AKG
K271 MK II
今回は久しぶりにヘッドフォンを見て行きたいとおもいます。業界定番機,というとSONY MDR-CD900STだとおもいますが,いろいろなメーカーからStudio Monitor
を冠するヘッドフォンが多数リリースされています。以前KRK KNS 8400のレビューを書きました(もう2年半になるのですね...)が,それ以来だと思います。
ヘッドフォンはマイクやケーブルと異なり,種類があればあったほうがよい,という類のものではなく,信頼出来る1台があってチェック用にほかメーカーのものもあれば...,という,モニタースピーカーに近い部分があるかと思います。
あまり積極的にチェックできていなかったHeadphone,今後もなるだけピックアップして行きたいと思います。
Product Overview of K271 MK II
いきなりで恐縮ですが,まずザックリスペック行ってみましょう
- 形式
- 密閉ダイナミック型
- 感度(1kHz)
- 91dB SPL/mW
- 再生周波数帯域
- 16Hz ... 28kHz
- 最大許容入力
- 200mW
- インピーダンス
- 55Ω
- イヤーパッドタイプ/素材
- アラウンドイヤー/合成皮革
- ヘッドホンケーブル
- 片出し脱着式、3mストレート(EK 300)と 5mカールコード(EK 500 S)の2種類が付 属(ミニXLR、メス→ミニプラグ)、OFC
- 入力コネクター
- ステレオミニプラグ(金メッキ)
- 色(ハウジング部)
- ダークネイビー
- 寸法・質量
- 幅205×高200×奥行110mm
- 240g(除ケーブル)
- 付属品
- イヤーパッド(ベロア)
- 入力変換プラグ(ミニプラグ→フォーンプラグ、ねじ固定式、金メッキ)
外観のデザインはAKGのKシリーズという感じです。
最近のヘッドフォンに多い,耳を押さえつけないデザインになっており,長時間装着時の作業性も考慮されている印象です。
あと,これはもっと高く評価されるべき機能だと思うのですが,ヘッドバンドにミュートスイッチ機能を搭載し,外すと自動的に出力がミュートされ、音漏れを防止します。片耳だけの装着だと音は出ないので不便だ,という人もいると思いますが,スタジオでコンデンサーマイクを使用している時や,Recの転換時にヘッドフォンにピークが入って故障するのを防いでくれます。
Sound Impression of K271 MK II
さて実際の音に移りましょう。
最近店頭でヘッドフォンを試したい,という方が少なくないのですが,用途により対象となる製品はまちまちです。
一番多いリクエストが「基本的に夜間などの音楽制作に使用したいのだが,せっかくならリスニングにも良い物が欲しい」という内容です。
互角を招くかもしれませんが,「製作用途」と「リスニング用途」では求められる性能が若干変わってきます。
前者は高解像度で正確な音,後者は高解像度ながら楽しく聞ける音,というイメージでしょうか。例が極端ですがDJヘッドフォンには「低域を派手に入力しても歪まない耐入力」と「騒がしい場所でもしっかり聞けるという遮音性能」が求められます。
「製作用途」は何も足さない何も引かない素材の味,「リスニング用途」は素材の音を大切にしつつも最後の胡椒一振りが加わった感じとでも申しましょうか。「リスニング用途」を期待してスタジオモニターを使用すると若干地味に聞こえ,「製作用途」を期待してリスニング用途を使用するとちょっと色付けを感じる,というようなことがある気がします。
その中間の着地点を探すのですが,ある程度メーカーのサウンドキャラクターをお伝えして聞き慣れた音源で試聴していただくようにしています。
値段が近いこともあってかKRK KNS8400とAKG K2710mkIIがいい勝負をします。
AKGはやはりヨーロピアンで中域が豊かな感じ,KRKは高域がスッキリしたサウンドです。クラシックやジャズが好きな方はAKGのほうが好みのかたが多いようです。ロック系の人は(この二者択一ですと)KRKに決まることが多いです。
高域もきちんと出ているのですが耳が痛くない感じでマイルドな印象です。Revなども若干シックに響く印象です(新品を試聴することが多いからかもしれません)。
個人的にはある程度のクオリティを超えていればStudio Monitor
としての性能は問題無いかと思います(ヘッドフォンアンプなどにも影響される部分もありますし)。
むしろ作業をしていく上で"好みの音で作業ができる"という部分も捨てがたいのでは無いかと思います。
Afterwords
モニタースピーカーではどうしても見えない超低域などの確認するのにある意味不可欠なヘッドフォンですが,ニーズにあったものを入手するのにはやはり試聴が一番です。
お気軽にご来店ください。
date:
checker:Takumi Otani