AKG
C414B-XLII

Product overview of C414B-XLII

今回はAKG C414B-XLIIを取り上げましょう。C414シリーズの歴史は古く、一番最初はC12という真空管搭載のモデルが、その原型です(1962年)。
その後C414comb,C414EB,C414EB-P48,C414B-ULS,C414B-TLIIと進化を続けてきました。現行のC414シリーズには今回取り上げるC414B-XLIIとは別にC414B-XLSがあります。一番大きな違いはトランスの有無でしょう。

程よい重さを感じるボディにつや消しのブラックが綺麗です。
指向性は無指向性、

の5つ、4段階切替の入力PAD(0dB,-6dB,-12dB-18dB)に、同じく4段階切替のHPF(0Hz,40Hz,80Hz,160Hz)搭載です。

Sound Impression of C414B-XLII

さてC414の音ですが、かなり無個性といってもよいでしょう。

AKGのマイクは基本的に若干硬い音がする傾向にあるのですが、C414もうっすらとながらその傾向はあります。
コンデンサーマイクですからもちろん高域は延びているのですが、派手な音とも地味な音ともつかない音です。あえて言うのであれば地味という感じだと思います。同じくヨーロッパのマイクであるNeumannは結構中域がふくよかな感じなのに対して、AKGの音は結構すっきりしています。「もっさり感」が無いと言うかそういう印象が大きいです。

曲にもよると思うのですが、後から「この辺EQで押さえるからなぁ」という言う場合にははじめからそういうマイクを使った方よいと思います。
「マイキングテクニック」、という言う言葉と並んで「マイクアレンジ」という言葉がありますが、マイクのセレクトというのはやはり音を作るうえで重要なファクターですね。

僕が良く使用するのはPianoですが、マイクが無個性な分、HAのキャラなどがでますからHAのセレクトも慎重になります。HAのキャラはマイクに比べて、結構小さいと思うので、そこまでにシビアにはならないのですが、やはり最後までそのキャラクタは残りますから気は抜けません。
Stageでも屋内のliveなどでもしばしば使用します。結構印象がよかったのが擦弦楽器系です。ボーカル後ろに素直に広がる素敵なストリングが収録できました。
ただマイクがやや大きいので見た目がちょっと野暮ったかったですけど...
Overheadやちょっとオフマイクのパーカッションなど、マルチに使えるマイクだと思います。

かなりの音圧にも耐えることが出来ますので、GtやBass ampなども面白いと思います。
Kickにはちょっと試す勇気がありませんが、昔,Bill Schnee氏がタムに使用していたのを覚えています。ジャンルやチューニングにもよると思いますが、かなり素敵な音になっていました(そういえば氏はAKGマイクの大ファンだそうです)。

Afterwords

どのメーカーもそうなのですが、AKGのマイクはAKGカラーを残しつつもバリエーションのある製品群を作っているのがすごいと思います。それがあるからこそC451,C414,D112,D12,C12など名機と呼ばれるマイクがAKGブランドから登場してきたのでしょう。
これからもマイクメーカーをリードする存在でいて欲しいですね。

2010/05/10追記
後継機種C414 XLII発売開始。指向性切り替えが9種類に増えたほかは回路は同じです。


C414

date:
checker:Takumi Otani

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(生産完了機です。後継機種はC414 XLIIです)。

Product Review