ADAM Professional Audio
H200
2025年最初のレビューはHeadphone、ADAM Professional Audio H200です。ADAM Professional Audioのモニタースピーカーは製品レビューでも多く取り上げて来ましたが、Headphoneはサイズによる違い、などはなかなかないのでどうしてもバリエーションが少なくなりがちです。
愛用していたHeadphoneが傷んできていたところに生産完了の連絡があり、代わりの製品を探していたところでした。
早速見ていきましょう。
Product Overview of H200
まずは Specと参りましょうか。
一般データ
- デザイン
- 密閉型サーカムオーラル、ダイナミック型ヘッドフォン
- 折りたたみ
- 不可
- ケーブル着脱
- 可
- イヤーパッド交換
- 可
- ヘッドバンド交換
- 可
- イヤーカップ素材
- PC-ABS (85%リサイクル材)
- イヤーパッド素材
- 人工皮革 + 低反発素材
- ケーブル接続
- L/Rどちらでも可
- イヤーカップ端子
- 2.5mm(1/10")TRSジャックプラグ
- ソース側端子
- 3.5 mm(1/8")TRSジャックプラグ(ストレート)、6.3 mm(1/4")用アダプター
- 感度
- 1kHz/1 Vrms, 1 kHz / 1 mW: @1 Vrms = 112.5 dB SPL, @1 mW = 97.5 dB SPL
- 最大入力電力
- 30 mW(0.98 V)
- 連続入力電力
- 20 mW(0.8 V)
- 動作条件
- -30° C to +50° C、相対湿度85%以下、非結露
- 重量
- 0.25kg
- 保証
- 2年
- 同梱物
- H200ヘッドホン、3mストレートケーブル、ソフトキャリーバッグ
ドライバー仕様
- トランスデューサー直径
- 40 mm(1.6")
- トランスデューサーマグネット
- ネオジム
- トランスデューサー保護
- クロス/フェルトのカバーグリル
- インピーダンス
- 32 Ω
音響性能
- 周波数特性
- 2 Hz … 23.5 kHz (-3dB)
- 最大音圧レベル
- 112.5 dB SPL @1 kHz、THD 0.04%
- THD
- <0.02 % @ 1 kHz and 100 dB SPL
- パッシブ遮音性能
- 4 kHz 以下平均で40dB
定番と言われているSony MDR-CD900STのSpecと比べてみましょう。
- インピーダンス
- 63Ω
- 最大入力
- 1,000mW
- 再生周波数帯域
- 5-30kHz
- プラグ形状
- ステレオ標準プラグ
- コード長
- 2.5m
- 質量
- 約0.2kg(コード含まず)
主要な内容である、重量、ケーブル長、出力、周波数特性、インピーダンス、あたりをまとめてみました。
H200 | MDR-CD900ST | |
---|---|---|
重量 | 0.25kg | 約0.2kg(コード含まず) |
ケーブル長 | 3m | 2.5m |
出力 | 30 mW | 1,000mW |
感度 | 97.5dB/mW | 106dB/mW |
周波数特性 | 2 Hz … 23.5 kHz (-3dB) | 5Hz … 30kHz |
Z | 32 | 63 |
出力が30倍以上違いますね。
どのくらい違うのか計算してみました。$L$を音量とすると
H200
$$L=97.5+10\log_{10}\frac{30}{1}$$
ですから、$$L=112.2 \ldots \mathrm{[dB]}$$
MDR-CD900ST
$$L=106+10\log_{10}\frac{1000}{1}$$
$$L=136 \mathrm{[dB]}$$
確かにMDR-CD900STはPhone knobをあまりあげなくても音量が稼げる印象があります。
僕はそこまで爆音で音を聞かないので100dBもあれば出力としては問題ない印象です。
ケーブルが左右どちらにも脱着可能なのは嬉しいですね。ケーブルの長さが充分にありますので固定でもあまり支障は出ないと思いますが、Phones 出力端子がある側から伸ばせたほうがスマートです。
Sound Impression of H200
さて、音にまいりましょう。どんなもんかなーと、よく使用するReferenceを聞いてみました。
どっしりとした低域からきれい伸びる高域までが非常に好印象です。音量も充分に得られますし、密閉型で遮音性能が4 kHz 以下平均で40dB あるのでそこまで音量を上げる必要もありません。
実際Liveの会場で使用してみました。リハーサル/Sound Check時に単独チェックの際にHeadphoneでまず音を確認しますが、音源とマイクの位置関係がきちんと反映されていることに驚きました。KRK 8400もその辺りは優れたHeadphoneだと思っていましたがその上を行く解像度です。リリース時期がだいぶ異なりますから同様に比較するのも不公平ですが、ちゃんと調整されたControl RoomのMonitor Speakerという印象を受けます。
流石に脳内定位するのはHeadphoneの宿命ですが、専用のADAM Audio Headphone Utility DAWプラグインが付属しており、イヤーパッドの素材に合わせた音響補正や、ヘッドホンをスピーカーのように動作させる「Externalization」機能があるとのこと。PA現場が多いので、執筆現在試せていませんが、どこかのタイミングでは試してみたいですね。
Afterwords
強度試験などはできていませんが、好印象なのでバックアップとしてもう1台導入することにしました。備えあれば患いなしです。非常におすすめできるHeadphoneです。
date:
checker:Takumi Otani
ADAM Professional Audio,H200
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