Buzzaudio
REQ-2.2
今回のレビューはMastering EQです。Mixwaveさんからお借りすることができましたので、2mixに対して試してみました。BuzzaudioはNew Zealandの音響ブランドで録音系の機器を多く発売しています。ここ数年日本にも入ってきています。以前elixirをレビューしたことがありましたが、今回のREQ-2.2マスタリングEQはどうでしょう。
Product Overview of REQ-2.2
正確には今回試せたのはREQ-2.2 MP mastering versionという機材で、4band,Boost/Cut は8dBのフルパラメトリック デュアルモノEQです。CUT/BOOSTは±3dBまでは0.5dBステップ、±4dB以上は1dBステップです。Class A回路で構成されたEQです。
各バンドは
- LF:30Hz-440Hz
- LMF:80Hz-930Hz(×2.5で215Hz-2250Hz)
- HMFF:560Hz-6100Hz(×2.5で1450Hz-15000Hz)
- HF:1900Hz-20000Hz
です。LF/HFはPeaking/Shelvingの切り替えが可能で、shelving時にもSlopeを変化させることが可能です。Bandwidthは0.25-2.0まで可変です。これは各バンド共通です。各バンドの下にはそれぞれのバンドのON/OFFスイッチがあり、つまみを回さなくてもその効果を確かめることが可能です。
パネルの右側にはHPFとSATURATIONというつまみがあります。SATURATIONは真空管系かなと思っていたのですが、試してみるとアナログテープ系ですね。Low Midあたりが濃密になる感じです。ジャンルにもよりますが、非常に魅力的なつまみです。積極的に使って生きたい機能の一つというか、試してみて損はしない機能だと思います。
すべてのノブはクリックタイプですのでリコール性はかなりのもでしょう。
背面を見てみましょう。各チャンネル、入力が1つに対し出力端子は3つ用意されています。ひとつはパラレル(Loop Output)、もう二つはEQ回路を通った後の出力(Line Output1,2)です。別のMaster Recorderに同時に出力したり、いわゆるTrue Bypassの音を確認することも可能ですね。
Sound Impression of REQ-2.2
さぁて、実際の音に移ってみましょう。今回ソースとして使用したのは、Rock Bandの曲、Jazzのバンド演奏です。どちらもMix Masterで簡単なMaster Compまでは通してありますが、過剰につぶしたりと言う処理は行っていないので今回のチェックにはもってこいです。1Bit DSDの2MixをRecorder KORG MR-2000Sから入力です。内部回路を通過した音と、回路を通過した音がどれほど違うのか(どれほど色がつくのか)、試してしてみようと思い、Loop outputからも信号を取り出して比べてみました。
結論を先に言うとなんら変わりが無いようです。逆相にして試したわけではないので確実性は薄いですが...。
まずはRockの方からいきましょう。それなりによくできたmasterだと思っていましたが、やはり、ちょっと高域をBoostしてやると綺麗にエアー感が出てきます。低域はどうでしょう45HzをちょっとBoost,うーんkickのドスという迫力が増して好印象です。
JazzのほうでもClをちょっと引っ張り出してみようか、みたいな話になり中域をちょっとBoostするとClがやや前に!もちろんPfもついてきてしまいましたが(汗)
個人的には結構Boost系で使うのがいいのかなと思いました。いやみなく綺麗に持ち上がってくるのでBoostが楽しいです。誤解を恐れずにいうとどこをどういじっても音楽的な音になってくれている印象があります。完全に高級機材の音です(いや、実際高いんですが)。いい機材の音っていいな、と高い機材を試すたびに思います。
中でリレー回路が切り替わっているのだと思いますが、ボタン類を押すと「カチリ」という音が聞えます(苦笑)。リレーで切り替わっているのであれば音にとってはプラスなんですが...。
Afterwords
総合してとてもよいEQだと思います。BuzzAudioの音質のイメージは「マイルドな音色」という感じですがREQ2.2 MPはとてもクリーンです。4kHあたりをブーストしてもあまり耳に痛くないので、積極的に使っていけるEQだと思います。(まぁあまりEQしないと使い物にならないようではMixがどうなんだ?と言う声も聞えてきそうですが...)
MixMasterのよさを引き出すことができるEQだと思います。ぜひ良質な電源ケーブル、ラインケーブルにこだわって接続していただきたいです。