DMSD
DMSD 50
今回見ていくのはインシュレーターです。過去にはAT6099をReviewしましたがそれ以来でしょうか。KRYNA STAGEもスピーカーの下で役に立ってくれる
という観点では同じ部類かもしれませんね。
AT6099は比較的トライしやすい値段の製品ですがこちらはそこそこの価格がしますね。その効果は如何程でしょう。
早速見ていきましょう。
Product Overview of DMSD 50
今回DMSDを試すことにしたのは,知り合いのRecording Engineer(そうですね,「Hiroくん」としておきましょう)と「O谷さん最近なんか,買いました?」みたいな話を振られ「先日先輩がDMSD 60を試しててすごい良かったですよー」と情報をもらいました。「ああ,あれねー。耐重量すごいやつね!」と盛り上がったのですが,その後InterBEEやSNSでも評判は良く(別に彼のことを信用していないわけではありません。念のため。自宅のシステムは結構満足しているのですぐに試そうと思わなかったのです),ちょうどデモ機があるとのことで弊社録音スタジオAnnex RecのADAM A7にて試すことにしたのです。
さて,DMSDの代理店ページからの抜粋になりますが,
「スピーカーを設置面から切り離すための、最も効果的なプロダクトを造る。」というDaveの長年の目標を実現しています。
あたかもスピーカーが空中に浮いているような効果を生み出し、低域のレゾナンスは減少するどころかほとんどなくなり、同時にモニタリングシステムの位相のずれは是正されます。
とのことです。
DMSD50/60共に8個セットでの販売となっております。左右のスピーカーにそれぞれ4個ずつ使用可能です。3つで良いという人もいると思いますしその辺りは好みも影響するでしょうからとりあえず4個使えるのはありがたい限りです。
程よい重量感があり金属と金属でラバー樹脂を挟んだ構造をしています。多分この接着技術と材質選定に企業秘密があるのだと思います。
Sound Impression of DMSD 50
さて,実際の音とまいりましょう。
Control RoomのA7の下に4つずつ置こうかと思ったのですが,Before/Afterだと印象ベースになるのでまずL側にDMSD50を設置し,右側は今までの状態にしました。L側がAfter,R側がBeforeというわけです。
Panを降ってKickでまず確認したのですが,R ch(=Before)はドスっとしたいつもKickの音ですが,L chは少し明るめの音がします。相対的に低域が弱くなったのがかな?とも感じましたが印象は悪くありません。よしよし,ということでR chにもDMSD 50を設置しソースのPlaybackです。全体的に低域がスッキリするのかな,と思いきやそうではありませんでした。スッキリはするのですが,無くなる方向ではなく整理される方向というか,弊社コントロールルームはそこまで広わけでは無い(むしろ狭い)ので120Hzあたりに定在波もどきが存在するのですが,それもあまり気にならなくなるというか。
正直定在波の影響が少なくなった(様に聞こえた)のは驚きでした。定在波は部屋の構造に起因するものでインシュレーターでは根本的な解決は望めないと思っていたからです。
全体的に解像度が上がり好印象です。
セッションファイルを開いてラフミックスをちょっと聞いてみましたが細かい粗が気になります。細部まで音が見えている証拠です。
そのまま録音の際にも使用しましたが好印象なのは変わりません。演奏家の細かいニュアンスなどもしっかり感じ取れます。
Afterwords
ここまで効くのであればDMSD 60 ProをBass AmpやGt Ampに使用する,というのもありですね。スタジオモニター用サブウーファーにも効果が望めそうです。
昔,「音の制御は振動との格闘だ」と聞いたことがありますが,M600等を試したときもそうですし,今回も改めてそのとおりだなと感じます。
高さがあるのでセッティングに変更が必要かもしれませんが現状の音に不満がある方,試してみてください。
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checker:Takumi Otani
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