slender

大分前にDMSD 50をレビューしましたが、今回はDMSD60の薄っぺらいVerのSlenderです。

結構印象の良かったDMSDシリーズ、今回のSlenderはどうでしょう。早速見ていきましょう。

Product Overview of DMSD Slender

DMSD50と60の大きな違いは耐荷重量です。Slenderとの違いはサイズです。これらを表にしてみました。

DMSD 60DMSD 50DMSD Slender
内容8個入8個入8個入
耐荷重180kg/4個12kg/4個180kg/4個
高さ約65mm約45mm約35mm~40mm
直径約60mm約50mm約60mm

Slenderは5mmながら高さも変更可能ということで、なかなか歓迎される仕様な気がします。完全な水平、平面が出ていない場合などにありがたい機能です。

DMSD 50との印象比較ですが「だいぶ薄いなぁ」と感じます。材質などには大きな変更はないようです。

Sound Impression of DMSD Slender

今回はLive houseのSubwooferに使用してみました。ここでも何回も紹介しているよくOpeに伺うLive houseですが、そこに15inchのS/Wが導入されています。18inchには及ばないながらも会場サイズの観点からは充分と言ってよく、導入していただいた当初は「お、これでSyhth Bassの音が聞こえる!」と出演者からも評判は上々でした。

しばらくはめでたしめでたしだったのですが、直方体ベースの会場ですのでコーナーなどに低域が溜まる印象です。本来吸音材や拡散体などで対策すべきですが、インシュレーターでダンピング感が向上すれば何某か変化があるのでは?という期待と、吸音材をコーナーに仕込んだ時に印象が良くなかったので今回はインシュレーターをアップデートする方向でトライです。

アップグレードと書きましたが、通常、ここにはPearl RRG-35BN RESORINGが使用されています。これはこれで良い仕事をしてくれているのですが、上記理由でオーナーと試してみよう、となった次第です。

当日現場について、早速片方だけDMSD-Slendarに交換しました。会場はコンクリートの上にクッションフロア(?)を貼り付けてあるようです。日常的に使用するには全く気になりませんが、Speakerの重心や底面の形状(ゴム足の状態)によっては微妙に安定しない場合があろうかと思います。3点支持であればガタツキは絶対に出ませんが、仮に上にものを置いたりする場合があるのでやはり4点で支えたいところです。

今回も微妙に高さを変えつつかっちり安定するまでトライです。

とりあえず、SM58でPanを振り、チェックです。X-overは100Hzくらいに設定してあります。低域のダンピング感を確認したかったのでHM full range speakerを、一旦MuteしてS/Wだけで試聴しました。誤解を恐れずにいうとPearl RRG-35BN RESORING vs. DMSD Slenerということになりますでしょうか。

とりあえず、この状態での比較ですとPeak Pointが、DMSDのほうが下に感じられます。オーナーとも相談して印象が良いDMSDで行ってみよう、となりました。

低域のレスポンスが変わりますのでcross pointやcurveを少し修正して、なかなか良い状態が作れた印象です。アンプの出力を3dBほど上げてみたのですが、なかなかに心地よい低域です。

実際のリハ、本番の印象に移りましょう。演奏家がいつもと同じ、というわけではないので印象ベースですが、僕も含めてオーナー、観客の方の印象が一致しました。その印象はTightというものです。アタックのある低域、という表現も良いかもしれません。KickとBassの分離感もよく好印象です。最初は低域なくなったのかな、と思ってリハの途中にS/WのLevelを変更してみたのですが、明らかに低域の量感が変わります。つまりS/Wはきっちり仕事をしてくれていたわけですね。今後も色々追い込みがいがありそうで、楽しみです。

Afterwords

音波は最終的に振動なのでそれをどのように効率的に活かすか、が非常に重量ですね。その意味ではだいぶ以前(なんと16年前)にレビューしたENHANCED Audio M600も同じ視点に立っている製品と言えるかもしれません。

インシュレーターは素材などでも音が変わるといいますから奥が深いアイテムですね。重量級のSpeakerをお持ちの方、興味があれば是非、試してみてください。

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